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DeViL 悪魔生転物語  作者: オクラ
 2章 『天使降臨』
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 25 再び

 エクサー殺害の決行日。ラキエルたち『イノセント』は地獄に向かうべく、通過点である”天国のヘブンズドア”に向かった。しかし、全てはラキエルの嘘であり、門番ロテぺから通行の許可は降りなかった。が巧みに言葉と信頼を活用したラキエルは簡単にロテぺから通行の許可をもぎ取った。

 クメタニア荒野にで修行中のエクサーの元に現れた『イノセント』の4人。エクサーに挨拶代わりの一撃を喰らわせると、戦闘が始まる。


 エクサーが構えを取り、交戦の石があることを確認したラキエルは右手を指鉄砲の形にした。

 もちろん、エクサーも向こうの攻撃体制を見てさらに身構える。


 「マジか。」


 思わず漏れた一言。


 それもそのはず、ラキエルの繰り出した攻撃は先ほどとは違い、巨大なエネルギー弾だった。

 避けるにしても避けきれないほどの大きさにエクサーは思わず止まってしまった。


 もし直撃すれば一撃。エクサーはなんとか逃げる方法を考えるが、ラキエルの攻撃はのチャージは終わりが見え始めていた。


 エクサーが考えを巡らせる中、そんなことお構いなしにラキエルはエネルギー弾を放った。


 そして、放たれたエネルギー弾は空気を押しのけ、スピードこそ遅いもののとてつもない衝撃波と範囲でエクサーの目の前に向かってきた。


 ーー直撃。

 エネルギー弾は地面に直撃すると、爆発。地面は揺れ、砂埃が舞い上がり、地面は大きく抉れた。


 ナドリエルが人差し指を前に突き出すと、そこに向かって砂埃が集まってビー玉サイズに凝縮された。


 「ふっ、大したことないね。」


 絶対に仕留めたと確信したラキエルはやり切った顔をした。


 その顔目掛けて、火球が斜め上から豪速で飛んできた。

 それを、ラキエルはノールックで『バリア』を発動し、防いだ。


 その方向をラキエルが見ると、その先にエクサーがいた。


 「どうやって、避けたんだい?」

 「内緒。」

 「『テレポート』だな。」


 『テレポート』

 範囲内にランダムで移動する魔法。移動範囲を広げるほど魔力消費量が上がる。移動先を指定する事もできるがその場合、より多くの魔力を消費する。この場合『ワープ』と呼ばれる。


 エクサーは『テレポート』で瞬間的にエネルギー弾の範囲から逃れていた。

 もちろんそのことはラキエルもわかっていた。


 エクサーは次の一手を考え始めた。その背後を誰かがとてつもない威力でぶん殴りエクサーは地面に叩きつけられた。


 「サラ!勝手なことはやめなさい。」

 「もう無理〜!我慢できないもん!」


 攻撃したのはサラマエルだった。サラマエルは持っていた刺棍棒でエクサーの背後をぶん殴ったのだった。


 そして、サラマエルは、追い打ちをかけるべく笑いながら、エクサーの方に向かった。


 目の前がグワングワンしながら、なんとか立ち上がったエクサー。

 何をされたか分からず情報を整理しようとするが、サラマエルがとてつもないスピードでこちらに接近。エクサーの前でいきなり姿を消したかと思えば、その姿はエクサーの真後ろにあった。そこでバットを振るように刺棍棒を振り、エクサーの顔面に直撃した。


 それでも、追い打ちをやめないサラマエルは、エクサーの腕を、足を、胴体をめった撃ちした。

 そして最後の一発。エクサーは血を流しながら遠くに吹っ飛んだ。


 「サラ、やりすぎじゃない?」


 相変わらず、お菓子を食べながら話しかけるロルエル。

 それに賛同するようにナドリエルも首を振った。


 「まぁ、いいじゃないか。悪魔なんて誰が殺したって悪くない。こんな奴らいる方が害だ。僕だったら生きることいや悪魔として生まれる自体が恥ずかしいね。ハァ〜、キモいキモい。僕が天使長になったら即刻地獄をぶっ壊すね。」


 ラキエルは悪魔に対して散々な言いようを放った。

 エクサーは体の至る所に傷を負い、そこから大量出血。血の水溜りができていた。


 (あぁ、まただ。)


 エクサーにはつい最近経験した感覚が巡っていた。心地よいような気持ちの悪いようななんとも言えないこの感覚。


 エクサーの体から血は最初は赤い色をしていたが、どんどん粘性が強く、黒くなっていった。


 だが、そんなことに”イノセント”が気づくわけもなかった。


 (また、また…だ…)


 エクサーは消えゆく意識の中で覚えのある感覚に襲われていた。


 ドックン…ドックン…


 ドックン!!


