95 まさかの再会
地獄・マザーシップ(遊園地エリア)
「これがオススメです。」
「あっ、ありがとうございまs…ん?」
飲み物屋の前で悩みに悩むエクサーの後ろから何やらよ〜く聞いたことのある声が聞こえた。エクサーはまさかと思って振り返ると、そこにいたのはクーだった。
「クー!?」
「やっぱりエクサーだったです!」
そこには巨大なペロペロキャンディを持ったクーがいた。
「クー。何してるの?」
「何してるのって、お父さんの仕事の手伝いです。」
「確かそう言ってたね。まさか、『マザーシップ』のことだとは。」
「私はなんとなく気づいてたです。」
「あら〜、クーちゃん。その子は?」
再会したクーとエクサーが話していると、後ろから色気を纏った背の高い女の悪魔が近づいてきた。
「あっ、エクサー。紹介するです。私のお母さんです。お母さん、友達のエクサーです。」
「あら〜、前に言ってた子ね。クーがお世話になってます。母親のキャベラ。キャベラ・サンソンと言います。」
180cm後半の身長に二度見するほどの足の長さと腰のくびれ。上半身は味気ないかと思えば、アンバランスにならないようについた大きな乳。問答無用で美人だった。
「ど、どうも。エクサーと言います。」
「話は聞いてます。これからもよろしくどうぞ。」
身長的にも幼さ全開のクーと大人なキャベラの親子を見るとなんとも本当に親子か疑いたいほどだった。
「クーちゃん。今はこんなに小さいけど。将来はきっと大きくなるわねぇ。今はちょっと似てないかもだけど。」
キャベラには、エクサーの思っていることがなんとなく伝わっていたようだった。
「エクサー。遅いよ〜。」
いくら待っても戻ってこないフォルテは痺れを切らし、エクサーの元に来た。
「ごめんフォルテ。」
「ん?お友達?」
「そう。学校の友達のクーとそのお母さんのキャベラさん。」
「初めましてです。」
「初めまして。」
クーとキャベラの2人は軽く会釈をした。
「初めまして。メイドのフォルテと言います。お見知り置きを。」
「あなた、すごい美人ねぇ。何かしてるの?」
「いえ、特には何も。」
「私も何もしてないのよぉ。せっかく素がいいんだからお絵描きなんてしたらもったいないものねぇ。」
周りの目を引くほどのキャベラとフォルテ。その美貌はまさかの両者共スッピンだった。悪魔といえども自分を少しでも良く見せようとメイクをするが、ノーメイクでこの綺麗さを放つ2人を見て、エクサーはこの世の不平等の断片を見た気がした。
「あら、クーちゃん。もうこんな時間。そろそろお父さんのところに行きましょうか?」
「わかった。じゃあね、エクサーまた。」
「うん。またね。」
クーとキャベラは別のフロアへと行ってしまった。
「じゃあ、私たちも…」
『2人共。聞こえるかい?』
2人の耳にA2の声が聞こえた。
「聞こえるよ。」
『少し早いがご飯にしよう。位置、座標はフォルテに送っておくよ。じゃあ、待ってるよ。』
「だって。じゃあ、行こうエクサー。」
「わかった!」
2人はA2の送ってきた場所に向かって歩いた。
ーー終ーー
クーの本名はクー・サンソンです。
今は幼いクーですが、将来的にはキャベラに似ます。ナイスバディになるってことです。作者が言ってるので、そうなります。絶対に。
あと、馬車の中でご飯を食べたのに、マザーシップ乗ってまた?と思ったかもしれないんですけど、これはミスとか考えてないとかではなく、悪魔や天使などは魔力を使う分エネルギー消費が多いです。なので、人間に比べてご飯の回数が多いです。なので割と間食をしたりします。
ちなみに、基本的に普通に生きてる以上は悪魔は太りません。昔から戦いをする機会が多かったので、いつでも戦えるように、太るというギミックは搭載されてません(小太りぐらいは許容範囲です)。それでも太っているやつはいます。ヴァットとか。そういう奴は…めっちゃいい物食ってるんでしょうね☆