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思いもよらない・・・ その1

まだ・・・


まだ眠いよぉ・・・


夢の中で散々やりあった後なんだから、あと1時間・・・ううん、あと30分でもいいから・・・お願いだから寝かせてよ・・・もう本当に勘弁してよ・・・明日から仕事なんだからもう少し俺に休みをくれよ・・・本当に頼むよ・・・


なんて言ってましたら、カミサンに「起きんかーーーい!!」って包まってるもの剥がされて、強引に起こされたわけですよ・・・あんなに仕事したあとなのにひでぇなぁ・・・なんて思ってたらね。


「山消えちゃったの!!!大変なの!!!!」とカミサン。



ハイッ????????????


・・・・・


・・・


・・



き、消えたってどういう事?



そんな俺に「とにかく来て!」と俺の手を引っ張るので、眠いのを我慢していくと・・・



山と思っていた場所には、何やら洋風のお城らしきものがありまして・・・


近づいて見ると、入り口には花で飾り付けたアーチ。

城の入り口近くには立て看板があったんで見てみると、日本語でこう書いてあったんだよね・・・


「マサキ様大変申し訳ありません。これはお詫びの品です」・・・と orz


そう言えば、俺、この山を見た時にいたずら心に思ってたんだ・・・


お城見たいなスパリゾートが出来たら楽しいだろうなぁ~。

一番作りやすいのは多分ク〇パ城みたいな平坦な造りなんだろうけど、威圧感が出ちゃうだろうから、威圧感のない洋風で城壁のない色は白に近いクリームのような色のものが作れないかなぁ?・・・なんてね。


まぁ~、そこで立ち尽くしても仕方がないので中に入って見たら、ちょっとした広間と受付できるような広いカウンターがあり、そこから左右に入り口があったから両方見てみると、両方とも着替えが行えるような場所と棚がある。


その脇を見ると、夢にまで見たお風呂・・・


洗い場と湯に浸かるような場所が5か所くらい。大小あるけど、大人数十人入っても大丈夫な感じ。


さらに、階段を降りると、本当にだだっ広い空間と、広いプールのような施設があったので、思わず涙してしまう俺・・・


これぞ・・・まさに俺が理想としていたスパリゾート・・・

いろいろな誘導するための飾りつけなどが必要だけど、これで十分スパリゾートオープン出来るじゃん!


ただね・・・申し訳ない気持ちも多々あってね・・・


こんな施設が作れたら楽しいし、きっとみんな喜ぶだろうなぁ~って妄想はしてたよ。


クリーナさんに言ったらすぐに作ってくれると思ったけど、そんなの神様にお願いしたら何でもかんでも出来てしまって甘えてしまうので、一度お断りしたんだよね・・・


いちから全部作り上げていって、作っていった皆と喜びを分かち合いながら、未来を見ていく。


苦労もあるけど、その先にある楽しさを皆と見たいな・・・なんて思っていただけに、残念さはあるけど、そこまでは流石に神様でもわからなかったかな? 


排水やトイレなどはどうなのかな?なんて思って見ていたら、排水はうまくできているようで、俺らが溝を掘った後に水が流れるようになっていて、徐々にではあるけど、池予定地に水が溜まりつつある状態。


トイレは・・・一応あることはあったんだけど、石に斜めに穴が掘られている状態で、下に水が流れている感じ。

さすがにウォシュレットとかこの世界じゃ無理なのかな?なんてことを思いながらも、それはきっと贅沢な話だよな・・・と思った俺がいました。


ちなみに用を足したら水でいろいろ流してね!というような感じで、トイレの近くに水瓶がありましたので、結果としてオマタは水で流すようになるのかな?なんて思って見たりして。


素人目には十分施設が整っていると思ったので、早速いろいろな人に見てもらおうとしたら・・・うん・・・村のみんな集まってるよ・・・


そりゃそうだよね・・・


知らない間にお城が出来ていて、なんだかわからない立て看板もあるんだもんね・・・遠くに見てても目立つ建物だからそりゃ気にもなりますよね・・・


そう思ったらさ、急にみんなにこれを体験してもらいたくてさ、皆さんに入ってもらったんだ。


まず広間にあるカウンターでお金を支払ってもらう予定、そして男女に分かれて俺とカミサンで更衣室とトイレの使用方法を話して、裸で湯に浸かるゾーンの説明をする。


その次に、理想は水着だけど、現状だと湯あみ着になるのかな?・・・に着替えてもらって、男女問わず遊べる空間として利用できるプールゾーンを説明。


ただ、この施設があるだけでは収益がないので、誰かこの温泉施設を運営管理していただけませんか?と聞くと、アデルが思いっきり手を挙げたんだ!


話を聞くと、「こんなに大きなチャンス、この村ではないと思ってたから、俺絶対にやりたい!」ということだったので、それなら・・・と、雑貨屋さんと村長さんに協力を仰ぎながらやってみ!と投げる俺。


気が付けば、もうお昼頃になっていたので、イデアに「子供達の事頼んだぞ!お母さんたちにいろいろ教えてもらいながら、やっていくんだぞ!」と言い、家族でお互いを抱きしめる。


またすぐに来るし、辛くなったらいつでも帰っておいで、というと「大丈夫」と一言。


昨日の夜中にいろいろ話したんだけど、この子には俺らも必要かもしれないけど、この世界の人達にふれあう事も必要なんじゃないかと思って、お母さんにイデアな事お願いしたんだ。


もちろん、毎日帰ってくるし、まだまだやりたいことは沢山あるけど、イデアの事を考えたら残ってもらうのは仕方がない・・・


村の皆さんに、イデアの事、よろしくお願いしますと頭を下げ、改めて、再度視線を皆さんに向ける。


皆さんには、この施設の事だけじゃなくて、この村にはやらなければならないことが山のようにあると思うので、どうぞ皆さんが協力しあって、楽しい村になれるように頑張ってください!と言い、とりあえず、今日異世界にかえられないといけないので、俺とカミサンはこの辺で失礼します。


皆さんが良い笑顔で生活が出来る事、本当に祈っています。


申し訳ありませんが、子供をよろしくお願いします。


イデアも・・・笑顔は大事だぞ!


なんて慌ただしくしながら、かなり辛いんだけど、カミサンと手をつなぎ、移転の魔法に身を任せようとしたんだ・・・


・・・・


カミサン・・・俺、無責任な事してるのかな?

イデアと一緒にいたいけど、生きていく為には仕事も大事。

イデアには元の世界の事も好きになって欲しいから残したけど、自分が正しいかなんてわからないんだ。

どちらも無責任になんて出来ないんだよ・・・






移転の魔法がかかってる途中で、カミサンに声をかけるも、返事はなく、ただ長い時間が過ぎる・・・


・・・



「私もわかんないよ、ただ、二人して一生懸命考えて出した答えだから、一生懸命やっていこうよ」と言うカミサンに惚れ直していたらさ・・・・



・・


ん?


ここ何処だ?


なんか、変なところに着いたぞ!



ナニナニ「異世界救済事業部 本部」・・・


う~ん・・・帰りたくなったんだけど・・・カミサン・・・魔法使える?・・・あ、やっぱりだめか・・・入るしかないんだよね・・・あ~あめんどくさいなぁ・・・・


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