 エクサーは一際大きな鼓動を感じると共に暗闇の中で目を瞑った。


 ドックン!…ドックン!…ドックン!…ドックン!…


 エクサーの意識がなくなったと同時に、地面が等間隔で揺れ始めた。まるで心臓の鼓動ように。


 「なんだ、なんだ?」


 ロルエルは辺りを見回した。


 「どういうことなの?ナド。」


 発生源のわからないこの突発的な現象に4人は周囲を見回す。だが、これと言って原因と言えるものが存在しているわけでは無かった。

 加えて4人は出自のわからない恐怖に体を取られていた。


 「ね…ねぇ、みんな。あれを見て…」


 ナドリエルは何かに気づくと、顔を真っ青にしてある方向を指差した。3人見てはいけないものを今から見る感覚を持ちながら、その方向を見た。


 そこにはちょうどフラフラと立ち上がったエクサーの姿があった。

 4人は立ち上がれるはずのないエクサーを見て驚いた。


 すると、いきなりエクサーは足元に広がった自分の血(?)だったものの中にゆっくりと沈み始めた。


 4人は今、絶対的恐怖を視界に収めているのだと思い、それをただ茫然と見つめた。


 「「「「!!」」」」


 4人には最後エクサーの顔が沈む瞬間、エクサーは白目を向き、血だらけの歯を見せて笑ったように見えた。


 ナドリエルは、誰よりも恐怖していた。


 「大丈夫だ。ナド、僕がいる。」


 そんなナドリエルを見かねたラキエルは痩せ我慢をしてナドリエルを抱きしめた。

 だが、ラキエルも得体の知れない恐怖に襲われていた。


 エクサーが黒い液体の中に沈み、いくつの1秒が経過しただろうか。未だ恐怖冷めやらぬここら一帯は、不穏な風の音だけが響いていた。


 と次の瞬間、その黒い液体は沸騰したように泡を上げ、噴水のように液体が上に吹き上がった。

 その中から現れたのは、ロイドと戦った時と同じ右手が肥大化し、黒に包まれた、魔強化暴走のエクサーだった。

 だが、このエクサーには1つ前回と違うところがあった。それは不適に笑っているところだった。


 これと同時に天界、地獄の全ての生物の背後に『黒き稲妻』が落ちた。


 「あ”ははははははぁ”!」


 エクサーはいきなり浮かべていた目に笑い声がついた。

 笑い声に唸り声を混ぜたような、気味の悪い笑い声が周囲に響く。


 もちろん、地獄にも天界にも同じ殺意が轟いた。


 この殺意を目の前で感じている4人は、心底恐怖し、この場に来たことを後悔した。


 だがもう遅かった。殺意の向かう方向は目の前の4人だった。


 ーー終ーー


天使メモ

 実はナドリエル、ラキエルの許婚なんですね。話の中ではラキエルがそれどころじゃないですが、よくデートとか行ってますよ。

 その間、ロルエルが料理を作るのは得意なのでサラマエルと作ってますね。この2人が恋仲は絶対にありません。超仲のいい友達みたいな感覚です。

 

 強さランキング

 ラキエル>サラマエル>ロルエル>ナドリエル(?)

 って感じですが、ナドリエルは基本的に戦わないのでわからないです。

 魔力量ランキングだと

 ナドリエル>>ロルエル>ラキエル>>サラマエル

 って感じです。戦闘において魔力が多いってめちゃくちゃアドなんです。だから戦ったらサラマエルぐらいはある気がします。

 ロルエルは持久タイプです。サラマエルは魔力は他3人に比べて少ないですが魔力効率がいいです。

 



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