24 襲来
ーー7日後ーー
天界・ソクラテ
「皆、準備はいいかい?」
ラキエルの問いかけに3人は首を縦に振った。
「よし、行こう。」
ラキエルはソクラテから飛び立ち、他3人もその後を追うように飛んだ。
「いやぁ、実を言うと僕、地獄に行くの始めてんだよねぇ。」
「私たちは1回ずつあるわ。」
ロルエルはイノセントに最近入ったばかりで、地獄に行った経験はなかった。ナドリエル、サラマエル、ラキエルの3人は一度、ミカエルに連れられ地獄に行ったことがあった。
「ちょっと、楽しみだなぁ。」
「そんないいところじゃないわよ。血生臭いし、まるでゴミの掃き溜めみたいなところよ。」
ロルエルの期待を潰すようにサラマエルは地獄の悪口を言った。
「そうなんだ。」
ロルエルはちょっとがっかりした。
「スピードを上げるぞ。」
そう言うと、ラキエルは移動スピードを更に上げた。そして、4人はある大きくて巨大な金色の扉の前についた。
「へぇ、これが”ヘブンズドア”かぁ。」
『天国の扉』
天国と地獄をつなぐ扉。天界から地獄に行く際はここを経由して地獄に行く。これ以外に特殊な魔法以外では地獄に行く術はない。表に裏があるように、天界に天国の扉があるように、地獄にはそれと対をなす、”地獄の扉”も存在している。
もちろん、これが地獄に行く唯一と言っていい術であるため、ミカエルおよび天使長クラスの指示なくここをくぐることはでいない。さらに、厳重にするために門番がいた。
「イノセントの皆さん、こんにちは。お揃いでどうしました?」
子供、子供というか赤ちゃんの天使だった。全裸に羽衣に天使の輪っか、外見は生まれたての赤ちゃんだが、中身にしっかりとした意識があるような存在。
名をロテぺ。天国の門の番人を務めている。
「地獄に行って、ある1人の悪魔を殺せとのミカエル様からの指示を受けた。だから、ここを通してくれ。」
「おぉ、なんと。まさか、あの地獄から発せられた強大な殺意の主人を倒しに行くとですな。これは素晴らしい。私も身を震わせて、ここにいました。ありがたいことです。更に、ミカエル様はあなた達に経験を積ませるために選んだのですね。あぁ、なんと慈悲深い。しかし、ここを通すわけにはいきません。」
ラキエルの除いた3人は驚いた。
「なぜですか、門番ロテぺ。」
ナドリエルは思わず聞いた。
「そのような要件、イノセントを通せなどとはミカエル様から聞いていないのです。なので、あなた方を通すわけにはいかないのです。」
「ラキ、どういうこと?」
ラキエル以外は本当にミカエルに粛清の命令が下っていると思っていた。だからこそ、天国の門の管理者であるロテぺがミカエルから何も聞いていないということを不思議に思った。
一瞬まずいと思ったラキエルは、焦りを隠し落ち着いた表情でロテぺに話しかけた。
「伝わっていないことは無理もないでしょう。現在ミカエル様、他天使長様達も現在多忙を極めています。本来であれば、このような状況では、ミカエル様本人が行かれるでしょう。しかし、先ほども言ったようにミカエル様は多忙です。なので、私たちイノセントに急遽その役を任命しました。多忙のミカエル様がもしかしたらうっかり言い忘れてしまったのかもしれません。しかし、ここで地獄に行かなければ、私たちイノセントは、ミカエル様を裏切ったことになる。その原因をロテぺ、あなたが起こしたとあれば、ミカエル様は怒りに身を焦がすでしょう。」
「おぉ、それは困った。どうしましょう。どうしましょう。」
ロテぺは混乱した。
ラキエルは恐れていた状況を通過できそうなことに安堵した。
地獄に行ってあの悪魔を殺せ、そんな命令はラキエルの嘘である。そのため”天国の扉”を通ることは一筋縄では行かないと考えていた。しかし、うまいこと行きそうだった。これで、もし勝手に地獄へ行ったとしても、あの悪魔を殺すことで、地獄へ行ったことは十分帳消しになると算段を踏んでいた。
ラキエルにはあの悪魔を殺すという確固たる決意と、殺せるという確固たる自信があった。
散々悩んで、ロテぺは結論を出した。
「では、どうぞ皆さん。通行を許可します。」
ロテぺは通行を許可した。それは、イノセントという肩書きに全幅の信頼を置いているためだった。
