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第6話 ー 王都への道

レオンは三人の手を縛ったまま、王都へ続く道を進んでいた。

彼は声を潜め、背後の兵に気づかれぬよう少年たちに語りかける。


「王は“悪の化身”に堕ちてしまった。

君たちを解放させるため、隣国から来た旅人だと説得してみるつもりだ。

王の目は至る所にある。静かに王都へ辿り着けることを願う。

もし存在を知られれば、何が起こるか分からない。」


ユイは納得できず、反発した。

「私はただ家に帰りたいの。やるべきことがあるのよ。

こんな状況に巻き込まれたのはあなたたちのせい。

これが現実だなんて信じられない。夢に違いないわ。」


ハルトは彼女を落ち着かせようと答えた。

「ユイ、ここは本に書かれていた魔法の王国だ。

悪人は想像できるものすべてを壊そうとしている。

君だってそれを望まないはずだ。

だから力を貸してほしい。」


ダイチは汗を流しながら震えていた。疲労ではなく恐怖のせいだ。

「う、うわぁっ! ご、ごめん……。

へ、蛇を見た気がして……。

ハ、ハルトの言う通りだよユイ。僕も少し本を読んだんだ。

やめようって言ったけど、彼はどうしても続けたくて……。」


ハルトはダイチの足を軽く蹴り、囁いた。

「黙れ、ダイチ。ユイが怒るぞ。」


ユイは苛立ちを隠さず、レオンに問いかけた。

「もし王を説得できなかったらどうなるの?」


その瞬間、後方の騎士が馬を走らせ、蹄の音を響かせながら近づいてきた。

砂埃が舞い上がり、彼はレオンの隣に並んだ。

鋭い視線を子供たちに向けながら、声を荒げる。


「レオン、何をしている? 敵に情報を漏らすつもりか?

正気を失ったのか!」


レオンは喉を鳴らし、必死に答えた。

「心配するな、ジェームズ。彼らはただの迷子の子供だ。

王にも――」


ジェームズは素早くレオンの腕を掴み、言葉を遮った。

「正気か? あの名を口にするな……。

どうやらお前が情けをかけ始めているようだな。チッ!

もっと賢い男だと思っていたぞ、レオン。」


レオンの心臓は高鳴り、目を見開いてジェームズを見つめた。

「……そうだな、ジェームズ。妻と娘が……。」


彼は縄を強く引き、子供たちはつまずきそうになった。

ジェームズは悪意を含んだ笑みを浮かべ、子供たちを見てから隊列へ戻った。


レオンは俯き、門が目前に迫る中で小さく呟いた。

「……すまない、君たち。これが終わったら必ず報いる。」


ダイチの目には涙が溢れ、レオンへの敬意を示した。

ハルトは胸を張り、前を見据えて決意を固めた。

ユイは顔を背け、彼の態度を軽蔑するように見せた。


門の衛兵が立ちはだかり、レオンに問いかけた。

彼は馬を降り、部隊に停止を命じて答えた。

「この異邦人たちを王の前へ連れて行く。

裁きを下していただくためだ。」


一人の衛兵がハルトに近づき、顎を掴んでその決意に満ちた表情を見つめた。

ユイは無視し、ダイチは震えながら視線を逸らした。

衛兵は再びハルトに目を戻し、吐き捨てるように言った。

「身の程をわきまえろ、小僧! その目つきが気に食わん。」


彼はハルトの足元に唾を吐き、門へ戻って通行を許した。


レオンは手綱を引きながら歩き、頭を高く掲げて門を通り抜けた。

そしてハルトに向かって言った。

「その決意、敬意を表する。

必ずや我らの戦いの切り札となるだろう。」

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