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DeViL 悪魔生転物語  作者: オクラ
 7章 『次なる王』 ー五芒星の過去ー
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 117 不自由


 天界・ミカエル宮


 「説明をお願いします、A2。」

 「ハハハ!何度も言っているだろう?エクサーのためさ。」


 血だらけで拘束されたA2の前に立つミカエル。


 ミカエル宮に流れる緊張感。


 それもそのはず、ミカエルの心情は到底穏やかと言えるものではなかったからだ。

 その原因はA2がエクサーを連れて人間界へ行ったことだった。

 ミカエルの許可なく人間界へ行くことは天界、地獄において最大のタブーであり、そこを易々と飛び越えたA2はしっかりとミカエルの逆鱗を逆撫でした。


 さらに、今回はこれでは終わらなかった。

 それは、A2が『ミカエルのペンダント』に近づいたことだった。


 「では、なぜペンダントに近づいたのか、納得のいく説明を求めます。」

 「説明もないさ。好奇心だよ。エクサーが里帰りするついでのね。」

 

 すると、A2の両サイドにいる天使のうち、1人がA2の右胸を斜めに槍で貫いた。


 「トリロエル!私は攻撃命令を出していませんよ!」


 その行為にミカエルが一喝した。


 トリロエル

 『ミカエル親衛隊第三席』の天使であり、冷徹な天使として有名なほど、顔を変えずに粛清を行う天使。このことから『涙の無い天使』とも呼ばれる。金髪、白肌に整った容姿。少々偏った価値観を持ち合わせているため、ミカエルもこれには苦労している。


 『ミカエル親衛隊』とは、文字通りミカエル直轄の部隊のことであり、この位になると、天使長候補になるため、大変な実力者が揃っている。


 トリロエルは迎えるの注意にすぐに槍を抜くと、悪びれること一切なく元の姿勢に戻った。


 「ご、ごめんなさい!ごめんなさい!申し訳ありません!ミカエル様、どうかお許しを!!!」


 勝手な行動をしたトリロエルが謝罪もしなかったことを、A2の隣にいたもう1人のが誤った。


 スラっとした身長に少し、地味さの残る容姿をした和風のいかにも気の弱そうな顔の女天使。

 名をフレリエル。『ミカエル親衛次席』の天使だった。


 「いいのです、フレリエル。」


 ミカエルは、トリロエルが行き過ぎた行動を取ることはいつものことだとわかっていたので、やれやれぐらいとしか思っていなかった。


 「A2。あなたの目的は何ですか?」

 「個人情報だよ。プライバシーを土足で踏み躙らないでくれ。」

 「はぁ…2人とも今日のところは帰りますよ。」

 「も、もういいのですか?」

 「はい…他にも仕事はありますし。」


 ミカエルは部屋の扉の前で立ち止まった。

 

 「A2。あなたの釈放は私の質問に全て答えたらということにします。では。」


 3人は部屋から出て行った。


 「ッハハハハハハハハハハ!!!」


 A2は話し相手を無くし、拘束された『不自由さ』を笑った。


 ーーーーー


 「ミカエル様…情をかけるようですが、あの悪魔の手当てはいいのですか?ミカエル様の力であの場所では治癒ができずに死んでしまうのでは?」

 「手当て?あぁ…大丈夫ですよ…


 ーーーーー


 A2は、一通り笑い終わると、流れた血はA2の元に戻り傷口を完全に癒した。


 ーーーーー


 彼は、癪に触るほどエンターテイナーですから。」


 ーー終ーー

 

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