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プロローグ
風が、強風となり、暴風となり、今、一つの生命の灯火が消えて、世界を破滅に導く存在が生まれ出る。
不意に風が止み、そこには、一人の少女が佇んでいた。
エデン。
それが、一体何者であるのか、多分誰も知らない。
エデンである清風自身ですら、その存在が何であるかは分かっていない。
ただ、分かっているのは、エデンはサルティナをも超越した風の力を操ることが出来ると言うこと。
そして、過去に存在が確認された三体の内、清風を除く、二体は激しい破壊衝動をそのままに、世界を破滅に導く存在であったということだ。
「………プリセマリー………」
恐る恐るだけど、羽津香がプリセマリーと同じ姿をしたエデンに向かって手を伸ばしていく。
プリセマリーがこっちを見た。
その瞳にもはや、生気は一切感じられなかった。
またしても、胸の奥で何かが蠢いていく気がする。
これってもしかして、共感しているの?
羽津香に向かって、ゆっくりとプリセマリーが手を差し出してきた。
本当に、ゆっくりと、まるで獲物に狙いを定めるかのように。
そして、狂風が吹き荒れた。