3 ピアノとフォルテと
地獄・クリスト城
「みんな〜おかえり〜。」
エレベーターの扉が開いた先にいた、背の小さな女の悪魔がこちらに向かって小走りで向かってきた。
「あらあらあら、その子がエクサーね。疲れて寝ちゃったの?」
「いや、ただ意識が飛んでるだ。」
「あらあら、それは大変ねぇ。」
談笑を続ける2人から離れ、F,Dがスーツのジャケット脱ぐと、そのスーツを黒髪を下ろしたロングスカートのメイド服のメイドが受け取った。
「お帰りなさいませ、旦那様。」
「あぁ、ピアノ。すまない。」
「問題ありません。洗濯しておきます。」
そして手に持ったジャケットをハンガーにかけ隅に片付けた。
「あぁーーー!それ私がやろうと思ったのにー。」
大きな声のする方向からズカズカとまた一人メイドが歩いてきた。
驚くことにF,Dのスーツを受け取ったメイドと顔から服装、声のトーンまでそっくりだった。
「申し訳ありません。姉様。」
「コラ、フォルテ、大きい声を出すのはやめないか。」
「ごめんなさ〜い。」
この二人のメイドの名はフォルテとピアノ。フォルテはピアノの姉であり、元気に満ち満ちている。ピアノはフォルテの妹。物静かで、少し弱気な部分もあるが、現在進行形で克服中。そして驚くべきはこの二人はとても似ている。体格、体型、顔、髪の色まで瓜二つ。見分け方は髪型がハーフアップかおろしているかどうかと声のトーンの二つ。
「フォルテ〜、ピアノ〜、こっちに来てちょうだーい。」
「はーい。」
「わかりました。」
二人は小走りで背の低い女の悪魔に元へ走って行った。
「この子がさっき話したエクサーよ。どうやら気絶しているようなの。だから二人でソファで面倒見てあげて。」
「はーい。」
「はい。」
ピアノがA2からエクサーを受け取ると、二人はエクサーを持って行った。
「さぁ、料理の準備をしなくちゃ。歓迎パーティよ。ほらA2、突っ立ってないで手伝って。あなたもよ〜。」
窓から外を眺めているF,DもA2も嫌々料理の手伝いを始めた。
ーー終ーー
<キャラ紹介>
フォルテ
・魔術なし ・自動回復魔法なし
・クリスト城のメイドでピアノの妹。
・顔は美人であり、妹とそっくり黒髪をハーフアップにしている。
・F,Dには子供のように接してもらっているが、血縁関係はない。
・元気ハツラツを体現したような人柄であり、笑顔が絶えない。
・少し冷静さに欠ける部分があり、成長課題である。
・戦闘スタイルは大きな武器から精密な機械まで多くを操れる。
<キャラ紹介>
ピアノ
・魔術なし ・自動回復なし
・クリスト城のメイドでフォルテの妹。
・美人であり、姉と瓜二つ。髪型は黒髪ロングを下ろしている。
・フォルテ同様、F,Dとは血縁関係はない。
・冷静で感情が表に出ることは少なく、粘り強い。
・用心深い側面が強めに出るため、物事の初動がどうしても飲み込みにくいのが難点。
・戦闘スタイルは精密機械の操作や援護に特化しており、先陣を切るフォルテとは対照的である。