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DeViL 悪魔生転物語  作者: オクラ
 3章 『黒腕』
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 46 全開衝突


 地獄・サランカス


 両者ともに宿る衰えぬ闘志。


 リンドはなくなった右肩から先を無理やり生やした。


 「かはぁっ。」


 無理やり生やしたことによる痛みは尋常ではなかった。


 だが、それでも闘志は揺るがず、両腕からシューっと煙を出すと、腕が黒く変色。そしてここに、黒腕が姿を見せた。


 超過集中状態のエクサーもこれを冷静に理解。そしてエクサーの近くに突如現れた異空間に繋がる穴に手を突っ込むと中から、『アレクトーン』を抜き出し、エクサーもリンドに負けるとも劣らない最高のポテンシャルを引き出した。


 リンド(潜在解放(バースト)+黒腕)vsエクサー(超過集中+『アレクトーン』)が今この瞬間、始まった。


 同時に2人が足を踏み込み、お互いの間合いに触れた途端、リンドの黒き拳とエクサーの刃は衝突を見せた。


 完全な拮抗状態を破ったのは、エクサーの方だった。エクサーは1秒にも満たない時間、いきなり脱力、そして、リンドの体制が少し前に動いたところを、下から高速で切り上げた。


 が、リンドの黒腕は剣を持ってしても簡単に切れるほどの強度ではなく、リンドは切り上げられた『アレクトーン』を下に打ち落とすと、次はエクサーに隙ができた。


 蹴りをエクサーの顔面に当てようとするリンドだったが、その瞬間、エクサーは『アレクトーン』に大量の魔力を流し込み、刃から魔力を放出。それを原動力に一回転してリンドに横切りを喰らわせた。


 この一撃にもしっかりリンドは黒腕で防御を合わせたが、腕が切れないというだけで威力は軽減されないため、剣の勢いに押され壁に吹っ飛んだ。


 壁に叩きつけられたリンドがこれで終わるとはエクサーも思っておらず、ゆっくりとエクサーはリンドに向かって歩いて近づいていくと、自分の周りにビー玉サイズに凝縮した、『ファイア』や『サンダー』、『アクア』、『ウィンド』などの様々な魔法を体の周りで巡回させた。


 リンドは体制を立て直すと、超高速でエクサーの目に前に現れた。もちろんエクサーもこれを認識した。ただ予想外だったことは、リンドはここで体を捻り、エクサーの眼前から姿を消したことだった。


 完全に死角からの攻撃を予測したエクサーのとった行動は、自身の体の周りで巡回させている多くの魔法を互いに衝突させ、自分ごと周りを吹き飛ばすことだった。


 回復に関しては意識する必要のなくなったエクサーだからできる技だった。


 爆発により巻き上がった煙の中でエクサーは自身の腹部に何かを感じ取った。とその瞬間、エクサーは腹部に強烈な痛みを感じると、廊下の壁を突き破り、外に投げ出された。


 外に出されたエクサーの目には、リンドが拳を突き出していることが見えた。


 リンドはこの舞い上がった煙を使い、エクサーが存在を確認できぬほどの気の脱力を持ってエクサーに接近。そして、その場でエクサーの腹部に発勁を叩き込んだ。


 傷に関してはすぐに癒えたエクサーだったが、痛みとしてはかなりの大きさ。そこに意識がいって落ちることを想定することはできていなかった。そして、エクサーは下に落下した。


 「おわっ!なにかと思えばエクサーじゃないですか!?」


 なんとその下に運良くいたのは、クーとドラギナだった。


 「やっぱりエクサーだったです。」


 「ほんとだ。」


 「でもなんで上から落ちてきたです?」


 「今は説明できない。とりあえず、クー、僕をあのビルの穴の空いた場所に向かって押し上げてくれ。」


 いつになく真面目な顔のエクサーにクーは協力。


 「いくです〜。」

 

 そう言ってクーは、『ウィンド』を使ってエクサーを上に押し上げた。


 「あっ、足りないです。」


 だが、出力不足だったらしい。


 「全く。」


 それをカバーするようにドラギナは『ウィンド』で手助けをし、無事にエクサーは戻ることができた。


 「ナイスです。」


 2人はグーサインをし合った。


 「あ、あぁっ。」


 リンドの黒くなった両腕から出る煙。リンドはこれに痛みを感じ初めていた。


 とそこに風が吹き始めその方を見ると、エクサーが中に浮きながらこちらを見ていた。


 そして、目が合った2人はぶつかり合った。


 ーー終ーー


 

 














 

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