表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/80

悩めるお年頃・・・ その3

ショッピングモールのCMを何度か見ていたら、カミサン達女性陣が大きな荷物を抱えながら近づいてきた。


内心、すげぇなおい!って思いながらも、黙って荷物を持とうとすると、半端なく大きくて、バランスとるのが大変だよ。


何を買ったか聞いてみると、身の回りのモノ一式ということだったので、あえて細かく聞かないままカートを持って移動する。


荷物どうしようか?どこかで送ってもらうようにしようか?なんて言ったら、マネックスが「魔法のかばんがあるじゃないですか~任せてください!」って言ってくれたので、人が見てないことを確認しつつ、魔法のかばんにどんどん荷物を入れる俺達。


さすがに入りきれないってことはないとは思うんだけど、目の前で俺が抱えて運んだ荷物が、かばんの中へ吸い込まれる光景は何度見ても不思議に思ってしまう。


考えてみたら、目の前に3人も魔法が使える人物がいること自体すごい事なんだよな、なんて思いながら、来た時間が遅かったこともあったので、企画部さんや広報さん達には後日挨拶することにして、バスに乗り込む。


移転の魔法で帰ってもいいかもなと思ってたんだけど、イデアが熱烈にバス電車を希望したのもあったし「これからこちらの世界でもいろいろしたいと思ったら、移動手段は覚えておいたほうがいいかもね?」なんてカミサンの言葉もあったので、その通りかな?なんて思ったんだ。


で、家に帰ったらさ、もう本当にひっちゃかめっちゃかなのよ。


ここ二週間、イデアが来てから家の整理やら掃除やら全く手を付けられない状態で、ただでさえ片付け下手な俺らだからか?リビング以外荷物の山になってるのを目の当たりにして反省。


改めて、恥ずかしい我が家でごめんとイデアとマネックスに謝ったら「なんで謝るの?片付ければいいじゃん」と当たり前の様に言ってくれたので、育ててはいないけど、出来た娘だ!感動に浸る俺。


ただ、今日は疲れてしまったので、お風呂に入って、寝室でごろ寝。


女性陣に寝室に行ってもらって、俺と勇気は子供部屋で寝ることにしたよ。


「お父さんも一緒に寝ればいいのに~」なんて娘二人とも言ってくれたんだけど、正直、三人で寝ていた寝室に5人もきついし、何より、年頃の若い二人と一緒に寝るのはこっちが恥ずかしいので、勇気を道連れにした形だ。


疲れてしまい早々に寝てしまった勇気を見て、縁で家族が増えたけど、これからも変わらず俺は俺らしく家族を支えていきたいと思いながら俺も夢の世界へ・・・


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


翌日、女性3人に見送られながら出勤。

慣れてないからかもしれないけど、なんだか照れるなぁ~


いつもはバラバラな家族だけど、今日は女性3人で家の大掃除をしてくれるそうだ。


やたら段ボールが多かったりするけど、家は二階建てで、そこそこスペースはある。


俺の荷物はあまりないから、カミサンと勇気の荷物がなんとかなれば、家族5人なんとか部屋を割り振れるんじゃないかな?って言ってたので、3人にはかなり期待をしている俺がいますよ。


職場について、養子縁組の話があり、それに伴い準備のために休みが欲しいと言うと、関連部署に迷惑を賭けなければよいということ。


その後、職場のみんなに話したところ、なんとかしてくれるという事だったので、言葉に甘えて水曜日から日曜日まで5日連休をもらうことにした。


ただ、仕事をするうえで「相方」なんて言いながら一緒に仕事をしていた奴には、仕事を辞めようかかなり真剣に悩んでるので苦労かけるかもしれない・・・と話をしたところ、かなり真剣に止められてしまった。


仕事を淡々とこなす相方だっただけに、あまりに熱い口調で止められた事に驚きながらも、「ごめんな」というと「悔いのないよう、真剣に考えてから答え出してください!」と言われ「わかった」と一言返すのが精一杯だったよ、俺。


一応仕事の引継ぎ見たいなものをしたいなぁ~って思って、引継ぎ内容をまとめてみたんだけど、A4版1枚で終わっちゃった。


ほとんど窓口要員だったから当たり前なんだけどね。


それが終わった後、改めてお客様とお話をしていると「良くお世話になってるから」とジュースを下さったり、お子様と一緒に来てくれるお母さんが子供とバイバイ~って手を振ってくれるんだ。


やっぱり俺はいろいろな人と話をするのが好きで、お客様に喜んでもらうために仕事してるんだよなぁ~って実感できる窓口業務が本当に好きなんだなぁ・・・って思う。


今まではこれで満足してたけど、異世界に行ってみて、異世界人と言う事実を盾に、いろいろな人と話をして見たけど、いろいろな人に無茶ぶりをした結果、多くの人が喜んでくれる顔が見れたので、異世界に行く前と行った後で自分の中の満足度が遥かに違ってきたのがわかったんだ。


うん・・・


俺、かなりわがままになってしまったかもしれない。


「ここに収まるほど小さい男じゃねぇんだ」なんて大きな事は言わないし言えないけど、俺、もっといろいろな人に喜んでもらえる事が出来るかもしれない!って思っちゃってる。


その可能性を異世界で思ってしまったし、実際にやってみていろいろな人の笑顔が見れたから、出来るとも思ってしまってる。


そんな事を思いながら、月・火曜日と仕事をしてたらさ、慌ただしい中だったんだけど、涙が止まらなくなってしまって、恥ずかしながらお客様の前で泣いちゃったよ。


自分でも不思議だと思ったんだけど、一応20年以上仕事をしてきた職種だったから、それなりに良いこともあったのかな?なんて思いながら、家に帰ってみると、すんごいすっきりしてるの。


月曜日帰った時は、女性陣三人に阻まれて、リビングと風呂とトイレしか入れない状態になってたんだけど、今日帰ってみたら間取りからして変わってる。


一階がリビングと俺と勇気の「男部屋」、二階が3部屋のところ2部屋に改造されていて、カミサンとイデア・マネックスの「女部屋」と「寝室」になっていたのは笑えたよ。


あとでカミサンに話を聞いてみたところ、「寝室が広くなってるのは、イデアとマネックスがみんなで一緒に寝たいなぁって言ってた」からなんだって。


魔法の力で間取りはどうにでも出来るみたいだから、変更は可能だけど、出来たら一緒に寝てあげて、と言われて嬉しくなっちゃったよ。


そんな家の大改造も済み、また日常へ。


水曜日から木曜日までの間は、午前中はイデアかマネックスにケル村まで連れて行ってもらって、ケル村の投資について話したり、アデルと温泉施設の経営についていろいろ話したり、肥料の事で田畑を回ったりしたあと、孤児院で子供達と遊んだり、ちょっと勉強を教えてみたりなんて事をする傍ら、


日本でも、イデア・マネックスの養子縁組について、関係各所の方々とお話をしたり、家の掃除をしながら、今後の自分の事を考えてみたりしたら、あっという間に時間が経ってしまったんだ。





で、木曜日の夜。




家族でもいろいろ話して見て・・・




結果・・・・





俺、仕事辞めることにしました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