65 関係
「ライダー。」
「ん?なんだ。だから、服を着ろ。」
食後の一杯を楽しんでいたライダーの元に、びしょ濡れで全裸のI,Bが現れた。
「エクサーが鼻血出して倒れた。」
「全く、わかった。」
ライダーは立ち上がり、地下へと進んで行った。数分後、エクサーを抱えて帰ってきた。
「だから、服を着ろ。」
「あとで着る。」
相変わらず、I,Bは服を着ずに丸太に腰掛け焚き火をの近くにいた。
「I,B、そこにマットがあるだろ。それをそこに敷け。」
「わかった。」
敷かれたマットの上にエクサーを下ろし、ついでにI,Bに服を渡した。流石のI,Bもこれには折れて、渋々、服を着た。
「そういえば、I,B。さっきA2から連絡あったぞ。」
「なんて?」
「是非ともエクサーに結界術を教えてやってくれと。あと、依頼を手伝ってあげてくれと。」
「依頼?」
「エクサーは、さらわれたペペルの住人たちを助け出すという依頼を受けたらしく、どうやら、それはかなりの難易度を極めているらしい。」
「もしかして、『ベレノ』?」
「よくわかったな。」
「そう。ライダーは?」
「もちろん、俺も手伝えと。」
「じゃあ、やらなきゃね。」
「本当にアイツは使い方が荒い。俺は別に『level 666』でもなんでもないんだぞ。」
「しょうがない。」
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ベレノアジト・医療室
医療室に置かれたベットの上にはセルベロが横になっていた。その部屋にオレッチオが入ってきた。
「セル、体調は?」
「大丈夫。」
「嘘。毒の侵食率は50%にもなってる。正直に言って。」
「悪い。」
「でしょうね。怒りに任せたとは言え、あの量と威力の毒を放出して大丈夫なわけがない。あなたを止めるのにガーディアンの9割が無くなった。」
「2人は?」
「ボッカは、ほとんど回復。でも、姉さんはまだかかる。何しろセルを止めるために最前線を張って止めに行ったから。」
「何か、ビンはあるか?」
「ある。」
オレッチオは、空間にワープホールのようなものを作ると、中から小さなビンを取り出した。それをセルベロは受け取り、中に一滴の液体を入れた。
「これを持って行ってくれ。」
「希釈は?」
「いらないように作ったはず。」
「じゃあ、これを姉さんに。」
「頼む。それと、巻き込んですまなかったと2人に言っておいてくれ。」
「いやよ。それはあなたの口で言うこと。私が言うことじゃないわ。じゃあ、後でまた。」
そう言ってオレッチオは部屋を出て行った。
セルベロはため息をついた。
ーー終ーー