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男はバカなんです! その1

村長が事前に話していたのか?徐々に住民の皆さんが集まってきたので・・・


「えっと・・・訳あってこちらの山を所有することになりました、マサキと申します。皆様よろしくお願いします。」なんて事を言いながら、一人ひとりに米や塩、砂糖を小分けして渡していく俺。


今村長が、住民票に住民の個人情報を記載しながら、食料などを配給しているんだけど、あまりに手が足りないので、俺も手伝いに入ったわけで・・・


ついでに食料分けて渡すお手伝いをしてるんだけど、ただ渡すのも味気ないんで、自己紹介なんてやってるわけですよ。


最初は怪訝な顔をされていたんだけど、何回も言ってると「よろしくな!」とか「どっからきたんだい?」なんて話しかけてくれる人が多くなってきてくれたので、場所を移して皆さんとお話しようと思ったんだ。


俺が食料を提供した本人だと、村長からの紹介があったからかもしれないけど、皆さん割と好意的に受け入れてくれてるみたいなんで助かるよ。


「えっと皆さん、私は訳あってここの山を購入させていただきましたが、山で面白いものを見つけたので、準備が出来次第皆さんにも体験していただきたいなと思ってるんです。」


なんて言うと、皆さん「あそこの山なんもないって言ってほっぽかれた場所じゃないか?」とか「貴族様の所有したモノだった気がしたけど大丈夫?」なんて事を言われていたので、すでに山は貴族のものではなく、村のものになっていましたので、村長と私で契約をして購入したんですよ。と話す俺。


まぁ~楽しみにしていてください。と言いながら、今度は女性陣に向けて声をかける。


「私はここの村を良くしたいなぁって勝手に思ってまして・・・まずは女性の皆さんにもっと綺麗になってもらいたいと思って、こんなものを用意してみたんです」


と、先日カミサンやお母さんが着ていたような洋服を目の前に用意してみると、「あらっ!とってもきれいなお洋服!」なんて声があちらこちらから聞こえてきたので、「どうぞ試着してみてください」と言うと、突撃しそうな勢いで走ってきたので、年上の女性の方にお願いして、順番に落ち着いて着替えて見てくださいとお願いする。



そんな様子を見ている男性陣は・・・



そうですよね・・・不満ですよね・・・


ちょっと男性のみなさんはこっち来てくださいよー・・・と言いながら、特に20代から40代くらいの男性を集めて話をする。


「あの・・・女性陣にこんなの着て欲しくないですか?」と見せたのは、某通販会社の無料カタログにのっている女性の水着のページ・・・ところどころで「うをっ!」とか「すげぇ!!」なんて声が聞こえる中・・・「正直、俺、ここの皆さんの生活、頑張り次第でいくらでも良くなると思ってるんですよね」と言うと・・・


「水も出ない、支援もない、いつ魔族が来るかわからないこの土地で・・・」なんて悲観的な言葉がどんどん出てくるので・・・


水は山で沸いているのを見ています。

支援がなきゃひっぱってくるしかないと思います。

魔族の存在は私はわからないんですけど、来た時に考えましょう!来る前に餓死するほうが私は怖いですからね・・・と言うと、黙ってしまう男性陣。


そんな男性陣を見て「ちょっと女性陣を見てみてくださいよ」と言うと、男性陣は華やかな衣装に身をまとって笑っている女性陣を見てぽやーんとしているのよ。


俺は、あの服を普段着にしてほしいですよ。

そして、女性が綺麗に着飾れるくらいの余裕をこの村に作りたいんですよ!そのためには男性陣の力が絶対に必要だし、この村の人たちが一丸となって本気で村作りすれば、きっと良い村になると思うんですけど、どうですか?ちょっとだけ俺に賭けてみませんか?


・・・で、頑張ったら・・・


・・・もしかしたらですよ・・・


女性のみなさんこのページのこれ、考えてくれるかも知れないですよ・・・とボソッと言うと


「うをっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


と雄たけびが上がり、野郎どもがはしゃぎだしたので、皆さんその時は是非よろしくお願いしますと頭を下げると「俺!一生懸命頑張ります!よろしくお願いします」なんて調子の良いことを言う面々・・・


そんな面々を見ながら、俺も含めて「男ってバカなんだよなぁ・・・」と実感。餌に釣られやすくて楽かも?・・・まぁ~俺もなんだけどね・・・ハハハハ


(あとで女性陣に、水着のページを見せてお願いしないといけないけど・・・う~ん・・・これはお母さんにお願いしようかな?・・・さすがに俺がお願いしたら変態おやじにされかねない・・・そんな事になったら俺、この村で堂々と歩けないよ・・・それはさすがに勘弁だな・・・)


そんな事をぼそぼそと言っていると、「ただよ・・・それにはいろいろお金が必要だろ?」と声が上がったので、俺はニヤッと笑いながら後ろにある塩・砂糖・胡椒を指さして「これ売ればいいんじゃん」と一言。


ただ売るんじゃないですよ。”領主”からとれるだけとってくるんですよ!


塩の供給を止めてるんですから、それなりにお金あるでしょ?


この塩、見てもらえるとわかりますけど、品質的にとても良いものですから、この世界では希少価値は高いと思います。


さらに、ここら辺では塩不足と聞きますから、プラスして価値は上がってると思うんですよ。なんで、高くは売れると思うんですけど、もっともっと考えて、なるべく多く”領主”から金取ってくるんですよ!


もしこれ以上お金が・・・って言われたら、優秀な人材でもいいし、衣服に必要な布類でも、食べ物でもいいので、もう本当に相手の懐が空っぽになるくらいいろいろなモノを引き出すんですよ!今の皆様方にはここにある塩や砂糖、胡椒という「武器」がありますから、きっと出来ます!


村長から聞きましたけど、ここ数年領主からの支援が止まってるらしいじゃないですか!


皆さんがこんなに苦しくなってるのに、村長だけに何もかも押し付けて、お偉いさん方は何もしてないんですよ!やらないといけない事を放置してる奴らに一泡吹かせたくないっすか?


そう言うと・・・


「「「「「よっしゃ!!!やってやる!!!!!!」」」」」


と勢いある声で男性陣が吠えてくれたので、その様子を見てしめしめと思うあっし。


やっぱり男は・・・馬鹿だよなぁ・・・俺も含めてね。

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