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おててつないで その2

ホテルに行ったらカミサンはすっかり寝ているよ。


慣れない環境だったし、勇気の面倒も大変だったから、まぁ~寝かせておいてあげよう。


そんなカミサンが寝てるのを見ながら、各自水着に着替えるように言い、勇気の着替えを用意し、イデアにも自分の着替えを用意して持って行くように話をする。


まぁ~あまり重いものもないし、スポーツ用品店でいろいろ購入した時にもらった袋で十分だろ?なんて思いながら、男は男、イデアはイデアで着替えを入れた袋を持って移動する。


3人そろって、短パンにTシャツという姿になってしまったのを見て、ちょっと嬉しくなって笑っていると、「お揃いにでもすれば良かった?」と勇気。気分的にはそうしたかったけど、まだ家族じゃないもんな。


あれから、養子についての話は何もしてないんだ。


イデアもちょっと考えてくれているのかわからないけど、あえてその話をしようとしないので、まぁゆっくり時間をかけて考えてくれればいいかな?なんて思った次第。


一日二日じゃなかなかね。

一生の問題だもんよ、仕方がないさ。

こっちは暖かく見守るのみで、いつも通り接するだけさーと、心の中で言っていたら「ごめんなさい」とイデア。


あ!!!!!!!!!!また心の声が駄々洩れに・・・俺のバカバカバカ!!!!なんてやってると、勇気が


「父さんいつもああいう感じだけど、嘘つかないし、子供だからって理不尽な事言わないから、少なくとも悪い人間じゃないと思うよ。イデアさんはイデアさんの答えが出たら父さん母さんに言ってみたら?」と言ってくれたので、お前いつからレベルアップしたよ!なんて言うと、耳元で


「俺だって未来の姉ちゃんに良く見られたいしさ、それに嘘言ってないよ」との事。


思わず嬉しくなって、勇気の頭をがしがしなでると、やめろよーなんて言いながら駆け出す。


「ホテル内では走ってはいけません!」なんて、今更ながら大人な事を言いながら、俺も走っちゃおうかな?と駆ける真似をすると、「ずるいです!」と頬を膨らませるイデア。


まあまあ、それ冗談だから。


ほら、目の前に着替える場所があるから行っておいで~

イデアは着替えたら、着替えを荷物袋に入れてプールまで持ってきてね。なんて言うと、は~いと言って女子更衣室に入る。ロッカーの使い方わからないだろうし、俺、女子更衣室入れないからね。


久しぶりのプールだなぁ~とわくわくしながら、俺も勇気も足が早まり、勇気は速攻でTシャツを脱いでゴーグル片手にプールへ。


俺は「イデア見つけたら、一緒にいてやって~」と言いながら勇気の脱ぎ散らかした服などを片付ける。


いつもだったら「こらっ!お前畳んでロッカーに入れろと!」って言ってるんだけど、イデアが一人で心配するよりも勇気と一緒にいたほうが良いから仕方がないか~


と思いながら、プールに行くと・・・女子率高いなぁ・・・


あ、そっか、最近インスタグラムって奴に可愛い写真を撮るために夜のプールに行くって奴か。


まぁ~それも一つの楽しみ方だと思うんだけど、やっぱりプールって言ったら泳ぐしかないっしょ!と思っていると、着替えが終わったイデアと息子がこちらに来てくれた。


イデアはビーチバレーの選手が着るようなスポーツ系のビキニか。活発な感じでこれはこれで好きだな。なんて思っていると、何やらこっちをみてもじもじしている。


あ、これはほめて欲しいんだな・・・


「うん、とっても良く似合ってるよ!」そう言うと、にっこり笑って「良かったです~」と言いながらはしゃいでいたので、嬉しく思いながらも、こういう事がとっても疎かった俺に、女の子のいろいろな事を教えてくれたカミサンに感謝。


