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最強ヶ原天下無双丸のクソみたいな冒険譚

 早速だが、自己紹介させてもらおう。


 俺の名前は最強ヶ原天下無双丸。転生前は高校一年生としてテキトーに高校生活を歩んでいた者だ。まぁ待ってくれ、「お前の親ふざけすぎだろ」とか「苗字が最強ヶ原ってなんだよぶち殺すぞ」とかいう意見もあるだろう、だが、心して聞いて欲しい。


 これ!!!ギャグだから!!!


 ……失礼、世界の深淵に触れてしまった。


 まぁそんな俺だが、下校中にトラックにバーン!!って跳ねられてそのまま女神に「異世界確定な」的な感じでボーンって転生したかと思えば。転生特典に変な剣を貰ってしまった。


 しかもその件が大変非常にveryvery頭がおかしい。


 大変長い名前なので読者の方は心して読んでしい。


 その剣の名は、「超絶ウルトラハイパーマキシマムエクストリームパーフェクトオールマイティストライクインパルス最強無双クソ強完全無欠絶対なんでも一撃確殺剣・Infinite」だ。


 ……は?って思った方が大多数だろう。うん、俺もそう思った。まず、この小学生男子のネーミングセンスみたいなファーストネーム。なにこれ?絶対何でも一撃確殺剣なら百京歩くらい譲って許せるよ。その前に着いてる奴何?こんだけてんこ盛りにしていいのは某完全無欠のボトルヤローくらいだよ?


 まぁいい、そして、後ろについてるInfinite(インフィニット)の文字。


 は???????あんだけ小学生男子みたいなネーミング付けておいてオシャレに見せようとそれっぽい単語つけてかっこよくさせようとすんなよ???Infiniteってつけていいのは正義(justice)だけなんだよ。


 けど悲しいかな。この剣、名前はクソみたいなのに性能はまじで名は体を表すかのように、なんでも一撃確殺しやがる。


 雑魚スライムやらゴブリンやら下級デーモンやらちくわやら、果てにはエレメンタルゴーレムやら、デストロイドラゴンやら悪の帝王、ワルイ・ヤーツとか。機動ソルジャーガソダムすらも一撃確殺しやがった。最後はもはや無機物だけど?????なんでそんなもん一撃確殺出来てるの????


 ……こほん、話が脱線しすぎてパナマ運河に突っ込みかけた。


 とまぁそんなことは置いておいて、今、俺たちは最終決戦に向かおうとしている。


 具体的に説明すれば、人類と魔族の運命(Destiny)を決める決戦らしい。


 そんな決戦に挑むイカれたメンバーを紹介するぜ!!!


 一人目!魔法のコツ?プロテインを飲むことですね。賢者のウラン!!!!


 「筋肉は魔力をも超越する。」


 二人目!回復?いいから攻撃だァァァ!!!回復術師のリチウム!!!!


 「死ぬ前に殺したらセーフですよね?私のおじいちゃんがそう言ってました。」


 三人目!生き血を浴びせろォォォォ!!!!騎士のニッケル!!!!


 「生き血を……生き血を流しやがれェェェェ!!!!」


 四人目!まな板!盗賊のネオン!!!!


 「ころすぞ」


 そして五人目!クソみたいな名前の聖剣を託されたクソみたいな名前の俺!最強ヶ原天下無双丸!!!!


 「よっしゃぁぁぁぁ!!!!特攻(ぶっこみ)かけるぞオラァァァァ!!!!」


 『ヒャッハー!!!!!!』


 「このパーティー辞めたい……」


 そう言って、俺たちはテンションff(フォルテッシモ)で魔王城へと突入して行った。約一名、ツッコミ役のネオンだけはテンションpp(ピアニッシモ)であったが。


 まず最初の階層、そこには、雑魚敵がもうほんとにうじゃこらと湧き散らかしていた。


 しかし、そんな雑魚敵を狩り尽くしていく輩が一人。


 「生き血……生き血生き血生き血生き血ィィィィィィァァァァァ!!!!ゲヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!」


 騎士というには、その姿はあまりにもおぞましすぎた。


 という訳で、バーサーカー担当のニッケルさん、大活躍です。カウントすることがまるで拷問のような数相手にニッケルは一切引く様子を見せない……あれ?引いてなくない?むしろ押してない?あれ?このままのペースでいったら俺たちが魔王倒す前に魔族絶滅しない????


 そんな疑念を抱き散らかしたが、考えれば考えるほどその可能性が色濃く出てきたため、そのうち俺は、考えるのをやめた。


 「よーし上の層行くか。」


 『そうしよう。』


この場にいる全員の意見が一致し、全会一致の原則で、上の層に行くことが可決された。さらばニッケル!お前のことは明日の晩御飯まで忘れない!!!


