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悩めるお年頃・・・ その1

孤児院に戻って、子供達が起きる少し前にご飯の支度をお手伝いしながら、今日は何しようかな?なんて考えていると、村長が朝一で現れて「先日の投資の話なんですが・・・」なんて言ってきたので、支度を中断して片隅にある机でいろいろ話し合い。


村に投資がしたいけど、利益最優先というわけではなく、村の将来にお金を賭けてみたいという思いのほうが強いので、投資というお金の集め方について考えてみて欲しいということ。


これから温泉を中心とした村作りがはじまると思うので、何処からお金を引っ張れるのか?引っ張ったお金は何処に使うのが良いのか?そこらへんもきっちり考えてみて欲しい。


と、そんな事をがっつり話し込んで、ついでに朝ご飯もいただいてしまう俺ら。


本当なら、地球のショッピングモール内で放映される、イデア主演のCMを見に行きたいところなんだけど、子供達は俺らにべったり。


主役のイデアや、マネックスも笑顔で子供達と遊んでるので、CMに関しては、自分たちに頂けるであろう画像データでも良いかな?


まぁ~今日はこちらでのんびりしようなと思ったら、勇気はまたプールに行きたいとの事。


それを聞いた孤児院の子供達も「行きたい!」と騒ぎだしたんで、また行くか~といいながら支度する俺。


今回は俺と勇気、孤児院の子供達だけでプールに行くよ!と言うと、これ幸いにとカミサン、イデア、マネックスの女性陣は、アデルのお母さんところにいくらしい。


どうやら、料理や洋服についていろいろ話したいらしいね、あそこすっかり女性のおしゃべりの場になってるから、仕方がないか~


まぁ~いろいろ都合もあるから、俺らは午前中だけプールで遊ぶことにしたよ。さぁ!アイアン子供達よ!早速着替えを出すのだぁ~!!


そんな冗談を言いながら、シスターにも了承を頂き、早速プールに入る俺ら。


今回は、俺が全員の子供達の着替えを見れないため、VIPルームで着替えてもらいプールに向かうと、早速子供達は滑り台で遊び始め、滑り台が込み始めると、地球から持ってきた浮輪などで遊んでいるよ。


こういう様子を見ていると、明日からまた仕事か・・・と鬱な気持ちになってしまうんだけど、イデアが現れて、家のいろいろな事が変わってから、正直なところ「仕事に行く意味ってなんだっけ?」なんて思う自分がいるんだ。


前は勇気に、父さんはきちんとした仕事をして働いて、キミタチにご飯を食べさせているんだよ!なんて事がしっかり言えるように、真面目にきちんと働いていこうと思ってたんだけど、正直、今うちには億という金があり、よほど派手な使い方をしなければ一生暮らしていける。


そして、今仕事してないなんて言いながらも、異世界で温泉施設作って経営は任せているものの、いろいろな事に首を突っ込んでいたり、村の事でもいろいろ動いている。


そんな姿を息子に見せる事が出来れば、正直どういった形で仕事をしていても、息子に何かを伝えることが出来るんじゃないかな?何も今の仕事でなくてもいいんじゃないかな?なんて思い始めてきたんだ。


異世界で生活するにはまだまだ経験が浅いので、いろいろ大変かと思うけど、異世界で商売して地球、いや日本に帰ってくるのであれば、今の生活とあまり変わりないんじゃないかな?


そんか事を思ったら、急に今の仕事に未練がなくなってしまったので、どうも駄目だなぁ~なんて思っていると、勇気が「どしたの?」と言ってくれたので、ちょっと大人の考え事・・・とごまかしておく。


今までだったら、勇気と幸の事だけ考えて、家族三人が幸せで当たり前な生活が出来ればそれで良いと思ったんだけど、異世界に来てから大事なものがどんどん増えてきたんだよね。


イデア・マネックス・ケル村の皆さん、孤児院の子供達やシスター・・・


これからは、ケル村の周辺の村の人達や、もしかしたら首都や魔族領のみなさんとも何かお付き合いが出来そうな感じなので、そちらにもっと力を入れたいなぁ~って思ったら、日本での会社員生活というものが無意味に思えちゃってね。


「会社・・・辞めようかな・・・」なんて、ぼそっと声に出ちゃったみたいなんだよね。


そしたらさ、勇気がそっと寄ってきて「俺、父さんがいろいろ考えてるの見てるからさ、超貧乏にならなきゃなんだっていいよ!大丈夫だよ!」なんて言ってくれたもんだから、なんだか涙出てきてさ~


ま、これは俺一人じゃ決められないから、母さんとイデアとマネックスにも聞いてみるよ、と言って、照れ隠しに一番高い滑り台から滑ってみると、意外とおっかなくてびっくり!


誰造ったんだよ!これ!!!


そんな事をしていたら、あっという間に時間になってしまったので、慌てて子供達を集めて着替えさせた後に孤児院へ帰り、昼ご飯などを子供達と一緒に食べていると、カミサンとイデア、そしてマネックスがお母さんと一緒に戻ってきた。


良い機会だから・・・と、カミサン達に仕事を辞めようか悩んでるという事を言ってみると、「いろいろ考えた結果であれば、それは尊重するよ。ただ、良かったら一度ゆっくり休んで決めてみたらどう?」とカミサンに長期休みをとって考えるように諭されたので、明日仕事に行ったら長期連休の申請を出してみたいと思ったんだよね。


正直、俺もカミサンも仕事に対してはなるべく長く勤めて、職場の恩恵をもらいながらも給与を頂ければいいかな?なんてことを思っていたんだけど、俺としては異世界で大切なものが増えてしまい、それらを大事にするためには今の社会人生活が邪魔になってきてるので、どうしたものかなぁ・・・と悩んでる。


どこかのテレビで「働き方改革」なんてやっていて、自分で自由に勤務時間を選べたり、自宅で仕事をすることが出来る企業さんなんかを紹介していたんだけど、俺、接客業だしね・・・まさか家にいながら窓口でお客様に商品を売ることは出来ないなぁ~なんて思っちゃったら、選択肢は限られちゃうんだよね。


まぁ~明日にでも長期連休申請してみるよ、と言うと、「でもちゃんと決めた事だったら、私は貴方の意見を尊重するしついて行く。信じてるからね」と言うカミサンを抱きしめながら、あと一週間くらいは真剣に考えてみようかな?と思った俺がいましたよ。


異世界生活を触れてみて、いろいろな経験をして楽しいなぁ~って思ったんだけど、まさかここに来て、自分の将来を考えることになるとは思っても見なかったなぁ・・・ふぅ・・・

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