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DeViL 悪魔生転物語  作者: オクラ
 4章 『復讐の毒花』
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 60 ナソとロイド


 ー 時はエクサーが悪魔になるより前に戻る。 ー


 「ナソ、説明をしろ。」

 「説明も何もねぇよ。そのまんまだわ!」


 『ベレノ』のアジトのとある一室は不穏な空気を作っていた。


 この部屋にいたのは、ボスである『セルベロ』とパンキッシュな髪型と格好をした男の悪魔。かつて、エクサーがトバルカイン魔法学校で戦った『ロイド』だった。だが、ここではロイドではなく、ナソと言われていた。


 2人は長机の端同士に座りながら喧嘩をしていた。

 セルベロは怒り、ナソはそれを逆撫でするようにヘラヘラと怒りを見せていた。


 「なぜ、逃したりした。1人残らず殺れと言わなかったか?」

 「だぁ〜か〜ら〜〜〜〜〜。しょうがなかったって言ったろ?俺も殺った2つもりだったんだ。でもまさか、地下通路で逃げるとは思わなかったんだよ。」


 セルベロとナソの2人の喧嘩は平行を極め、両者ともに怒りを溜めていった。


 「ナソ、お前を信用していたんだ。だからこそ、今回の失敗にはがっかりしている。」

 「失敗〜?聞き捨てならねぇなぁ。任務は終わらせた。ただちょっと見落としがあっただけだろ?」

 「それがダメだと言うんだ。最初に言ったはずだ。今回は全ての住人を殺せと。」

 「もちろん忘れてなんてねぇよ。でもしょうがないだろうが。逃げられちまったもんは。」

 「なぜ、追うと言う選択をしなかった。」

 「チッ、めんどくさかったんだよ。逃げたのはガキ1人に老婆だけだぜ?こんなのに追う必要を見つける方が難しいってもんだ。」

 「ナソ。最近のミスの多さは、前にも増している。頭を冷やせ。」

 「冷え冷え冷え冷え、キンッキンのカッチカチだぜ。なんならここで冷やしてやろうか?」

 「お前から、無期限でベレノ幹部の地位を剥奪する。」

 「はぁ?」

 「以上だ。これからオレッチオの連絡が来るまでお前は、『ベレノ』を名乗ることを禁止する。」


 ナソの額から、汗が流れる。

 まさか、ここまでの罰が来るとは思っていなかったからだ。


 「おいおい、なんかの冗談か?」

 「いや、冗談ではない。」

 「俺が担当している収益部はどうする。俺の権限で動かしてるんだぞ。」

 「なんとかする。それよりもお前はしっかりと反省しろ。」

 「あ”ぁぁ、わかったよ。クソが。どっか行ってやっるよ。お望み通りな。」


 セルベロの言葉に理不尽さを感じ、ヤケクソになったナソは勢いよく外に出ていった。


 もちろん、言うことを聞かなかったナソにセルベロを怒りを見せていた。


 ーーーーー


 「チッ、あ〜あぁ。」


 ベレノの名を奪われ、一般となったナソは適当な街の裏路地を歩いていた。


 ナソは心の中で考えていた。どうすれば『ベレノ』に戻れるのかを。


 そこに偶然、浮浪者とは考えずらい容姿と身なりの子供の悪魔を見つけた。これは何かあると直感的に踏んだナソは、話かけて見ることにした。


 「おいおい、しけてんなぁ。」


 ナソは、その悪魔に睨まれた。


 ここから、ナソは話を進めた。


 「名前がまだだったな。俺の名はロイド。」


 取ってつけた適当な名前。

 『ベレノ』として行動できなくなったナソは名を捨て、ロイドと名乗った。


 ーーここから第一章の『エクサー襲撃』に繋がる。


 ーー終ーー


 

 ナソ=ロイドです。


 セルベロもナソのことが嫌いなわけではありません。なので、ベレノから除籍させることもなく、一時的に権利の剥奪のような形を取りました。

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