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楽しんじゃいましょう! その1

昨日結構早く寝たんで、気が付いたら5時くらいに目が覚めちゃった俺。


カミサンも息子もまだ寝てるので、ちょっと朝の散歩ついでに神社に寄って、何にも考えないで手を合わせる・・・最近、息子が大きくなってきたので少し余裕が出て来たのか?神社に行っても何か願い事をするわけでもなく、ただ「ちょっと挨拶しに来ました。また来ます」みたいな事を願うだけ。


若い時にずいぶんと無茶や無謀な事をたくさんしてきて、正直、私生活はこの上なく満足しているので、今更神頼みもないかな?なんて思ってるのと、あとは、神頼みは最終手段。まずは自分自身が頑張って行動しないと駄目だろ!という思いがあるからかもしれないね。


ちょっとお出かけしますが、冷蔵庫の中にあるショートケーキ食べても大丈夫ですよ。と心の中で言いながら家に帰り支度をする俺。一応、俺と勇気の水着は持って行くけど、あっちについて使うことがなかったらそれはそれでいいかな?なんて思ってるから、あとはタオルと着替えくらいかな?・・・


そんな事を言いながら、荷物を入れていると、思ったよりも早くカミサンも勇気も起きてきて、自分の支度を始める。


一応二人には、携帯型ゲーム機、スマートフォンなどの電子機器は持っていかないようにしようと言い、勇気には1000円分のお金が入った巾着袋をお小遣いとして渡してみる。俺とカミサンは一応各自2万円分のお金を用意し、中身が濡れないような加工がされている、首から下げるプラスチックの入れ物に入れて保管をする。


あと、プラスチックの入れ物とは別に、加工された木の板も首から下げ、ちょっと寄りたいところがあるから早めに移動したいんだ・・・とカミサンにお願いして、移転の魔法を唱えてもらう。移転の魔法がはじめてな勇気をギュッと抱きしめながら「ずっと父さんと母さんの方を見てれば大丈夫だよ、危険な事はないよ」と言うと、不安な顔が少し和らいできたのでそのまま移動・・・


俺もそうだったんだけど、移転後息子は気を失っていたので、背中に背負って村を移動する。


行きたかった場所は教会 兼 孤児院。

まだいろいろ足りないみたいなんだけど、とりあえず子供達の居住スペースが出来たらしいので、出来たら一緒に朝ご飯でも食べたいなぁ~って思ったんだよね。


行ってみると、丁度朝ご飯を作っている女性陣に交じって、シスターかな?と思う女性や、イデア、そしてマネックスも食事のお手伝いをしていて・・・って、あれっ?マネックスって思念体だからモノを持ち上げたりできなかった気がしたんだけど・・・


ま、そんな事聞くのも野暮か・・・と思ったので、そのまま「おはようございます」とみんなに挨拶すると、「おはようございます!私は初めましてですね」とシスターさん。


その節はいろいろありがとうございます。と、イデアの事や子供達の事に対して感謝の言葉を言うと、「いえいえ~、シスターである私がお役に立てるのであればどこにでも行きますし、今はとても充実していて、ここにきて良かったって思っているんですよ」とのこと。


人間的に出来た人が来てくれたなぁ~と感心していると、「おはよう!お父さん、お母さん!ゆうくんも!」とイデアが来てくれたんだ。


最初に出会った頃よりも生き生きしていて、笑顔が増えた気がするイデアを見ていると、俺らのやったことは間違っていなかったかも?とちょっと嬉しくなってしまう俺。


勇気もそんな風に思っているのか?笑顔になっていたんだけど、急に「ねえちゃん!俺も準備手伝うよ!」と言ってイデアと一緒に食器の用意などをしたり、机を拭いたりしはじめたので、俺は用意していたパンを机に置いたりしていると、年上の子達が起きてきたので、おはよう!と言いながら頭をなでる。


「あっ!おっちゃんにおばちゃんも来てる!!!」と年上の子が飛びついてきたので構っていると、その声に釣られてか?小さい子達も起きてきたので、みんなおはよう!と言って一人ひとり頭をなでたり抱きしめたりしていると、気が付けばご飯の準備が出来てたので、みんなで一緒にご飯を頂くことにした。


いつもはシスターが、朝に何か言うらしいんだけど、今日はゲストなので、ムラヌシさんから一言なんて言われたんで、「今日このご飯が食べれるのは、シスターや村の女性のみなさんのおかげです。食材はこの村のいろいろな場所から頂いているものなので、村のみんなに感謝しながら食べましょうね。」なんて言って、”いただきます”と手を合わせて食べる。


みんな思い思いにご飯を食べているけど、さりげなく年上の子は年下の子の面倒を見ているので、偉いなぁ~と思いながら見ていると、勇気もそれに触発されたのか?ご飯を食べ終わったあといろいろ手伝いをしはじめたので、良いきっかけが出来たなぁ~とほくそ笑む俺。


全員がご飯を食べ終わると、シスターから「今日はみんなで、アデルさんが開く温泉施設に行きますので、昨日用意した袋を持って時間になったらここに集まってくださいね。」と言うと、子供達は各自の荷物置きの場所からプールバックのような布製の袋を用意して集まってくる。


必要とあれば、いつでも日本のサイトから必要なものを購入してもいいよ!とマネックスに言ってるんだけど、子供達が持っているものはどうも地球のモノではない、お手製なものらしかったので、近くにいた大人の女性に話を聞いてみたところ、異世界の料理を教えたお返しに子供の袋を作ってもらったの!との事。


みんなで話し合って決めた事がさっそく生かされているんだなぁ~と思い、嬉しくなっていると、みんなの準備が終わったようなので、アデルの温泉施設に移動しようとして、シスターを見ると、こちらを見て手を振っている。


あれっ?シスターは行かないんですか?なんて言うと「私はこの後施設の準備などがありますし・・・」と言葉を濁していたので、もしかしたらお金の事を考えているのかな?と思った俺。


そんな様子を見ていたイデアとマネックスが、こっちを見て「一緒に行きたいんだけどいい?」って言ってる気がしたので、OK!と親指を立てると、二人は隠し持っていた袋をシスターに押し付けて、ぐいぐい引っ張っていく。


「わ、私はいいんですよー 施設のお仕事が~」なんて慌てるシスターを「働き過ぎは良くないですよー」とか「気分転換にお風呂は最適ですよー」なんて言葉をかぶせて聞かないふりをしながら連行する二人を見て笑ってしまった俺。


留守番を買って出てくれた、老夫婦にお礼を言いながら、今日は楽しもう!とみんなに言うと、みんなにこにこしながらこっちを向いてるのよ。やっぱり嬉しいなぁ~こういう素直な笑顔が見れるのは。


気分転換は大事!


仕事だけが人生じゃないよ!


今日はいっぱい楽しみましょうね!


そう言われながら連行されるシスターを目にして、再度笑ってしまった俺がいました。

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