108 交換
地獄・マザーシップ(特設フロア)
「やるな!A2。」
「いえいえ、そんなことはありませんよ。」
A2とボーパロットの衝突は拮抗していた。
「跡形もなく消してくれる!!『オブリビオン・ブラスター』!!!!!」
ボーパロットから放たれる空気、空間すら歪めるほどの魔力砲。A2は『ディクト』を取り出すと、魔力砲を跳ね返そうとした。が、火力が『ディクト』の許容範囲を大幅に超過してしまい、『ディクト』がぶっ壊れた。そして、A2は魔力砲に飲み込まれた。
「どうだ!私の力は!」
「私?サタンの力ではなくて?」
A2は無傷で立っていた。
「無事だったとは。」
「私は強いんだ。すまないね。ご期待に添えなくて。」
「構わんさ。今のは力の半分程度なのだからな!」
「ハハハハハ!」
「何がおかしい。」
「今ので半分?ハハハハ!サタンの頭部を吸収しても基礎が悪いとこうなるのか。」
「何?」
「お言葉を返すようで申し訳ないが、私は君との戦闘で3割も出す気はないよ。」
「虚勢か?」
「ミカエルとの契約でね。これ以上出すと怒られてしまうんだ。」
「貴様という男はやはり得体が知れん。なぜ、そんな契約を?」
「私だけではない。五芒星だったものは皆そういう契約になっている。」
「ほう、初めて知ったな。」
「まぁ、3割もあれば十分だがね。ハハハ!」
「まぁ、いい。その自信ごと潰してくれるわ!」
「お!」
A2はこの瞬間、何かを感じ取った。
「なんだ?」
「ハハハハ!そうか、そうだったか!」
「何をヘラヘラと!」
「すまないがバトンタッチだ。私ほどでは無いが、きっと楽しめる4人を派遣するよ。では、楽しんで。」
そう言って、A2は姿を消すと、そこに現れたのはエクサー、クー、ドラギナ、フォルテの4人だった。
「「「「!?」」」」
ここにいた誰も何が起こったのかわかっていなかった。
ーーーーー
地獄・マザーシップ(???)
「やぁやぁ、久しぶりだね。ナールガ。『サタンの右腕』は大切にしているかね?」
「やっと来たか。A2。」
「久しぶりの再会ではないか、もっと感動してほしいところだね。」
「どうやって位置を交換した?お前ならできないことはないと思っていたが。」
「特別枠で招待されているのでね。それがわかるように2人に私の魔力を少し振りかけて置いたんだ。それがなかったら交換はできなかったろうね。」
「そうか。」
ナールガは、静かに緩やかに自然に構えを取った。
「いきなりやる気ではないか!」
「お前をぶっ殺したいんでな。」
「物騒極まれり!だが、そういうのも些か嫌いではない!!」
A2も構えをとった。
「ほどほどにで戦おう。お互いミカエルに怒られてしまうからね。」
ーー終ーー
近くで隠れていたはずのバーナボーはどこへ?と言った感じですが、バーナボーは家族大好きなので颯爽とキャベラを連れて出て行きました。職務放棄ってやつですかね?