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たいむいずまねー その1

翌朝。イデアとマネックスは勇気の学校の時間に合わせて一度家に帰る。


最近、何かと頑張ろうとしている勇気に「いってらっしゃい」の一言だけでも言ってあげたいという、お姉さんとしてのお仕事をしたいという事らしいので、俺分も言っといてとお願いする。


あれから夜通し周りを見回ってたんだけど、普段の日本の生活でめったにするもんじゃないから、かなり眠くてね、俺とペアになってくれた警備の方も「朝方であれば問題ないでしょう、そろそろ我らは休みますか」と言ってくれたので、近くにいた方にひと声かけて目を閉じる。


・・・・


・・・


・・


気が付けば昼頃になっていて、イデアとマネックスが皆さんにパンを配っていた。


どっかで見たことのあるパンだなぁ~って思ったら「ショッピングモールの近くのコストーコってところで買ったの。あそこ結構面白いね」なんてイデア。


二人が持っているビニール袋に入っているパンの山を見て、今日ほど、面白がって会員制スーパーに登録しといて良かったと思ったことはないね!他のスーパーだったらこんだけの量を一度に買うのは大変だったと思うから、本当に助かったよ。


警備の方も「ここまでしていただいて、もう本当に申し訳ない!」と頭を下げつつ、自分も何かとってきます!と言って、先ほど兎を何匹かとってきてくれたので、パンと兎肉を焼いたのを頂いたんだ。


先日の戦闘の記憶もまだ残っていて、とても落ち着いてご飯食べれないんで、なんとなく残っている人達で固まってご飯を食べてたんだけど、食べながらみんなで話していると、正直ここでずっと待ってるのは辛いので移動したいという意見が多数だったんだよね。


確かにそうだよねと思いながらも、現状を冒険者ギルドの方に見てもらわないといけないのかな?なんてことを思っていると、「とりあえず埋めて置けるものは埋めちゃって、証拠提出って事になったら掘り返せばいっか!」という話になったので、移動を開始する。


一応現場には、ゴブリンの衣服に「現場」と言う文字と、「ここで多数の戦闘あり、冒険者ギルドの対応待ち」という文言と、俺とイデア、警備の方と、残っている方々の名前をマーカーに書いてもらい、近くにあった木に巻き付けておいたんだ。


本当だったら、今ぐらいの時間に冒険者ギルドの方々が来て、現場の検証などしてくれたら楽なんだけど、来ないものは仕方がない。


昨日けが人を乗せた俺らの馬車が夜通し移動して、早朝に到着し、そこからすぐに対応してくれたとして、丁度今くらいに到着するだろう?という警備さんの見通しが外れてしまったので、みんながここから離れたいってなってしまったのも当たり前だと思う。


今残ってるメンバーは、俺、イデア、マネックス、警備さん、俺らの馬車のお客さん4人と、別の馬車のお客さん3人の11名。あとはけが人や付き添いとして馬車で移動してるのよ。


冒険者風の人間は「ここに残る意味がない」と勝手に移動してしまったので、警備さんと残ってる人達で「冒険者は自分がしたことを棚に上げ、現状を放棄した」という事実を確認したので、冒険者ギルドでお仕置きしてもらおうと思ってる。


みんなで馬車の通りにそって移動をはじめたんだけど、出来る事なら後方から馬車が、前方から冒険者ギルドが来ないかな?なんて思いながら移動してるんだけど、一向に来る様子がないので、みんなの気持ちが暗くなっていくのがどうにも嫌だったので、俺はあえていろいろな人に話を振りながら歩く。


皆さんから出身などを聞いていると、ケル村から馬車に乗ったのが良かったのか?ケル村と繋がりがある方が多かったので、そこらへんから話を広げていくと、「ケル村から来た女性に裁縫の事を教えたり、反対に料理の事を教えてもらったので、ケル村との繋がりを大切にしたいと思ってる」とか「あの温泉施設はとても良いから、うちの村でもなんとか温泉施設は作れないものか?と検討している」なんて声が上がってきて、改めて、ケル村のみんなの頑張りがいろいろなところに影響してるんだな、と嬉しくなったよ。


そんなんで一時は盛り上がった一行も、休憩をはさみながら歩くこと数時間、さすがに疲れてしまい、道沿いで休んでいると、前方から「おーい!!!」と手を振る馬車が!


俺らを乗せてくれた御者さんが、お客様を降ろしたあと、冒険者ギルドへの説明を前の馬車の関係者に任せてすぐに引き返してくれたらしい。


「無事で良かったです」とほっと胸をなでおろす御者さんを見ると、目の下のクマがものすごいことになっているので、警備さんが「ちょっと休みなよ」と言うと「甘える」と言った瞬間グーグーものすごいいびきをかいて寝てしまったんだ。


その様子を見た皆さんは「寝ないで来てくれたんだ・・・ありがたい」と御者さんに頭を下げ、馬車の一角に毛布を敷きつめ、そこに御者さんを寝かせる。


警備さんが馬車を運転して、俺とイデア、マネックスが護衛を引き受けると、「魔導士さんと棍棒さんが警備してくれるんだったら心強いや」なんて皆さんが言うので、その言葉をありがたく受けながらも「何故に俺は棍棒さんなの?」という疑問を残しながら、さらに数時間。


やっと。


やっと着いたよおっかさん!





ここが一番近い街、スケットか・・・


ケル村の数倍はデカイ街並みに、圧倒されながらも、まずは冒険者ギルドに行かないとね。


話し合いはどうなってるのか?依頼はきちんと受けてもらえるのか?


それが終わったら、街中を観光したいけど、その前にゆっくり寝たいなと思う今日この頃。


とりあえず、無事に到着して良かった・・・という事にしておこう、うん、そうしよう。

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