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第8話 ー 地下牢の秘密

レオンは少年たちを連れて城の廊下を進み、地下へと降りていった。

薄暗い光が差し込み、壁からは水が滴り落ちる。

コウモリやネズミの鳴き声が幽霊のように響いていた。


最も不安そうなのはダイチだった。彼は自分や仲間、そしてレオンの安全まで心配していた。

「レ、レオンさん……ど、どれくらい閉じ込められるんですか?

食べ物は……もらえるんですか?

もらえなかったら……飢え死にしちゃいますよ……。」


ユイは呆れたように彼を叱った。

「当然食事くらいは出るでしょ、ダイチ。

私たちは囚人であって、死刑囚じゃないんだから。

……全部ハルトのせいよ。あの本を読まなければ、私は勉強して試験の準備ができたのに。

帰ったらどう説明するつもり?」


ダイチは泣きそうになり、声を震わせた。

「母さんに知られたら……怒られて、一生お仕置きだ……。」


ハルトは毅然と答えた。

「心配するな。必ず守護者が助けてくれる。

昔の英雄たちもそうだったんだ。」


その言葉にレオンは驚いた。

「少年……どうしてお前が“予言者”を知っている?

私は“悪の化身”が解き放たれ、人々が堕落し、妻と娘がさらわれた後に初めて彼に会ったんだぞ。」


ハルトが答える前にユイが口を挟んだ。

「私が説明するわ。

彼は本を開いてしまったの。そこには“悪”が解放されると警告が書かれていて……。

本の中で何かが動いて、彼を引き込んだの。私たちも一緒に吸い込まれて、ここに来たのよ。」


ハルトは頷いた。

「……ありがとう、ユイ。

そうだ、そうやってここに来たんだ。

その本は、かつて守護者と共に“悪”を封じた英雄が書いたものに違いない。

でも、最後まで読めなかったから、封印の方法は分からなかった……。」


やがてレオンは牢に辿り着いた。彼は彼らを閉じ込めることに躊躇したが、足音が近づいてきたため決断した。

「早く入れ……。必ず“予言者”のもとへ案内する。」


彼は鍵をかけ、俯いた。

そこへジェームズが現れ、冷笑を浮かべてレオンを見た。

「お前は任務も果たせぬのか。隊長を解任された後でもまだ迷っているとはな。

妻と娘のいる牢に、お前も入れてやろうか?」


レオンは怒りに震えた。

「……その名を口にするな!」


ジェームズは彼の反応を楽しみ、遮った。

「忘れるな、誰が隊長かを。

二度と繰り返すな。陛下に逆らうつもりなら……覚悟しておけ。」


彼は少年たちを一人ずつ睨みつけ、冷たい視線を残して去っていった。


レオンは慌てて廊下を覗き、鍵束を震える手で握りしめた。

「……どうすればいいか分からん……。だが、ここから出して“予言者”のもとへ連れて行く。」


ダイチは感動しながらも怯えた。

「す、すごいです……でも怖い……捕まったらどうするんですか……。」


ユイは苛立ちを隠さず言った。

「ダイチ、臆病すぎるわ。早く行きましょう。ジェームズはきっとレオンを監視してる。」


ハルトは二人を制した。

「もうやめろ、ダイチ、ユイ。レオンは俺たちを助けてくれてる。俺たちも協力しなきゃ。」


レオンは胸を熱くし、涙ぐんだ。

「ありがとう、少年。きっと“予言者”も喜ぶだろう。

行こう、最後の牢に秘密の通路がある。」


彼らは急いで最後の牢へ向かった。

レオンが鍵を回すと、足音が近づいてきた。巡回の兵だと考え、慌てて牢に入り鍵を閉めた。


レオンは壁の二つの石を押し、重い扉が軋みながら開いた。

「早く入れ!」と手で合図し、最後に自分が入ろうとした。


兵士たちの声は通り過ぎていった。

レオンは安堵したが、彼の目に映らなかったのは――兵士の後ろに、もう一人影が残っていたことだった。

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