ロテぺが指笛を吹くと、どこからか1つの鍵が飛んできてロテぺは素早く鍵を手に取った。
そして、その鍵を近くの鍵穴に刺すと、”天国の扉”がゆっくりと開いた。
「皆さん、ご健闘を。そして勝利を。」
「ありがとう。行ってくるよ。」
扉の先に広がるのは雲の海、どこまでも続く雲海だった。
「さぁ、行くよ。みんな。」
4人は雲を進んで行った。
ーーーーー
ーー同時刻ーー
地獄・クメタニア荒野
そこにある岩の上で、1人の悪魔が座って瞑想に励んでいた。
そうエクサーだった。
目を覚ましてから、5日。回復魔法もあり、傷は完全に治り、元気ピンピンのエクサーは今、自主練をしていた。
今行なっているのは、意識外でのフルオートの傷の治癒の初歩だった。A2やF,D、S,Bクラスは自分の魔力の10〜20パーセントを常に回復魔法に回し、傷を負った瞬間に意識せず、勝手にフルオートで治癒できるようにしていた。しかし、体が勝手に回復するようなプログラムを組むことは容易ではない。だが、できたほうが圧倒的に便利なため、エクサーは魔力や自分自身と向き合うために瞑想をしていた。
血管に流れる血液に意識を向けるように、魔力回路に流れる魔力が体を巡ることに意識を向け、自分に魔力に集中していった。
すると突如として、荒野の空が一瞬にして明るくなった。
地獄の空はずっと暗い。A2からそう聞いていたエクサーは驚いた。それに久しぶりの光。暗い部屋にいきなり電気がつくようなあの感覚。エクサーは光に目を慣らすのに時間がかかった。
すると、光の中から4本の光の柱が降りてきた。そしてその中を通るように4人の天使が姿を見せた。
ラキエル率いるイノセントだった。
「ラキ、この辺のはずよ。」
「どこだ?」
4人とも当たりをキョロキョロと見渡した。
すると、エクサーを見つけ、4人はエクサー目掛けて飛んで行った。
エクサーは天使を初めて見た。初めて見た感想は美しい。ということだった。しかしそれよりも、どこか得体の知れないようにも感じていた。
すると、ラキエルが右手で指鉄砲の形を取った。
エクサーは視覚的ではなく、感覚的に危険を察知。素早く右に避けたが、エクサーの左肩には穴が空いた。
あの一瞬、ラキエルの指先からはビームのようなものエクサーの心臓部目掛けて放たれた。
エクサーはこれを持ち前の反射神経と感覚で避けたが、それでも交わし切ることはできず、肩に被弾してしまった。
ラキエルは驚いた。ラキエルはまさか避けられるとは思っていなかった。
「いい反応スピードだ。君、名前は?」
口を開いたラキエルは微笑みかけるように聞いた。
「エクサー。」
いきなり攻撃されたエクサーは天使達に不信感を持ち始めた。
「そうかエクサー。訳あって、君を殺さなくてはならないんだ。」
「どんな訳で?」
「君の放ったあの殺意。あれは展開にすら届いていた。ミカエル様はこれを脅威と認識し、君の殺害っを命令。そして私達『イノセント』がその命を担った。以上だ。」
エクサーは魔強化のことだとすぐに分かったが、実際のところその記憶がない。覚えていない。だがそんなことを言っても見逃してくれるわけはないと思ったエクサーは諦めた。
「では、ここで実力を行使させてもらう。抵抗はしても構わない、ただ楽に死にたいならしないことを勧めるよ。」
エクサーは構えた。
ーー終ーー
ポケモン。楽しい。
私、世代はXYなんですよ。初めて手に取ったのはYですね。
私のいた小学校、ポケモンあんまり流行らなかったんですよ。でもやっている友達を見つけて対戦なんかをするわけですよ。でもタイプ相性的にその子Xだったので、ゼルネアスにボコボコにされました。
なんとそのポケモンにZが出るんですよ。テンション上がっちゃって。でもそのポケモン、ポケモンレジェンズっていうもので、その括りに先にレジェンズアルセウスっていうものがあるんですね。
私、それだけ唯一なぜかやってないんですね。なのでやったんですけど、楽しかった。すっごく楽しかった。ポケモンも捕まえやすいし、画質と画素数がよくなっているせいで、ポケモンに余計愛着湧いちゃってクリアにとんでもない時間かかっちゃいました。