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DeViL 悪魔生転物語  作者: オクラ
 4章 『復讐の毒花』
74/207

 71 練習


 「ってことで、今日から頑張って魔法を使えるように頑張りましょう。」

 「「「は〜い。」」」


 ナソが魔法を使えるということで、魔法の使えない4人はセルベロの身バレの観点から街から離れた場所に来ていた。


 「ではまず、これを操作できるようになろう。」


 ナソは『ファイア』で焚き火を作った。


 「操作ってこれを操れって?」

 「そうさ。でも、もちろん一筋縄では行かない。火を操る自分を頭の中でしっかりとイメージすることが大事なこと。魔法は想像、イメージの世界。想像が現実の境界線に限りなく接近した時、自分の魔力という歯車が、是が非でも動き出し、想像を体現させてくれる。」

 「なるほど。イメージね。」


 地味ながらも4人はその場で火を見つめ、火を操っている自分のイメージをより鮮明に思い描き始めた。


 (みんなすごい。集中力。これは期待できるぞ。)


 ボウッ!!


 いきなり、4人の見つめる火が勢いよく燃え上がった。


 「できた!」

 「できた(ボソッ)。」


 イメージを開始して、ものの数十分。セルベロとオレッチオは小さな火を自身の前に持ってくることができた。


 「おめでとう。2人とも。初めての魔法を使うのは魔力を体が認識したり、魔力回路を開いたり、かなりの時間を必要としたりするはずなんだけど。ここまで早いとは。」

 「やったわね。オレッチオ。」

 「セルベロ。どうやってやったんだ?」

 「なんか、火を見つめてたら、いきなりなんていうか、自分が火になった感じがしたんだ。熱いような、でも自分が火だから熱くないような不思議な感じになったんだ。」

 「ふぅーん。」

 「私もやってみるわ。」

 「じゃあ、2人はこっちに。」


 ナソとセルベロ、オレッチオは少し離れた場所に行った。


 ーーーーー


 遠くの場所に来たセルベロ、オレッチオ、ナソ


 「火が操作できるようになったなら、もう火を出すのも簡単だ。」

 「そうなの?」

 「火の操作を可能にしているのは魔力。それを体が認識したのであればもうできる。」

 「どうやって?」

 「こうやって。『ファイア』。」


 ナソが少し遠くにある岩に向かって、手を向けると、『ファイア』の言葉と同時に火の玉が勢いよく発射された。


 「こんな感じで『ファイア』と唱えればいい。」

 「わかった。『ファイア』。」


 見様見真似でセルベロがやってみると手から火の玉が発射された。


 「おぉ!!できたよ!ナソ。」

 「いいね〜!じゃあオレッチオも。」


 コクコクッ。


 「『ファイア』。」


 オレッチオの手からも火に玉が出た。


 「やったな。オレッチオ。」

 「やったね。」


 嬉しそうに顔を赤くするオレッチオを2人は褒めた。


 「できた!!!!」


 すると、遠くの方でオクチオのできたということが聞こえた。


 オクチオも平均よりは早く、火を操ることができていた。だが、一方のボッカは苦労していた。皆が簡単そうにやってのける中、自分だけが遅れている感覚でどんどん、集中力が薄くなっていっていた。


 それから数時間


 「お昼ターーーーイム!!!」


 5人は集まってお昼のオクチオお手製サンドイッチを食べ始めた。だが、いつもはガツガツと食べるボッカの喉は、平均よりも時間のかかってしまっているという事実で細くなってしまっていた。

 

 そんなボッカに声をかけようとするオクチオだったが、言葉選びに苦戦し、なかなか声をかけられていなかった。


 「ボッカ、落ち込むんじゃない。」


 ここで落ち込むボッカに話しかけるのは、お調子者担当のナソ。


 「でも…」

 「前々から思っていたが、ボッカは魔法に向いていないと思うんだ。」

 「魔法をやめろってことか?」

 「ノンノンノン。魔法を主にするのは向いていないということだ。」

 「?」

 「誰しもには向き不向きがある。魔法を使うことが向いている者がいれば、魔法を使う以外のことに向いているものもいる。もし、魔法を使うのに向いていない者が、魔法に多くの精を費やすのは頭が悪い。ボッカの体つきは結構、筋肉質だ。だからもしかしたら、肉体的に魔法を使うよりも力技の方が向いていると思う。」

 「ん?うん?」

 「よくわかっていないようだ。でもとりあえず、火を操れるようになってくれ。」


 ーーーーー


 じわじわと熱くなるような感覚。火の中にいるようなでも、熱くないような。この矛盾の感覚。


 ボウッ!


 「おぉ、できた。」

 

 だいぶ時間はかかったが、ボッカも火を操れるようになった。


 「やったね。ボッカ。」

 「できたじゃない。」


 皆がこのボッカを皆で喜んだ。


 「ではでは、皆足並みが揃ったということで。強化魔法と防御魔法についてでーーーす!」

 「「「何それ。」」」

 「あんまり僕も使わないけど、要はこの2つは身体強化の魔法で足が速くなったり、ジャンプ力が高くなったり、パンチやキックが強くなったりするってわけ。」

 「「「へぇ〜〜。」」」

 「『ファイア』を使えるようになった、みんなならもうこれは簡単。」


 そうやって、ナソは4人に魔法をかけた。


 「なんか、体が軽い。」

 「ほんとだ。」

 「なんか不思議な感じ。」

 「じゃあ、3 2 1 でジャンプしよう。3 2 1…。」


 5人は勢いよく上にジャンプ!5人は明らかに通常より高く上にジャンプし、着地した。


 「すごい!」

 「これが身体強化。他にもすごいよ。このきを殴ってごらん。ボッカはちょっと待っててくれ。」


 セルベロとオクチオ、オレッチオは勢いよく木を殴ると、木に拳の衝撃が伝わり大きめの凹みができた。


 「もちろん、威力は体の成長と共に上がってくから。大丈夫。」

 「なるほど。」

 「じゃあ、ボッカ。いってみよ〜う。」

 「わかった。いくぜ。」


 大きく振りかぶって拳が木に当たると、気が勢いよく倒れた。もちろんこの威力には、セルベロ、オクチオもびっくり!オレッチオはこの衝撃にびっくりしてオクチオの後ろに。でも、一番びっくりしているのは本人のボッカだった。


 「ナソ。なんか、威力違くないか?」

 「さっき言っただろ?。ボッカはこっちの身体強化魔法の方が適しているんだ。体が細身の僕たち4人と比べて、ボッカはしっかりとした体格をしている。だから、僕たちよりも身体強化の恩恵が大きいってわけ。」

 「なるほど。」

 「じゃあ、今日はここまでかな。」

 「そうね。帰りましょう。」


 5人は帰りの支度をして家に帰ることにした。


 「でもすごいわ〜魔法。」

 

 自身が火を使えることに感銘を受けるオクチオ。


 「おっと、オクチオ。あまり魔法を使いすぎない方がいいぞ。」

 「なんで?」

 「魔法を使うには魔力を使うんだ。魔力量は個人差があるし、成長途中の僕たちではより少ない。使いすぎると魔力切れを起こすから気をつけるんだ。

 「わかったわ。注意する。」

 「オクチオ、今日のご飯はなんだ?」

 「まだ、家についてないから考えてないわ。家にあるものでなんとかするわ。

 「ボッカは食いしん坊だね。」

 「何!?」

 「「「ハハハハハ!」」」


 もう、5人の中は本当の兄弟、家族同様の仲睦まじい関係になっていた。


 ーー終ーー


 












 


 










 

 


















 

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