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そーいえばさ・・・ その2

そんなひと時のあと、子供達が起きてきたので、敷地内の庭で子供達と遊びながら、近くにいた大人たちにいろいろ質問をしてたんだけど、自分がいない数日の間にいろいろな事が変わっていたことがわかり、かなり驚いてしまったんだ・・・


一番大きかった事は・・・領主の元で働いていた事務官?の方がこちらで働いているという事。


マネックスの養子の手続きをしている時、村長の近くで生き生きと働いている若いお兄さん達がいたなぁ~って思ったんだけど、どうやらその人がその事務官らしくてね。


今まで領主の元、首都?の会計事務などを一手にやっていたそうなんだけど、あまりに不透明な資金の流れが多すぎたり、それをなんとかしろ!という圧力がひど過ぎて、過労で倒れたため、そのまま職を首になってしまって失意のまま流れ流れてきたのがこの村。


その頃村は、丁度温泉施設の準備をしている最中で、たまたま村長が疲れ果てて弱り切った彼を見つけ、無理やり温泉に入らせたところ、少しづつ体の調子が良くなり、恩返しにと村長の手伝いを買って出た彼の仕事っぷりを見て、村長はその才能と人柄に惚れ込んだらしく、頭を下げて職員になってくれ!とお願いしたらしいんだよね。


最初はしぶってた彼も、恩返しにと手伝っている仕事で、村の人からお礼をされたり、歩いていると「村長を助けてくれてありがとう」なんて声をかけられて、その仕事にやりがいを感じるようになり、しばらくしてから自分から「ここで働かせてください」とお願いしたらしいんだ。


それからがすさまじかったらしいんだよね・・・


「もしよろしければ、昔の仲間を連れてきたいのですが・・・」と言って、連れてきたのが開拓に詳しい事務官と、都市計画に関わっていたという事務官。そして当人を慕ってついてきたお手伝いさん達数名。


みんながあったと同時に抱き合って涙したかあと急に、「ここだったらあれが出来るかも?」「あそこで駄目だったあの企画もありじゃね?」とかわいわい言い合って、気が付いたら、村長達と一緒に酒を飲みまくってさ・・・


その勢いで「俺達も是非働かせてください!」「ここは絶対に良い村になります!俺達にもそのお手伝いをさせてください!」なんて言ってきたので、村長も嬉しくなって採用しちゃったんだって。


・・・で、何をやりだすかと思えば・・・


「まずは村のみなさんの役に立つことからコツコツと!」なんて言いながら、村長の仕事のお手伝いをしながらも、朝早く起きて掃き掃除をしたり、農家の方々のお手伝いをしたりして、徐々に村の人たちに顔を覚えてもらっているらしく、村長曰く「この村にいさせるのがとても惜しい人たちがまとめてわーーーっと来たわい」ってな感じらしい。


でも、村長はそんな事務官たちに2つお願いをしたんだよね。


「やりたいことはさせてあげたいけど、それで無理をしたら貴方達の将来がなくなってしまうので、お仕事はお仕事の時間だけにしてください。あとは良く休んで良く遊んで良く寝てください」

「苦情はなるべく私が受けます。その代わり大きな仕事をする時は必ずみんなに相談してから行ってください。絶対に自分で抱え込まないで下さい。」


それを聞いて、事務官たちはものすごく感動したらしいんだよね・・・俺もその事務官の気持ちよーーーーくわかるよ・・・


今その人達は、村長の言う通り、仕事は仕事の時間で一生懸命村の事を学ぼうとして動いて、休みになるとあちらこちらでのんびりしたり、飲んで遊んだりしてるらしいので、この村の活気に一役買ってるらしいよ。


そうだなぁ・・・そんないい状態だったら俺もちょっとしたお節介しちゃおうかな?って思ってさ、またダッシュで村長のところまで行ってさ、「村長!この村に投資したいんだけどさ、ちょっと話聞いてくれないかなぁ?」って話をすると、「ムラヌシさんはいつも慌ただしく、突拍子もないことを言いだしますね」と苦笑いしながら言ってきたので、いつも思い付きで動くどうしょうもない異世界人ですいませんと謝りながらも、話を聞いてもらう。


人が来る流れが出来つつあり、食糧問題も解決しつつある。

優秀な人材も来つつある中、足りないのはあと資金の問題だけだと思う。

偶然にも資金を持ってる俺なんで、良かったら村の発展に一口かませてもらいたいなぁ~なんて思って来てみたんだ!偶然にも俺のお小遣いである10万G(おおよそ一千万円)あるんで、これを村の発展のために使ってみてくださいよ!


まぁ~いきなりお金を渡されてよろしく!じゃ村長も困っちゃうと思うんで、そちらの皆さんと相談して投資を受け入れるかどうか?を決めてみてくださいね。俺教会にいるので、決まったらシスターにでも行ってくださいよーと言って、去る俺。


「相変わらずだなぁ~」とポリポリ頭をかく村長と、あまりに一方的で突拍子もない発言に驚く事務官の皆さんだったんだけど、村長の「ま、ムラヌシさんだから仕方がないか~」と言う発言にあきれながらも、少なくとも発言に嘘はないと信じられる人物だという事を聞かされ、本気で検討する必要があると思った事務官さん達がそこにいたらしいですよ。


その後、俺は、子供達と遊ぶのをすっぽかしたのを怒られ、その後子供達が寝るまで本の読み聞かせやら、童謡をいっぱい歌ったり、一人芝居など子供につきっきりになってしまったので、村長達と話が出来なかったんだけど、今の村長達だったらきっと良い案を作ってくれると思うから任せるか~と思い、子供達が寝静まったのを見て、台所に移動する。


気が付けば外は暗く、ちょっと子供達に甘くしてしまったなぁ~と反省しながらも、適当な椅子に腰をかけると、「お疲れ様」とカミサンがホットミルクを持ってきてくれた。


勇気とイデア、そしてマネックスは、家族になったから・・・と、いろいろ話をしたいらしく一室で寝っ転がりながら話をしているらしく、シスターは事務作業があるからと別の一室にこもっているため、今ここにいるのは俺ら夫婦だけって事らしい。


カミサンに「ありがとう」と言いながら、ミルクを飲んでいると、カミサンが近くに座ってきたんで、なんとなく勇気が生まれた頃の話やら、イデアやマネックスに出会ってからの思い出話をしはじめ・・・「辛い事も多かったけど、楽しいこともいっぱいあったよね。これからも最後には楽しいって思えるような、そんな生活を送っていきたいね」というカミサンに同意する俺。


ただ、それは幸がいないと出来ないから、これからもよろしくね。という俺にキスで答えてくれる幸。


俺は本当に幸せ者だなぁ~と心から思った、異世界での夜の出来事でした。


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