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今年最後の厄災(千鶴)

作者: 狼花

 「こんにちは、今日はいかがなされました?」

病院に着くとマスクをかけピンク色の看護服を着たナースに受付をしてもらう

「1週間前に足首を捻ったみたいで放置してたら悪化しました。」

「なるほど。では問診票に記入をしてもらっていいですか。後、保険証を…」

「わかりました。はい、保険証」

問診票を受け取り、保険証を渡す。

「ありがとうございます。確認できましたので保険証の方、お返しいたしますね」

「ありがとう」

しばらくして問診票を書き終え受付に持っていくと待合室で待機するように言われたので

椅子に座って待つ。

・・・  もう、12月になるっていうのに最後の最後でやらかすのよね私… ・・・


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 1週間前、自分の勤めている部署に向かおうとして階段を登っていると

前方から、故障した重そうなプリンターを抱えている若い女性の人が降りてきたの。

足元がよく見えないのか予想どうり足を踏み外しよろけたので咄嗟に支えて私は階段を一段踏み外した。


 とりあえずその女性に思ったことは大丈夫や怪我はないという基本的なものよりも先に

なぜエレベーターを使って降りないのかという疑問だった。

危ないから自分の身のためにも安全を優先して仕事をして欲しい。

怪我して病院で治療費を取られたのでは本末転倒でしょ?

仕事は自分の時間と引き換えに給与という、対価を貰っているのだから。


その場はそこでお互い何もなく良かったですね、という感じで終わったのだが。

2、3日しても足の痛みが治まらず昨日ものすごく強い痛みを生じたので病院に来たという流れ…


 娘達には悟られないようにしているので今のうちになんとかしたい。

怪我してると知ったら優しいあの二人のことだから家事を代わったりしてくれると思うけど

残業で帰れなかったり用事ができてしまったりと、今年は何回か頼ってしまった。

だからこれくらいの怪我で迷惑をかけたくないという気持ちがあって、今はまだ黙っている。

・・・  娘達には立派な母親だと、思われたいという強がりもあるけど  ・・・


 待合室で順番を待っている時間、特にやることもないので今年のことを振り返っていた。

資格試験に挑戦できなかったなとか

家族サービス今年はあまりできなかったなとか

そんなたわいもないことだけどね。

・・・  でも、今年はあまり嫌なこともなく平和にやれていたのに残念だわ ・・・

足の怪我を見て思う。

今年こそ、厄災が起こらないようにと思っていたのに最後の最後で、あーあ。


 「七野さん、七野千鶴さん。2番の診察室へお願いします」

・・・ さて、 落ち込む時間は終了。 診察が終わったら来年の目標でも考えましょう・・・

 

 来年は家族サービスもきちんとするし、仕事も自分のできることを増やせるように頑張って

あの子たちの誇れる親にならないとね。


皆さんも、今年、最後の厄災にはお気をつけを。

 

 




 


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