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怨讐の拷問塔  作者: 狂乱のY
1章
3/87

絶望……そして希望3

キーンカーンカーンコーン……



 予鈴がなった。



 全員慌ただしく自席へ着いていく。



 もちろん私の椅子は無いので、体育座りではあるが……。



ガラガラ!!



 教室の扉が開かれ、先生が入ってきた。



「皆さん、席に着いてますね?……あれ?霧峰さん、どうかしましたか?」



「……。」



「せんせー!霧峰さん椅子を壊しちゃったみたいなんです!」



「「「きゃはははは!」」」



 1人の女子がからかうように声を出せば、笑いが起こる。



「はぁ……そうなんですか、霧峰さん?」



 もちろん違う……と言いたいところだが、それを言ったところでこの後の状況が悪化するだけなので、私は黙ったまま頷いた。



「うーん……しょうがありませんね。後で先生が椅子を用意するので、それまで我慢して下さいね?」



「せんせー!弁償とかないんですかー?」



「そーよ!壊しちゃったんだから弁償すべきなんじゃないのー???」



 クラスメイトがここぞとばかりに追い討ちをかけにくる。



「皆さんが心配するようなことはありませんよ?それに、霧峰さんのせいではないようですし、責められません。」



 だが、そこは先生だった。



 生徒に流されるようなことはなく、冷静に判断して結論を出していた。



 先生の言葉に生徒は「ちぇー」と不満が漏れつつも静かになった。



 この先生、名前は八坂優子やさかゆうこ



 20代の若い先生でありながら、落ち着いた感じで生徒と接することの出来る先生である。



 そうでありながら固い感じはなく接しやすい先生でもあるので、生徒からの人気もかなり高い。



 すらっとしていてスタイルも良く、整った顔立ちにパッチリとした澄んだ瞳で若干の垂れ目に泣きぼくろが特徴的でかなり美人だ。



髪型はミニボブで薄らと茶色に染めていて、服装もビシッとした清潔感溢れるスーツ姿で本当に完璧で隙がなかった。



「それでは、ホームルームを始めますね。」



 全員が静かになったのを確認すれば満足そうにニコッと可愛らしく笑い、話し始める。



 私もこの人の話はきちんと聞こうと耳だけはしっかりと傾けて……



 ……あれ?



 変な音が聞こえる。



 ガタガタガタガタ……。



 まるで地震が起きているようなそんな音だった。



 次の瞬間。



 ガラガラガラガラ!!!!!!



 「えっ!!?」


「うわっ!!?」


「きゃぁああああ!!?」



 教室の床が崩れて、全員下へと落ちていく。



 突然の出来事に阿鼻叫喚しながら、私たちは奈落へと吸い込まれていくのだった……。

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