まぁ~親ばか?補正もあるとは思うけど、そこら辺で写真を撮るため来ている女の子たちには負けない可愛さがあると思う。


あとは本人が楽しんでくれればいいなぁ~と思った次第です。


今回は、イデアにプールを体験してもらいたくて来たので、インスタ女子向けに用意された場所でない、一般的に泳げるような場所を探すと、ちょっとした場所があったので、みんなで移動する。


勇気には、猛烈に泳いで良いけど、俺らが見える範囲にいてね!というと、ゴーグル装備してガンガン泳ぎまくる。


イデアがそれを見てうらやましく思っているのを見て、泳げないんだなぁ~って思ったので、ぷかぷか浮きながら二人で話をする。


鉱山が近くにある、山に囲まれた場所にいてたため、水がある場所がほとんどなかった。


川はあったが浅く、奴隷と言う立場上、遊ぶという行為が一切許されていなかったので、水で遊ぶということが理解できなかったというイデアに対して、周りを見てごらん、と一言。


すでに泳ぎまくっている勇気は置いといて、インスタ女子が写真をとったり、お互い水をかけあいながらキャッキャッ言ってはしゃいだり、カップルが浮輪に捕まってぷかぷか浮いているのを見て「あ~やって楽しむだけでもいいんだよ」と一言。


だけど、水で遊んだり、泳ぐと言う事が何なのかわからないイデアは、まずは水に慣れる事が大事かな?


水が怖いって思っちゃったら、楽しむものも楽しめないから、ちょっとだけ俺に付き合ってくれるかな?なんてことを言って、お互いゴーグルをつけて水に顔を付けてみる。


最初はおっかなびっくりしていたイデアだけど、「あ、水の底が見えます」と言ってくれたので、今度はその場で潜ってみて、お互いの顔が見えるかやってみる。


水の中でイデアに手を振ると、こちらに手を振り返してくれた。


・・・かわいいなぁ・・・じゃない! 大丈夫だな。


次は、息を吸って、膝を抱えて浮いてみて・・・苦しくなったら立ってみて、なんてやってると、勇気の小さい頃を思い出して笑ってしまう。


イデアはどんどん出来てるけど、小さい頃の勇気はなかなか出来なくて大変だったなぁ~ 今じゃあれだもんなぁと、視線を勇気に向けると、水面から足だけを出してその状態をキープする、犬神家くんポーズで遊んでる。


あ、監視員さんに注意されてる!


すいません!と頭を下げながら、これも危険行為だったんだって反省する俺。俺も気をつけないとなぁ・・・


そんな息子を見ながら、イデアに次はばた足で進んでみよう!と言い、プールのへりに捕まってもらって足をバタバタ。


次に手をつかんで進むを繰り返すと、何となく水でも移動出来る事が分かって来たのか?真剣な顔から少し余裕が出てきて、この短期間でよくやった!と、熱血コーチの様な気分に浸ってると、イデアが怒ってる。


・・・ちゃんと手をつないでてね!・・・


って言ってたと思ったんだけど、なんで怒ってるんだろう?ご、こめんなさい・・・イデア・・・あ~あ、泳いであっちいっちゃった・・・とほほほ。


泳いでいるイデアが、


「ちゃんと手をつないでてね! おとうさん ・・・って言ったのに・・・もう知らない!」なんて呟きも聞こえず、途方に暮れるおやじ42才。


まだまだ女心がわからない、今日この頃でした。

勇気が行っているポーズは「犬神家の一族 足」などで検索するとわかりやすいと思います。

勇気は「犬神家~」を見ておらず、父ちゃんがネタ的にプールでやったのを真似しているだけですので、ご了承ください。


プールに行くと、昔は大丈夫だと思ったことが、今では危険行為とみなされ注意を受けることが多いなと感じます。犬神家くんポーズも、潜水も私自身注意を受けたことがあります・・・プールの監視員さん、関係者の方々、もう現実世界では行っていませんので、どうぞここだけご勘弁ください。申し訳ありませんでした。

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