67 計画 作戦
「みんな、申し訳ない。」
セルベロは、3人に向かって頭を下げた。
「いいのよ。セル。」
「あぁ、お前も俺たちも死ななくてよかったぜ。」
頭を深く下げ、謝罪をするセルベロを3人は温かく迎えた。
「じゃあ、本題を話しましょう。」
そう言うと、オレッチオは椅子から立ち上がった。
「エクサーと言う、あの少年の居場所は未だ特定不可。外にいた構成員に話を聞いたところ、一瞬で現れ、一瞬でどこかに消えたと言う情報があった。このことから『テレポート』で逃げたと言うことはなんとなく推測できる。でも、セルの毒をまともに受けて遠くに逃げられるとは考えずらい。もし遠くに逃げられたとしても解毒せずに生きていられるとは思えない。そのため、普通なら死んだと取るのが濃厚。」
「生きている可能性は?」
「ほぼ、0に等しいと言うのが私の昨日までの見解。でも今はセルの話を聞いて60%は生きていると思う。」
「なぜ?」
「セルがエクサーから聞いた話として、『level 666』と言う言葉が出たらしい。」
「本当なの?」
「本当。」
「厄介だな。『level 666』。影の依頼人とも言われる組織。アイツの後ろにはそんなのがついているのか。」
「全てにおいて、最大警戒レベルの力を持つ『level 666』。解毒に成功して元気な可能性は十分にあり得るわね。」
「だから、数人を捨て駒の偵察に行かせるのがいいと言うのが私の意見。」
「でも、もしばれた時の跳ね返りが気がかりだな。」
「だから、しっかりとやり遂げれば、ナソの幹部の位置を約束する。そのかわり、どうなっても私たちの名前は出さないと言う条件なら?」
「まぁまぁだな。」
「エクサーを捕えることはしなくていいの?」
「セルが言うには私たちが最近襲撃し、拉致したペペルの住人の解放が目的で、その依頼をエクサーが受けたらしいの。『level 666』なら依頼を放棄すると言うことは無いと考える。だから、エクサーはいつかはくる絶対に。その時に仕留めるようにすればいい。」
「わかったわ。オレッチオ計画が完成したら報告を。」
「わかった。」
「みんな、手を煩わせてしまって申し訳ない。次、エクサーを見つけ次第、僕はなんとしてでも彼を殺す。」
セルベロの固い決意に皆は、協力の姿勢をとった。
ーーーーー
「ハックシュッ!!」
「エクサー、風邪でも引いた?」
「ズズズッ、噂かなぁ?」
結界術会得のために『バリア』の対象の拡張を目指すエクサーはなかなかの苦戦を強っていた。
「お〜い、お前ら、夕飯にするぞ〜。」
「「は〜い。」」
今日新しくできるようになったことは0。未だに『バリア』の域を出ることはできずにいた。今日は、外でライダーの力作、アヒージョとパンだった。
ライダーはガンスミスを生業にしているだけのことはあり、手先がとても器用。作る料理もレストラン顔負けの惜しいさだった。
「美味しいよ!ライダー。」
「それはよかった。これは評判がいい。少し前に兄に会った時にも褒められた。」
「ライダー、お兄さんがいるの?」
「あぁ、船乗りで、基本、海の上にいるから会えないがな。」
「ライダーと違って太ってるけどね。」
「会ったことあるの?子供の頃ね。」
「へぇ、会ってみたいなぁ。」
「A2経由でいつかは会うだろ。」
「そういえば、2人とA2の関係は?」
「私はスカウト。」
「俺は、付き纏われてる。」
「そっか、ライダーは別に『level 666』でもなんでも無いんだもんね。」
「あぁ、アイツの持ってる銃の整備を頼まれて、整備したら好かれちまった。」
「なるほど。」
「まぁ、アイツは何をしでかすかわからんから飽きなくていいが、もし入ったら、無茶させられる気がするから入らない。」
「そうなんだ。」
「おかわり。」
「自分で取れよ。」
とは言うもののやれやれ顔でライダーはおかわりを入れてあげた。
ーーーーー
洞窟に帰ると、エクサーは寝ようとした。がなかなか寝付けない。どうやったら『バリア』を超えられるかを考えに考えていた。
(ゆっくりやっていくかぁ。時間ないし。ゆっくりはできないよなぁ。)
「そうか!!!!」
エクサーはガバッといきなり起き上がった。
「おぉ!どうしたエクサー。」
銃の手入れをしているライダーは、いきなり起き上がったエクサーにびっくりした。
「なんでもない。」
エクサーは、静かに寝転がった。
そして、エクサーは、『バリア』を展開しながら睡眠に入った。
それをみてライダーはフッと笑った。
ーー終ーー
明日、ちょっとお休みもらうかと思います。
ごめんなさい