 「俺死なねぇんだけど?」


 思考に入ってくるんじゃねぇよてめぇはさっさと雑魚蹴散らしてこい。


 「あいあいさー」


 ……こほん…さて、現在、私達は魔王城第二階層に居ます。え?第二階層は何が居るかって?


 第二階層は所謂謎解きパートであった。全五問の謎を解いていってこの部屋を脱出するというまぁ、在り来りなあれである。


 『第一問 パンはパンでも食べられないパンは?』


 「フライパン!!!!!!」


 『第二問 出せるのに入れられない、溶けるのに固まらないものは?』


 「クイズ!!!!!!」


 『第三問 朝は四本昼は二本、夜は三本足の動物は?』


 「ホモサピエンス!!!!!!」


 『第四問 私は昼には見えず、夜に輝く。満ちたり欠けたりするけれど、いつも空にいる。私は何でしょう?』


 「月!!!!!!」


 四問連続で即答して行く俺、天才か?もしかしなくても天才なのか?そんな感じにバンバカとき散らかして行っていよいよ最終問題となった。


 『第五問 バナナを連想させる、毛むくじゃらなものは?』


 「ち〇ぽ!!!!!!」


 ブブー!!!


 俺の頭上にたらいが落とされた、どこに仕込んでたんだよ?


 つか、今の問題答えどう考えてもち〇ぽだろち〇ぽ!!!!


 「くっ…いくら賢者の私でもこの問題は…!」


 「早くしてくださいよ。どうせち〇ぽかち〇こなんですから。」


 「え?嘘でしょ?四人中三人が頭……その…男のあれに汚染されてるってまじ…?これチンパンジーでしょ……?」


 『それは無い。』


 「えなにこれ私がおかしいの?」


 約一名的外れなことを言っているバカが居るが、それは置いておいて、突如、賢者がなにか閃いたように、扉の前に立った。


 「分かりました…この部屋の攻略方法が…」


 そう言うとウランはドアノブに手をかけ、己の持つ全ての力、そしてパワーを総動員し、ドアをこじ開けようとした。


 「ぬぅぅぅぅあぁぁぁぁぁぁ!!!!!!こんのォォォォ!!!」


 奇声混じりのその叫び声は、部屋中に轟いていき、今行われていることの凄惨さを表すようだった。


 「トゥ!トゥ!ヘァーッ!!!!」


 だんだんとCVが石田彰になっているような気がするがそこは置いておいて……そこにあったのは圧倒的な暴ッ!!気のせいか、ウランの背中に鬼の貌(オーガ)が宿っているような気がしないでもないが、ここではあえてスルーすることにする。


 そして、目の前の扉から発せられるギギギギ……という間接部がきしむような音。


 ドアが壊れる音では無いとしよう。うんそうだきっとそうだそうであってくれ頼むからまじでお願いします。


 しかし、現実は非常なり。


 突如、バゴォォォン!!!という轟音と共に、扉が勢いよく開かれた後、ウランは背中で、扉を抑えにかかった。


 「ここは私を置いて早く!この扉が閉まる前に!!」


 「そうね、早く行きましょう。」


 「そうだな、頑張ってくれウラン。」


 「仲間に冷たすぎじゃない!?」


 何がネオンがツッコんでいることは把握したが、そんなことはどうでもいい、俺とリチウムはどんどん魔王城の奥地へと進んでいく。


 さて、第三階層です。


 第三階層、そこにはリチウムの宿敵、シュク・テキが待ち構えていた。


 「待ちくたびれたわ……リチウム…今日こそあなたとの因縁に決着をつける!!!!」


 「……何言ってるか分からないわ。」


 「忘れたとは言わせないわよ…あれは確か…」


 「『ゴットレクイエム』」


 「ギョエェェェェッ!?!?!?」


 なんとなーく、回想シーンが長くなりそうな予感がしたのか、リチウムが持つ最大火力の必殺技である『ゴットレクイエム』をベラベラと過去を話される前に放った。相手は死んだ。


 「次に進みましょう。」


 「そうだな。」


 「せめて何が言わせてあげて!?!?」


 リチウムがどんどん先に進んでいくのでそれを追うように俺達も先に進んでいく。ネオンは一人さっきの奴に対して合掌していた。優しいね。


 さて、いよいよ第四階層もとい最奥、魔王が待ち構えているところに到着した。


 一番奥に鎮座していたのは言わずもがな魔王だった。特徴的な一対の角、黒いローブを身にまとい、仮面を着けたその顔の下は、何を考えているか分からなかった。


 そして、その魔王が威厳をまとった厳かな声で俺に話しかける。


 「遂に来たな……勇者…えっと…確か…」


 「最強ヶ原天下無双丸」


 「そうだそうだそれそれ、だいたい貴様、名前長いんだよ!!!」


 そのあまりにも理不尽な怒りの矛先に、思わず「知らんがな」と、声を大にして叫びたくなったが、俺はこんなシリアスシーンで場をぶち壊すようなことを言うような奴ではない。


 「どの口が言ってんのよ?」


 えなにネオンさんニュータイプなの?胸は薄いくせに?


