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DeViL 悪魔生転物語  作者: オクラ
 3章 『黒腕』
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 33 アレクトーン


 「あーん。」


 エクサーは朝食のパンを頬張っていた。


 すると、F,Dが急いで、エレベーターから降りてきた。


 「もう出る。」

 「わかったわ、気をつけて。」


 エクサーは今日やけに皆が忙しないことに気づいていたが訳は知らなかった。


 「じゃあ、行ってくる。」


 F,Dは颯爽と城から出ていった。


 「なんかあったの?」

 「そうなのなんかあったの。」


 S,Bはエクサーの問いに答え始めた。


 「グガットっていう、経済の重鎮が死んじゃったの。」

 「ふーん。」


 エクサーはそれだけと思ってしまった。


 「で、まずいのはここから。この状況に付け入って企業同士が勢力争いを始めると、地獄が混乱するわ。これをなんとかしなければ、最終的に地獄間での大きな戦争に発展して、天使にでも介入されたら、大戦争になるわ。これは阻止しなきゃいけないの。」


 エクサーも少しだけことの全容を理解し始めた。


 「エクサー、おはよう!」


 この緊迫した状況でA2は相変わらず対応を変えずエクサーに話しかけてきた。


 「ほらちょっと行くよ。」


 A2はエクサーを掴み上げると、どこかに瞬間移動した。


 「ちょっと〜どこ行くかぐらい言いなさいよぉ。」


 ーーーーー


 地獄・ガルガの丘


 「ちょっ、何ここA2。」


 「ここはガルガの丘。第一次時代に不世出の伝説の鍛冶屋ガルガがここに住んでいた。だからガルガの丘。その腕は第一次天魔戦争時にサタンが自分に一本剣を作れと直談判しにきたほどだった。そして第一次天魔戦争中。天使軍に目をつけられたこの場所にいたガルガは弟子たちに守られ、死を迎えながら一本を作り、地面に刺した。これがこれ、『アレクトーン』だ。」


 A2の背後の地面に剣が刺さっていた。この剣は全体的に紫色をしていた。


 「これを抜けってこと?」

 「Yes!そうだ。でも一筋縄では行かないぞ。こんな代物を悪魔達が欲しくない訳ない。みんな喉から手が出るほど欲しがっている。ではなぜ、手に渡っていないのか。それはこの剣を誰も抜けないからだ。」

 「じゃあ、無理じゃん。」

 「いや、そんなことはない!きっとできる!!」

 「え〜。」

 「まぁまぁとりあえず、努力はしよう。」


 エクサーは無理だと思ってとりあえず。剣を握って引っこ抜こうとした。グリップの部分を握り背中をのけぞらせ引っこ抜こうとしたが、ビクともしなかった。


 「よし、A2帰ろう。」

 「えぇ〜、ちょっと早くない?」

 「だって無理でしょ。」

 「いいかい?エクサー。この剣はただの剣じゃない。魔力に対応できる魔剣だ。ということは当然抜く時、使う時に魔力を必要とする。ということは、この件を抜くには魔力を鳴らしながらいけないわけだ。」

 「なるほど。」

 「ってことで頑張ってみよう!」


 エクサーは渋々もう一度チャレンジ。今度は魔力を流しながら抜いてみることにした。


 パアーン!!


 「いてぇ。」


 エクサーは魔力を流したと同時に『アレクトーン』が波動を放って吹っ飛ばされた。


 「今のは拒絶だ。相手は魔剣であり、気難しい犬みたいなものだ。いきなり馴れ馴れしく撫でたら噛まれるに決まってる。優しく、ゆっくりだ。」

 「うん。」


 エクサーはもう一度チャレンジ。


 拒否


 チャレンジ


 拒否


 チャレンジ


 拒否


 チャレ……


 ーーーーー


 地獄・クリスト城


 「あら、おかえり。なんでエクサーは泥だらけなのぉ。」


 城に帰ってきた2人。エクサーは泥だらけだった。


 「お風呂入ってきなさい。」

 「はい。」


 エクサーは風呂に入った。


 ーーーーー


 「えぇ〜、アレクトーンを抜くの?」

 「うん。」

 「まぁ、実際。エクサーの魔力操作の練習にもなる。エクサーは魔力量、魔力効率ともにぐんぐん成長している。でも魔力操作が他に比べて劣っている。これでは魔力効率の足も少しひっぱてしまうし、第一技の発生が遅いのは課題だった。だから、練習のために頑張ろう。」

 「う〜ん。」

 「私も応援します。」


 ピアノもエクサーを応援した。


 「そう言えば、F,Dとフォルテは?」

 「あぁ、会議よ。会議。」


 ーーーーー


 地獄・アスフォルテ会議場


 場所の詳細は関係者以外一切不明の場所。ここで、地獄の中でも最重要会議に位置するものは開かれる。


 この会議場が久しぶりに開かれた。


 ーー終ーー


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