な、なんでこれが?? その2
最近寒くなったから鍋が美味しいよね。
市販の鍋のつゆも、いろいろな種類があってついつい目移りしちゃうよね?
いつもいろいろあって面白いから、勇気に好きなの選んでもらうんだけど、今回はなんだかカレーの気分だという事でカレー鍋。
入れるものも、昔は適当だったんだけど、なんとなく「一人一品、食べたいものを選んでくれ」と言ったら、ウインナーやチーズ、パンなんかも籠に放り込まれたので、どうなるかな?と思ったら結構おいしかったんでビックリしちゃったよ!
何でもやってみるもんだなぁ~なんて思いながら、家族で鍋を囲み、冒険者ギルド行きの話をすると、「私ずぇったいいきまず!!!!!!!!!!」と糸こんにゃくをほおばりながら力説するイデア。
カミサンが週一の仕事とぶつかってしまったため参加はできず、勇気の面倒を見るのにイデアかマネックスに残ってもらいたいと思って話をしたんだけど、こりゃ決定かな?
マネックスの方を見ると「今回はお姉さんが譲ってあげますよ」と言ってくれたので、今回は俺とイデアで冒険者ギルドに行くことにしたよ。
まぁ~一度言ってしまえば、移転の魔法でカミサン・マネックスも連れてくることも出来るから最初だけの我慢だと思ってもらいたいんだけどね。
ただ、そこに行くまでの旅の醍醐味を味合わせてあげる事が出来ないから申し訳ないと謝ると、みんな「仕方がない」と許してくれたので安心したよ。
最初、勇気も「俺、一人でも大丈夫だよ」なんて言ってくれたんだけど、俺が勇気の面倒を見れなくて申し訳ないって思ってるって事と、マネックスが残ってくれてれば勇気が一人で寂しい事がなくなるから、俺も安心して動けるという事を言うと、「ありがとう」って言ってくれたんだ。
一時は反抗的な態度をとっていた勇気も、最近はちょっとずつ変わり始めた気がする。
異世界に連れて行き、いろいろ行動させた日以降、何か思ったところがあったようで、イデアやマネックスにいろいろ聞いたり、時間があると誰かとジョギングなんかをしてるんで、こうやって徐々に大人になって行くのかな?と思うと嬉しく思うよ。
みんなで後片付けなどをしながら、交互にお風呂に入ったり、たわいもない話をしながら、のんびりとした時間を過ごしていると、あっという間に時間が過ぎてしまったので、みんなで就寝。
お年頃の二人の女性を入れてみんなで寝るって事が最初ちょっと恥ずかしいな、と思っていた俺なんだけど、意外と二人のほうがみんなで寝るって事をしたいって言ってくれたので、今では安心して寝れるよ。
ただ、ちょっとだけ困ってるのが勇気とイデアの寝相・・・
必ずと言っていい確率で、勇気の足は俺の脇腹に突き刺さり、イデアのしっぽが俺の顔の前でゆらゆら揺れるもんだから、正直しんどいんだけど、これもまた幸せな事なんだよな、と思いながら俺も夢の世界へ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
翌日、カミサン、勇気の順に送り出してから、イデア・マネックスと一緒にケル村へ。
マネックスに勇気の事と、村長へくじ賞品購入のためのお金を預けて欲しいというお願いをして、イデアと一緒に旅の馬車に乗りこむ。
今回のメインは冒険者ギルドにくじ賞品の回収を依頼することなんだけど、おそらくイデアは冒険者ギルドに所属していろいろやってみたい!って言うんだろうなと思ってるから、ついでに俺も一緒に所属して活動なんかを見守りたいって思ってるんだよね。
そうなると、カミサンもマネックスもやりたいって言いだすだろうし、将来的には勇気も言い出す可能性があるよね。
う、う~ん・・・ま、まぁ、今考えても仕方がない、そん時考えよう、うん、そうしよう!
そんな事を考えながら、久しぶりに使った背負子や大き目のバックを降ろし、その中から飴を出して舐めようとすると、イデアが「ちょーだい!」って言いながら袋に手を突っ込んでくる。
最近こういう仕草からも思うんだけど、日常で変に気を使う事がなくなったところを見ると、本当にほっとする。
まだ会ってから半年も経ってないんだけど、女性という部分を除き、あんまり遠慮というものをしなくなってから、イデアもマネックスも遠慮がなくなったので、徐々に家族に慣れてきてるのかな?
そう思いながらイデアを見ていると、飴を何個かまとめて口に放り込んでもごもごやってるので、なんかリスみたいだなって思っていたら、口に出ていたのか?頬をぷくーっと膨らませるイデアがいましたよ。親ばかかもしれませんが、やはり可愛いなぁ。
ただ、改めて、こうやって荷物を持ちながら旅をすると、今まで当たり前のように使っていた魔法のかばんって本当に便利すぎるって事に気が付いたんだよね。
今、魔法のかばんはマネックスが持ってるから、久しぶりに大き目のバックを持ってるんだけど、野宿を考えてキャンプ道具を少し持ってきただけで、自分の衣類など最低限のものしか入れられなくてさ、イデアには自分の衣類などを持ってもらってるんだけど、結構荷物多くなっちゃってね。
まぁ~他の方も途中一日の事を考えて多めの荷物なんだけど、出来る事ならこういうところでイデアには楽させてあげたいなぁ~って思ってたら、「今度、リュックサック見たいな両手が空くようなバック買わないといけないなぁ」なんて言ってるの。
ん?なんて視線を向けると、「だって、今のショルダーバックだと、荷物が固定されなくて体がぶれちゃうから魔法打つのが難しそうで・・・」なんて言ってるので、今からもう冒険者になったつもりでいるのかな?
以前、ケル村でイデアが魔法を使っているところを見た時は、魔法の対象物に向けて手を伸ばし、何やら一言二言言ったと思ったら、いきなり地面が陥没したからびっくりした記憶があるんだけど、やっぱり両手が空いてた方が魔法って使いやすいの?って聞くと、
「お母さんが”魔法はイメージが大事”なんて言ってたから、自分なりにいろいろやってみたら、両手でイメージを作るやり方の方がやりやすかったの。魔法使える人に教わりたいんだけど、村の人たちは魔法使えいなかったから、出来たら冒険者ギルドで教えてもらいたいの」なんて言ってる。
まぁ~魔法使えなくて、ちょっとだけ身体能力が上がってるだけのおっさんな俺は、魔法が使えるってだけでかなり羨ましくあるんだけどね。
まぁ~それで少しでも自信が持ててくれれば、親としては嬉しいから、自分は二の次でもいいや~なんて事を思ってたら、何やら馬車の周りが慌ただしくなってるの。
一応主要都市に行くので、馬車に護衛をしてくださってる方がついてくれてるんだけど、その人が「ありゃやべぇなぁ」なんて言ってるのよ。
思わず何かあったんですか?って聞くと、「前の馬車が襲われてる、ちょっと劣勢だからもしかしたら応援に行くかも知れない」ということだったので、「もし手伝いが必要だったら言ってください」と言って引っ込む。本職の護衛の方の邪魔しちゃ駄目だもんね。
一応、イデアにも周りの状況を話し、魔法の力が必要かも?と話すと、「一応着替えておくね」とバックから皮の胸当てを取り出したので、俺も同じような装備と模造刀を取り出し準備をする。
これの準備が無駄になってくれるといいなぁ~なんて思ってたんだけど、その時はすぐにきちゃったのよ・・・




