4 S,B
瓜二つ、そっくりなメイドの名前は姉のフォルテと妹のピアノが気絶中のエクサーの面倒を見る。そして謎の背の低い女の悪魔はいったい誰?そして最後に言われるA2からの一言とは。
「ん、んん。」
かすかに聞こえる食器の重なる音。それと同時に後頭部に当たる柔らかい感触。誰かの話し声。意識はゆっくりとエクサーの元に帰ってきた。目を開け、真っ先に目に入ってきたのは大きな乳。その後ろからとても顔の整った女性が顔をのぞかせた。
「エ、エエット、、コンニチハ。」
「あぁぁぁぁ、ピアノが起こしたー。やったー。勝ったー。ピアノの太もも寝心地悪いんじゃない?」
「そんなことない。姉さんと同じ、、はず。」
エクサーはピアノに膝枕されていた。
「よろしく。私はフォルテ。君がエクサーだね。かわいい〜。私人間って見るの初めてなの〜。」
言ってフォルテはエクサーのほっぺたをツンツンした。
「と、とりあえず、起きていいですか?」
「いいよ〜。」
エクサーはゆっくり体を起こした。
「私、エクサーが起きたって言ってくるわ。」
そう言うとフォルテはその場を離れた。
「ありがとうございました。その、膝枕なんて。」
「いえいえ問題ありません。申し遅れました。私の名前はピアノです。そして先ほどの者が姉です。」
エクサーはピアノの顔をまじまじと見つめた。
「あ、あのそんなに見つめられると流石に恥ずかしいというか、、」
ピアノは少しだけ恥ずかしそうに顔を赤くした。
「あっ、ごめんなさい。すっごく似てるなぁ。と思って。」
「双子ですので。」
「そうなんですね。」
すると向こうから聞き覚えのある声がした。
「やぁやぁ。エクサーおはようだね。」
「あっ、A2。それにF,Dとフォルテと、」
そこには初めて見る悪魔がいた。
「はぁい。初めまして。私はS,Bよ。」
「よろしくお願いします。」
「やあねぇ、敬語なんて、普通でいいのよ。さあさあ、ご飯ができてるの。あったかいうちに食べましょう。」
全員で部屋の中央に置かれた長机に座って、待っていると、召使いであろう悪魔たちが、料理を運んできた。
「では、いただきましょう。」
エクサーはナイフとフォークを手に取り、何かわからない肉を、切ってスンスンと匂いを嗅いだ。特に変な匂いがするわけでもなく、皆が口に運んでいるのを横目に口に運んだ。口に入れてエクサーは衝撃を受けた。孤児院の食事は言うほど贅沢ではなかった。この肉と比べたらパサパサで肉汁のにの字もない。しかしこの肉は、想像だにしない肉汁を含み、甘味、酸味、辛味、塩味、全てが足を引っ張ることなく、個人たちが主張をしていた。
「エクサー美味しいかい?」
A2はエクサーを見て言った。
「うん。地獄って言うぐらいだからもっと酷いものだと思っていたけど全然そんなことないね。」
「それはそうだよ。悪魔だって存在違えど、人間と同じで美味しいものは美味しいんだ。」
「へぇ〜。孤児院では悪魔は悪、天使は善、神様は救いをくれると教えてもらったから、全然違うんだね。」
「あながち間違いでもないが、それは一方的な見方でしかないとも言える。天使も悪魔から見れば敵だし、その逆もある。大切なのは広い視野の評価と自分の置かれた立場だ。それを覚えておきな。」
「わかった。」
食べ終わったお皿が下げられ、新しい料理が運ばれてくる。エクサーは大満足だった。F,OもS,Bもピアノもフォルテも仲良く談笑していた。
「あ、それとね、エクサー。神について喋っておこう。」
「?」
「まず、人間は神という存在を大きく勘違いしている。人間は宗教だとか信仰だとかで多くの神がいると思っているが、あれは全部人間の作った虚像だ。神という存在はこの世に一つしかいない。そして、神が人間に手を差し伸べたという記録は残念ながら一度もない。神というのはそういう存在だ。神は強大すぎる力を持つが故、傲慢で気まぐれ。言って仕舞えば自己中。それが神だ。」
「へぇ〜。」
召使いたちが新しい料理を運んできた。
「あっ、そうだ。エクサー明日学校見学行くよ。」
「ん〜。いい匂い。わかったよA2。・・・え。学校見学?」
料理の匂いに釣られていたところ、ふと我に帰った。
ー終ー
Tik Tokって怖いと思うんです。
当たり前ですが私には友達がいるのですが、会うと大体TikTokを撮ります。色々な流行りの音楽に合わせて踊っています。不意に気になったので、「1年前に何が流行ってたの?」と聞くと、「え〜、忘れちゃった〜。」と言いました。友達は笑っていましたが、それってすごく怖いことに感じてしまいました。
1年前のことって鮮明でなくとも覚えています。ん。ちょっと待てよ。どっちが怖いんだ?1年前のことを覚えていないことか、それともそれを平然とわからないと流したことか?
だめだ。わからんくなってきました。