 「ころすぞ」


 「サーモン」


 「ふん、そうやってふざけてられるのも今のうちだ……見せてやろう…我の本気を…さぁ!始めようではないか…!魔族と人間、互いの自由(Freedom)を賭けた戦いを!!!」


 「なんでも一撃確殺剣」


 「正距方位図法ゥゥゥゥ!?!?!?」


 俺は、女神より託された超絶ウルトラ以下略剣を魔王に振りかざした。


 その一撃で、魔王は灰と化した、そして、ようやく長きに渡った人間と魔族の争いは集結したのだった……


おしり


 「まだ続くからね!?!?」


 せっかくの綺麗なエンディングを、このネオンとかいう奴は邪魔してきやがった。


 「んだよ?せっかくいい感じに終わらせたと思ったのにさ。」


 「……あの」


 そんな談笑をしていると、あの二人が俺達の元に帰ってきた。


 最初に声を掛けてきたのは先程までの白かった騎士の服を血の色に染めてきたニッケルだった。


 「やぁ。戻ってきたよ。」


 「おぉ!ニッケル!」


 「……え?いや…?え?誰…?」


 「酷いじゃないかネオン…仲間のことを忘れるなんて…僕だよ、ダイソー王国近衛騎士団団長。ニッケル・スイソ・デンチだよ。」


 「……嘘でしょ…?え?第一階層でしたこと覚えてないの?」


 「?でも確かに、かなりの激戦だったみたいだね、現にほら、僕の服にはこんなにも血がついている。僕は相当怪我をしたみたいだ」


 「…えぇ…それ全部返り血……はぁ…」


 「……すいません」


 まるでネオンが呆れ返ったかのようにはぁとため息を吐く、一体何があったんだろうか??


 そして、今度はウランが俺たちに話しかけてきた。


 「ウランも、無事だったんだな。」


 「えぇ、あの扉、ドアノブがついてたんですが、引き戸だったみたいで。」


 「引き戸!?!?嘘でしょ!?」


 「引き戸はそんなに珍しくないだろ?」


 「いやそうだけど…!…あぁもう…」


 「いやあの…」


 完全に呆れ返ったネオンは頭を掻きながらクソデカため息を吐いた。なんでだろうね?


 「すいません!!!」


 突如、どこからともなく声が聞こえた。その声の主は魔王であった。


 「あの我、第二形態になってるんですけど?」


 「あーそゆことね。」


 第二形態になった魔王は、おどろおどろしく、まるでどす黒いアメーバのような形状をしていた。


 「フハハハ!!!では第二ラウンドといこ「一撃確殺剣パート2」


 「何でぇぇぇぇ!?!?!?」


 再び俺は以下略剣で魔王を切り裂いた。魔王は再び灰となった。

 

 「今度こそ終わった…「残念だったな!!!我にはまだ第三形態があるのだよ!!」


 割り込んでくんなよ……てなわけでまた復活しやがりました。だる。


 「『ゴットレクイエム』」


 「以下略剣パート3」


 「もうイヤァァァァァ!!!!」


 魔王は学習してないのだろうか、いつも通り復活して、俺の一撃確殺剣と、ついでにリチウムのゴットレクイエムで灰どころか原子レベルにまで粉々にされた。


 「終わったんだ…俺達の戦いが…」


 「そうね。」


 「僕達は勝ったんだね、魔王に。」


 「えぇ、もう戦う必要は無くなりました。」


 「こんな終わり方でいいの????」


 ………そして時は流れ…一週間後。なんやかんやあって俺たちパーティーメンバーの五人は一緒に住む事にした。


 「……どうするの?その聖剣。」


 ネオンが俺に問いかけてきた。そして俺は笑って答えてみせる。


 「この聖剣は世界に大きな影響をもたらしすぎた。だから、封印する。」


 俺はそう言って、超絶ウルトラ以下略剣を封印した(庭にぶっ刺した)


 「……これでいいんだ。」


 「そんな雑でいいの!?!?」


(今度こそ)おわり

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