3話 地球滅亡の危機
「――――えっ」
「「「「――――えっ」」」」
中島と、そして一部始終を見守っていた四人は、驚愕して、固まる。
少しの間だけ、時間が止まったかのような感覚が辺りに満ちた。
それから、間もなくして、
「ほ、ほほほほほ本当かい源さん⁉ 結婚したいって、本当かい⁉」
中島が声のトーンを上げて驚きの声を上げて、
「やったーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっっ‼ これで僕らは恋人同士だぁぁぁぁァァァァァァああああああーーーーーーーーーーーーー―――――――――――――っっっっっ‼」
大きく大きく、感嘆の雄叫びを上げる。それは中島史上一番の、心からの歓喜の叫びであった。瞳からは涙が零れ落ち、両手でこぶしを握り締めてから天に突き上げた。
そして、その叫びが辺りに響いて、びくりと、
「「「「…………ぁ」」」」
四人は我に返る。
「「「「…………………」」」」
我に返った四人は、叫び散らかす中島と、ボーっとしていて心ここに在らずな源を数秒眺めて。
そう、先程結婚したなどとほざいてしまった源を眺めながら。
「「「「何やってんだテメエぇぇぇぇぇえええええええええええええええーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっっっっっっ‼‼‼‼‼‼‼」」」」
大激怒しながら物陰から飛び出し、源にダッシュで駆け寄り、といる詰める。
「おい! 何やってんだ源ォ! ふざけんじゃねぇぞボケ!」
源の胸元を掴み、これでもかと罵声を浴びせる気さく友。
気さく友の声に、ハッと源も我に返る。
「ッ⁉ あ、あれ⁉ 皆さん何でここに⁉」
「『何でここに』じゃねぇよ! お前いまなんて言った!」
「え、へ、なんてって…………………ハッ‼」
源はやっと事態の深刻さに気付く。中島の方を向くと、「結婚~結婚~♪」と嬉しそうに口ずさんで、更に事の深刻さを認識する。
そして、顔が真っ青になってから、叫ぶ。
「う、うわああああああああーーーーーーー‼ わわわわ私なんて事をーーーーーー‼」
「マジで何やってんだよ⁉ 魔法はどうした魔法は⁉」
「ホントだよ⁉ 感情を抑えるんじゃなかったの⁉ 普通に駄々洩れてたんだけど⁉」
威圧的友とアホ友も問い詰める。源は空を見て、すぐに理解する。
「あ、しまった⁉ いつの間にこんな真っ暗に⁉」
「真っ暗ぁ? ………あ、確か魔法って日中の間しか使えなかったんじゃ⁉」
流石に落ち着きを保てない落ち着き友も、今更気付く。他の三人も「「「あっ」」」っと声を上げた。そして膝を着いて落胆した。
「そうじゃんかぁぁぁーーーーーーーーーーっ! 普通に頭から抜け落ちてたぁぁぁーーーーーーーーーっ!」
「しまったぁ…………触れさせない事に頭が一杯一杯で忘れてた………」
「馬鹿すぎる、ウチら馬鹿すぎるって…………‼」
「やらかしたぁ~~~~~」
四人は、間抜けすぎる自分達を責める。しかし、もうどれだけ後悔しても遅いのである。
そう、世界滅亡の危機はもう既に始まっていたのだ。
―――ピロリん、ピロリん、ピロリん。
その場の全員の。遊園地中の、いや、世界中全てのスマホからアラームが鳴る。
一同スマホを取り出して、画面を見た。
『巨大隕石が落下中』という通知が来ていた。
「こ、コレって……」
源はすぐに動画サイトを開く。するとおすすめ欄の一番上に『巨大隕石が飛来、地球に落下か』という題名の生放送の動画が。タップしてすぐに開き、四人と一緒に観る。
動画には、涙を流しながらアナウンサーがこう語っていた。
『皆さん、いまこの地球に巨大隕石が迫ってきています。隕石の大きさは直径で数千キロだと予測され、速度から計算してあと一時間ほどでこの星に衝突すると考えらえています。
政府は先程、「対抗する手段は無い」と述べ、隕石は確実に日本へ飛来するとしました。繰り返します。隕石に対抗する手段は無く、ここ日本に飛来します。そして地球は粉々に砕け散ります。
あぁ………うぅ………皆さん、地球最後の日です。どうか大切な人と一緒に、お過ごしください……短い時間ですが、私もこれから妻と一緒に最後を過ごそうと思い……うぅ、すみません…………涙が零れて…………うぅ…………』
「「「「「………………………………」」」」」
五人は、血の気の引いた顔で、スマホを眺めていた。
そして、互いに顔を見合わせた。
「は、ははは。冗談……だよね?」
「上。空。見ろ」
アホ友の空笑いに気さく友は被せる。
夜空には、それはそれは巨大な。とてつもなく巨大な隕石が、空全体を覆いつくほどの大きな隕石が、そこにはあった。




