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DeViL 悪魔生転物語  作者: オクラ
 4章 『復讐の毒花』
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 82 嫌いじゃない


 ー I,B ー


 「ふっ」


 小さな息を吐いて、大きな蹴りをガーディアンに叩き込んだI,Bは、ヒットしたガーディアンの体を粉々に打ち砕いた。


 「グアァァァァァ!!」


 倒れるガーディアンの側にスタッとI,Bは着地した。


 「で、次はあなたでいい?」


 I,Bの話す方向にはオレッチオがいた。


 「戦闘特化のガーディアンにさらに強化を加えたのに…あなたには手ごたえにすらならなかったかしら?」

 「申し訳にけど。」

 「そう…作るの大変だったからちょっと悲しいけど。じゃあ私が相手。」


 オレッチオの手は鳥の翼へと変化し、足は鉤爪の鋭利な足へと変化した。


 「あら、あなた鳥族だったの?鳥族は随分前に滅んだはずじゃ?」

 「違う、これは魔術。」

 「じゃあ、変化(へんげ)ってことね。」

 「そんなところ、『鳥化』ってところ。」


 オレッチオは大きく羽ばたき、空中へと飛び始めた。


 「『裂風れっぷう』」


 オレッチオは大きな翼でI,Bに向かって突風を放った。


 この攻撃をI,Bは棒立ちでもろに受けると、身体中に浅い切り傷が大量に発生した。


 「あら、不思議。『バリア』を貼るほどでもないかと思ったらちゃんと攻撃なのね。」


 I,Bは攻撃されたことにはふ〜んぐらいの感覚で、傷は治ってしまった。


 「じゃあ、やりましょうか。」


 I,Bは、オレッチオにそこそこの期待をしていた。


 ー ライダー ー


 「ボッカ、私もやる。」


 オクチオは、ボッカの側まで近寄ってきた。


 「いいのか?」

 「流石に支援だけってわけにもいかないでしょ?この状況じゃあ。」

 「できるのか?」

 「もちろん。今ピンチなのはあなただけじゃない。私も同じ。守り合うの。お互いがお互いを。」


 オクチオの足は発達した鳥の足へと変化した。


 『鳥脚(うきゃく)』オクチオに備わった魔術。陸上に特化した鳥の脚を顕現させる能力。


 それに応えるように、ボッカも魔術『強爪』を使い、自身の手を発達させた。


 「もういいか?ガンマンの癖で勝負ははっきり行きたいんで待っちまった。」

 「いいぜ、ジジイ。言っとくが、家族のための俺たちは強いぜ。」

 「家族…ね、」


 家族という言葉にライダーは何かを想起した。


 子供の頃の小さな記憶。まだ兄と一緒に生活していたあの時の…


 ーーーーー


 「弟よ!家族とは永遠の絆!だからお前を一途に愛するんだ!無条件で!永遠に!!」


 ーーーーー


 これを思い出したライダーはフッと笑った。


 「家族ね。意外と嫌いじゃないんだよなぁ、その関係。」

 

 拳銃二丁を構えるライダー。


 「来い!ジジイにその関係を断ち切らせたくなくば、全力で来い!」


 バキッ


 地面にヒビが入るほどの脚力でライダーの腹部を蹴るオクチオ。


 「うぐっ、」


 蹴り飛ばしたライダーをさらに追い越し、蹴りボッカの方に蹴り飛ばした。ボッカはもちろんこれを見逃さず、ライダーに連斬を叩き込んだ。


 が、そんな中でもライダーに諦めなどなく、連斬の中で無理やり銃をボッカの脳天めがけて打ち込んだ。これによりボッカは攻撃をやめざるをえなくなった。


 「ボッカ!」

 

 ライダーは向かってくるオクチオに対して、何も考えずに銃弾を打ち込んだ。もちろんそんなものが当たるはずもなく、オクチオを限界まで引き付け、『テレポート』で移動。


 オクチオはボッカに寄り添った。


 「大丈夫?」

 「あぁ、でも脳天をやられたせいで上手く動けねぇ。」

 「私がなんとかする。」


 オクチオはボッカに回復魔法をかけてあげた。


 「過保護なことだな、それじゃあいつか身が滅んじまうぜ!!」


 ライダーは、銃弾を乱れ打った。


 「99…さっきのと合わせてちょうど100!」


 空中で無数に反射する銃弾。その50発はボッカへ、もう50発はオクチオへと送られた。


 反射回数を重ねた銃弾の痛みはもはや尋常ではなく、傷痕こそ綺麗なもののとても無表情で飲み込めなかった。


 「ではでは、ジジイ、今から本気で行かせてもらうぞ!」


 ーー終ーー


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