楽しんじゃいましょう! その2
苦笑いで引っ張られながら移動するシスターさんを見ながら、孤児院のみんなと一緒に移動をしていると、徐々に見えてくるお城らしき施設。
考えてみたら、ここって本当の神様が作ってくれたんだよなぁ・・・って思うと、地球でも経験できない体験をしてるんだよなぁ・・・と、しみじみ思いながら大通りを目指して歩いていく。
今まで村には道らしき道はなかったんだけど、大きな建物が出来たのもあり、見かけを少しは良くしたいなぁ~というみんなの希望から、馬車の停留所からお城らしき施設まで広い道を作ることになり、俺も少しはお手伝いしたんだ・・・
ただ、夜中の作業だったからわからなかったけど、結構な長さの道を作ってたんだなぁ~と、今、大通りについて、歩いてみて思ったんで、こういうところからも村の人たちの頑張りが見えて嬉しくなってしまうよ。
そんな風景に感動を覚えながら歩いていると、目の前に施設が見えてきたので、花のアーチをくぐって入って行くと、施設のカウンターでアデル達が一生懸命お客様の対応をしているのが見えて、頑張ってるなぁ~と感心しながら列に並ぶ。
一応誘導してくれるスタッフの人もいてくれたんだけど、今回のプレオープンは村の人と、ケル村と交流のある人がほとんどなんで、みんな勝手知る人ばかりなのかな?
自然と一列に並ぶのが当たり前という風になっているので、スタッフの人も安心しながらやっているようだね。ただ、これが当たり前にならないようにしないといけないので、そこは後でアデルに言っておくか~
で、順番になったので、受付の方に「ケル村に住んでいるムラヌシですが、大人2人子供1人でお願いします。」と言うと、「ケル村の証明書をお願いします」と言ってきたので胸から下げた木の板を見せるとそれらを確認して証明書に書かれているナンバーを記入してくれる。
俺からの希望として、村にいる人達に何か割引制度を導入できないか?と言ったところ、村長たちが考えてくれて、胸から下げるタイプの木の証明書を作ってくれたんだけど、今のところはただの木の板で、木の板に入っている番号や紋章もただ書いてあるだけだから、そこは今後改善していきたいなぁ~って思ってるんだけど、ま、今はそこらへんは突っ込まないで置こう・・・
それが終わると、受付の方がコースが書かれている木の板を出して「本日は一回券と年間券どちらを購入しますか?」と言ってきたので、俺は一回券を希望して家族分の支払いを済ませる。
本当だったら年間券のほうがお得なんだけど、なるべくお金を落としたいという希望から、わざと一回券を購入したんだよね・・・ちなみに、自分の後にいる孤児院の子達やイデアたちの分の年間券の購入をマネックスにお願いしているので、初日の売り上げに少しは貢献できるといいなぁ~って思ってるよ。
で、会計が終わると、ある程度の人数がそろった段階で施設の案内を説明する係の人がいて、そこでトイレの使い方、一定の時間になると「休憩時間」と清掃が入る事、貴重品を預かる場所などについての説明を受け、はじめて施設を利用できることになっているんだけど、みんなには先に説明を受けてもらうことにして、俺達家族は店長?支配人?代表?であるアデルの元にあいさつに向かう。
「この度は開店おめでとうございます」と言って、スタッフの皆さんで分けてもらうために購入したお菓子を渡すと「ありがとうございます。あとでおいしく頂かせてもらいます」とアデル。本当はこういう時は花なんだろうけど、いつものアデルや皆さんを見ていると、花より団子かな?なんて思ったんでね・・・
頑張ってね!今日は楽しませてもらうよ~なんて言うと、深々と頭を下げるアデル。
ここの土地も建物も俺の所有なんだけど、施設の運営には直接口を出さないで、村の皆さんに運営を任せる形でやってるので、アデルには是非頑張ってもらいたいなぁ~と思いながら、すぐにお客様の対応をしはじめるアデルにエールを送る俺ら。
この土地も建物も貸し出している形をとってるんだけど、期限なし無利子、利益が出次第支払いという形をとってもらってるんだ。ゆくゆくはアデルに権利を譲りたいんだけど、今のところはオープンしたてだから、軌道に乗るまではまだまだかなぁ?
一応、お客様対応ルームという名で何部屋か確保している個室の一室を「村主家の部屋」としてもらうことで、部屋を借りている体でお金を支払う形をとってるんだけど、出来たら純粋に温泉の収益だけで生活できる基盤を作ってほしいなぁ~って思うよ。
一応この部屋は、俺・カミサン・勇気・イデア・マネックスは自由に使っていい事にしてるんだけど、今日はイデア、マネックスは子供達と一緒に行ってるので、改めて今度説明しようと思うよ。
で、俺らは水着に着替えてVIP室からプールに向かったんだけど、早速皆さんはしゃいでますね~・・・このプールの目玉の3つの滑り台には多くの方々が並んでいて、小さい滑り台には小さなお子様とご両親など、中くらいの滑り台には小さな滑り台に慣れた皆様。そして長い滑り台には冒険したい人たちが並んでる・・・という感じだね。
早速勇気も小さい滑り台から滑る。
最初は一番長い奴からにしようとしたらしいんだけど、俺が滑り台のプロとして勇気に滑り心地を調査して欲しいとお願いしたので、仕方がなく・・・という感じでやってたんだけど、早速気が付いた部分があるみたいで、近くのスタッフの方にお話してるよ・・・
スタッフの方もメモを片手になにやら書き込んでるので、何らかの参考にしてくれるといいなぁ~と思っていると、一部の方・・・偉い人の護衛の方かな?が武器の所持について話を聞いていたんだけどね、滑り台で楽しんでる大人たちを見て、武器の所持は無粋とわかってくれたみたい。
最初、武器の所持は絶対禁止と突っぱねる方向で話をしてたんだけど、いろいろな諸事情があるかもしれないから、どうしても不安な方に対しては、スタッフ同伴で施設を回って貰って様子を見て頂いてから考えて頂くのはどうか?と言う意見が出たので、それを採用したんだけど、今のところいい感じかな?
なんて思いながら、勇気やカミサン達をのんびり見てたらさ・・・
イデアがこっちに向かって駆けてくんのよ。
どうしたっていう前に
「お父さん助けて!!」って俺の背中に隠れちゃったイデアを不思議そうに見ていたら、目の前には本当に真面目そうな好青年が立ってたんだけど・・・何がなんだかさっぱり・・・
ど、どうしたものかなぁ?




