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DeViL 悪魔生転物語  作者: オクラ
 4章 『復讐の毒花』
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 66 『バリア』と結界術


 「よし!」


 エクサーは肩を回したり、体を捻ったりして見て、自身の状態が万全なことを確認すると、ゆっくりと深呼吸をした。


 あれから3日が経ち、エクサーはしっかりと毒を解毒。体調も万全。と言うことで、早速I,Bに結界術を教えてもらうところだった。


 まずは結界術がどんなものかを知るためにエクサーとI,Bは一緒に、少し遠くにライダー配置してやってみることにした。


 「じゃあ、見てて。」


 I,Bは自分の前で手をパンッと叩いた。すると、I,Bを中心として半球の『バリア』が展開された。


 「ふぅ、久しぶりにやると疲れる。」


 「ほぇぇぇ、これが結界術。」


 エクサーは辺りをグルリと見た。


 結界の中は、先ほどまで荒野に吹いていた風や砂ぼこりを完全に遮断し、静かだった。結界の中から見る外は、少しだけ濁って見え、ここまで結界が張られていると言うのはなんとなくわかった。


 「そう、これが結界術。『バリア』と違って範囲も広いし、強度も高い。でもその代わり魔力消費量が『バリア』に比べて大きい。」


 「なるほど。」


 「結界術は限界範囲が存在しない。広げようと思えばどこまでだって広く展開できる。でもその分、もちろん多くの魔力を消費するし、大きくした分だけ強度が下がる。と言うことは裏を返せば、小さい結界は強度が高く、破られることは少ないと言うこと。」


 「その場に応じた大きさにしろと。」


 「そう言うこと。結界術は応用が効く。例えば瀕死の味方と相手が少し遠くにいて攻撃されると言うときに、結界を展開して、味方と相手の間に結界を張れば、相手は、結界を破壊しない限り、味方に攻撃はできない。もし、ここで『バリア』しか使えない場合、『バリア』は発動した者にのみしか作用しないから、味方は攻撃されていたかもしれない。空間の分断。これが結界術最大のメリット。」


 「ふんふん。」


 エクサーは結界術の概要をなんとなく理解した。


 「じゃあ、やってみて。」


 「わかった。」


 I,Bは結界を解除して、今度はエクサーの番になった。


 「よし!」


 「じゃあ、頭の中で遠くにいるライダーを飲み込むぐらいの結界を張ることイメージしてみて。」


 エクサーは目を閉じて、I,Bに言われた通りの想像をした。


 想像が完了してカッ!と目を開けたエクサーは、結界術を発動………できませんでした。


 「あれ?できないや。」


 「だと思った。」


 「なんで?」


 「普通に体が結界術を知らないから。」


 「?でも今…」


 「今教えたのはただの知識だけ。これだけでできるなら何も苦労しない。じゃあ、とりあえず、自分の体を『バリア』で覆ってみて。」


 「『バリア』で覆う…。」


 エクサー言われた通りにやってみた。


 「できた!」


 「じゃあ、少しずつ『バリア』を広げて行ってみて。」


 エクサーは言われた通りにやってみるが、


 「あれ?なんで?。」


 ジリジリと広がった『バリア』はなぜがI,Bの直前で、それより広がらなくなってしまった。


 「さっきも言ったように『バリア』は自分を守ると言うことに重点を置いた魔法。私の目の前で止まったのは、もしそのまま『バリア』を展開すれば、自分だけじゃなく、私も巻き込む。私を巻き込む『バリア』の場合、それは『バリア』の域を飛び出し結界術になる。だから『バリア』は私の目の前で止まった。」


 「どうすれば…?」


 「頑張るしかない。」


 ここに来てまさかの根性論がこんにちは。


 「えぇー。」


 「私に結界術を教えてくれた先生もそう教えてくれた。いきなり、自分以外を対象にすると『バリア』もびっくりしちゃうから、ゆっくりと慣らしながら『バリア』の概念を広げればいい。そうすれば自然とできるようになるって言ってた。」


 「なるほど、なるほど。」


 「じゃあ、とりあえず頑張って。」


 そう言ってエクサーは結界術目指して『バリア』を広げる練習を始めた。


 ーー終ーー


 「アイツら、俺のこと忘れてるな。」


 2人から少し遠くに置かれたライダーは、1人でその場にそのまま突っ立っていた。


 


 


 


 



 

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