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DeViL 悪魔生転物語  作者: オクラ
 3章 『黒腕』
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 38 過去の非道


 話はグガットが死んだ次の日に戻る


 グガットの死によって奴隷として解放された悪魔たちは、衣食住を求め始めていた。

 奴隷とは言ったものの寝る場所や食事は並以下ではあったものの与えられていたのだ。それがいきなり無くなるということは奴隷よりも辛いことだった。もちろんリンドもそれに漏れることなく、行き場を探していた。


 そんなリンドの目の前にヴァットが現れた。


 「やぁ、リンド。」


 ヴァットにとっては見なれた顔だったが、リンドにとっては初対面。少し警戒するかと思いきや、リンドはそんなことはなかった。


 リンドはある種、空虚で受け身だった。来るもの拒まず、去る者追わずの精神を持ち、危害を加えれば反撃するぐらいの気持ちで生きていた。


 「一緒に来なさい。」


 そんなリンドにヴァットは、手を差し伸べ、自分の元に置いておくことにした。


 これにリンドは断る理由もないため賛同したリンドは、ヴァットの手を握ったのだった。


 ーーーーー


 地獄・グランパス


 時は今に戻る。

 

 ヴァットは会議室を後にして、グガットの社長室にトットとリンドを連れて訪れていた。


 「確かこの辺りに。」


 ヴァットは社長室の本棚の奥に手をやるとボタンを見つけ、ボタンを押した。


 すると、ガチャガチャと言う音が鳴り始めると、本棚が音と連動するように下に下がり、その奥からエレベーターのようなものが現れた。


 3人はそこに乗り込むとエレベーターの扉は閉まり下へと下がっていった。


 チーンッ


 随分と時間をかけて下に下がると扉が開き、目の前には研究室が現れた。


 ーーーーー


 地獄・グランパス地下・薬物研究ラボ


 この部屋には研究者らしき者たちが忙しなく研究に努めており、様々な草の培養、抽出などの様々なことを行なっていた。


 3人は、ラボの放送室に入った。


 「ちょっと、マイクを借りるよ。」


 そう言ってマイクを持ち研究者たちに声をかけた。


 「研究者の皆、今日も精の出るお勤めご苦労。私はヴァットだ。」


 研究者たちは手を休めることはなく、耳だけをヴァットの声に向けた。


 「グガットの死、古くからの友人である私としても、かなり辛い。しかし、それでもグガットの席は空いたまま。そのため私ヴァットが、一時的に君達の雇い主になることが、幹部との話し合いで決まった。よろしく頼むよ。」


 ヴァットは口から出まかせ、嘘をついた。しかし、そんなことを誰も気にしていなかった。研究者にとって、雇い主などどうでも良かった。ただ、自分たちが研究のできる場所を提供してもらえれば、それ以上は望まなかった。


 ヴァットたちは放送室を出ると、研究室の奥にある明らかに危険な匂いのプンプンする扉の前に来ていた。


 「ここは昔、グガットと共に研究を行なっていた薬物の保管庫だ。」


 ヴァットは扉の前で、昔を過去を噛み締めるように語り始めた。


 「昔、私は、武具商人としてはまだ未熟で粗悪な物を売っていた。収益もろくには上がらず、貧困を生きていた。そんな商売も長くやっていれば、一定の収益を上げることができるようになっていた。しかし、そんなものは他の会社にすぐに押し潰される。今、目の前に広がる曇天を晴らすため、私は次の案を考え出した。そんな時、ある1人に出会った。グガットだった。グガットは薬物をより安全に表舞台に出し、薬物市場を席巻し、莫大な利益を上げることを野望としていることを私に教えてきた。その話をしている時のグガットは忘れもしない。カリスマに溢れていた。直感的に私はグガットに付いて行くことを決めた。なけなしの金をグガットに投資し、薬物の研究に使った。結果、研究は成功。グガットは地獄経済を席巻。私も共同者として名が売れ、それとともに武具事業も大きくなり始め、我々2人はそれぞれの道を歩んだ。」


 ヴァットはポケットからカードを取り出すと、扉に差し込んだ。


 すると、扉は煙を発しながら開いた。


 「グガットと薬物を研究、開発していた時、ある1つを除いてすべてが実用化された。それがこの『バブルス』だ。」


 扉の奥には、大きな液体の入った容器の中に浮かぶ1つのカプセルが浮いていた。


 「この薬物は私達が唯一、手に負えなかった物。別名、狂化薬物。使用者を文字通り、狂わせ暴走に至らせる薬物。この薬物の初実験はある村で行った。村長に多額の金を積み、村人たちには何の相談も無しに、村長は村を明け渡した。実験を通して分かったことは、この薬物は想定よりも凶暴化することだった。本来の薬物の効果としては戦争時に使用して、一時的にハイの状態になり、痛みの軽減や攻撃の向上を見込む物だった。しかし、想定以上の凶暴化とそれ以上に問題が出てきた。この薬物は空気感染をするところだった。この結果、手に負えなくなった村を私達は放置して、この村人たちは村人同士で争い、崩壊した。」


 「空気感染とは、ほとんどウイルスですね。」


 トットはヴァットに言った。


 「でも、なぜ今これを?」

 「腹いせとでも言っておこうか…」


 ーー終ーー

 


 友達関係が苦手なのを何とかしようともがいて数年。一向に何とかなる気配なし。


 これって治るんですかね?私、学校でこまめに喋っているうちはいいんですけど、卒業だったりで、久しぶり!ってなるとなんか敬語に戻っちゃうんですよ。これって割とありがちな事象なんですかね?


 これのせいでせっかく増えた友達が減ってる気がするんです。クソがっ。

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