絶望……そして希望10
「更に言うとあなたは周りの多数から疎まれているし、あなた自身よく思っていない、違うかしら?」
「……はい。」
これを肯定するのもどうかと思ったが、それ以上に彼女を敵に回すのはまずい。
会ったのはついさっき。
それなのにここまで私の状況を言い当てている。
それだけでメイビスの観察力は確かだし、現状取り入って悪いこともない。
そう言った意味で、彼女を敵に回すような振る舞いは今後避けるべきだろう。
「素直なのも良いですわね。名前を教えてもらえるかしら?」
「霧峰斬子です。」
「さっきまで怯えていたのに、今ははっきりと……ふふ、切り替えの早さも評価できますわ。ではこちらに来なさい。これからいっぱいやる事を教えてあげますから。」
不敵な笑みを浮かべつつ、メイビスは私の部屋を出て行く。
私は警戒はしながらもそれについていった。
私たちが案内された建物とは別の場所へと私は連れてかれた。
だがそこは、更に豪奢な雰囲気を漂わせるお城だった。
ホコリひとつない綺麗なだけでなく、所々黄金を使っているのか輝いている。
そして、その城の一室へと私は案内された。
「どうぞ、そちらに座りなさい。」
中は更に豪華かと思いきや、意外に質素な感じでキラキラした雰囲気はなかった。
全体的にピンクではあるが落ち着いた感じだし、装飾品も少なかった。
私は言われるがままにソファに腰掛ける。
予想以上に深く腰が落ちたので驚いたが、これもかなり高級なソファなのだろうと思えば納得した。