80 タバコの火蓋
ー I,B ー
ガーディアンを易々と薙ぎ倒すI,B。その数8体。ガーディアンの数は続々と増えているこの状況でもI,Bは臆することなく薙ぎ倒していった。
すると、部屋の奥からガーディアンたちを巻き込むほどの極太ビームがI,Bを追従し始めた。これに対してもI,Bは表情を一切変えず、走って交わし、うまい具合にガーディアンたちにビームを当てて倒していくことに成功した。
ビームが止み、ドカドカという音を鳴らしながら奥から姿を現したのは、他のガーディアンに比べかなり大きな、ピンク色の脈のようなものが走ったガーディアンだった。そして、その肩には白衣と眼鏡をかけた女の悪魔があった。
「あなた、相当強いのね。」
肩に乗った悪魔は、I,Bに話しかけてきた。
「ありがとう。あなたは?」
「強いかって話?それなら期待はしないで。名前はオレッチオ。研究者。まぁ、名乗ってるだけだけど…」
「そうなの、とりあえず、なんでもいいけど倒す。いい?」
「話がいきなりね。でも、私もそのつもりだからいいわ。」
オレッチオは方から姿を消すと、ガーディアンが少し震え始め、体をバラバラにすると、I,Bが倒したガーディアンと体を合体すると、とても大きな龍の形になった。
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ー ライダー ー
「おやおや、ジジイ1人に幹部2人でお出迎えとは丁重なことだ。」
「侵入者と言っても見方を変えれば客人。」
「へっ、そうかいそうかい。」
「じいさん、おしゃべりはもういいか?」
「ジジイの言葉だぞ、年季が違う。一言一句ありがたく受け取らんかい。」
タバコに火をつけると、ライダーはタバコを吸い始めた。そこにボッカは勢いよく距離を詰めると拳を振るった。期待抜かれた屈強な拳はライダーに交わされてしまったが、空を切る時の風圧は凄まじいものだった。
「まだ、自己紹介も終わっとらんが、まったく、血の気が多いのも一苦労ってか。」
「おっと悪いな。俺の名はボッカ、後ろはオクチオだ。これでいいか?」
「手短なことだ。俺はライダー。さぁ、殺しに来い。ガキども。」
ボッカは先よりもスピードを数段速めてライダーに攻撃を始めた。ライダーは冷静に攻撃を交わし始めた。
(若いのにいい肉体管理。これほどであれば強化魔法の恩恵も大きいだろう。だが、1人でできる強化範囲を優に超えとるな、あの後ろのオクチオとか言ったやつの支援もある。というかそちらの方が8割だな。)
「ジジイ、さっさとやられた方が身のためじゃないか?」
ある程度の分析と推察を終わらせたライダーは、バサッと着ているポンチョを靡かせると、腰に下げてある銃を一丁を取り出すと、ボッカに向けて銃弾を打ち、ボッカの胸を貫いた。
が、それでも何事もないように猛攻を突けるボッカ。
「元気だな、その元気欲しいぐらいだ!」
ライダーは、攻撃を交わしながら銃弾を打ち込む。それでも避けながらでは精度が落ちてきているのか命中率は下がっていた。
「ジジイ、当たってねぇぞ!」
ライダーの吸っていたタバコを吸える限界まで吸い切ると、その辺に捨て、体制を立て直すとニヤリと笑った。
「いい一服だった。」
すると、ボッカの全身に駆け巡る何かに撃ち抜かれる感覚。それもそのはず、ボッカの体は数多の銃弾に撃ち抜かれていた。
「なんだ?」
ボッカもこの状況に?を浮かべた。これだけの銃弾を一度にバラバラの角度で打ち込めるだけの動きはライダーはしていなかった。
ライダーはニヤっと笑っていた。
ーー終ーー