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DeViL 悪魔生転物語  作者: オクラ
 1章 『エクサーと侵入者』
11/225

 10 人間

 


 地獄・トバルカイン魔法学校


 「いふりーと…?」


 エクサーは聞いた事があるような、無いようなその言葉に首を傾げた。


 「そうです。イフリートです。」

 「って何?」

 「え〜!知らないですか?」

 「うん。」

 「エクサーは変わってるです。イフリートっていいうのは、豪炎竜と言われる火の扱いに長けた竜の種族です。今は人型ですが、いざという時には竜に変身できるです。この学校でもドラギナに勝てる者を見つける方が難しいぐらいで、詰まるところ最強ってやつです。」


 クーの褒めを加えた説明に『オレすごいだろオーラ』をドラギナは醸し出していた。


 「じゃあ、ドラギナはすごいってことだね。」

 「そうです。でも知らないなんて不思議です。地獄にいる以上はみんな知ってるんですが。」

 「あぁ、僕地獄に来たばっかりだから。」


 「「…?」」


 2人はエクサーの言葉が喉に引っかかったようで首を傾げた。


 「今なんて言ったです?」

 「え?僕ちょっと前まで人間だったんだよねぇ。」

 「えーーーーーーー!」


 衝撃も衝撃。クーの声が廊下に響き、周りが頭のおかしい子を見る目でこっちを見ていた。


 「どどどど、どう言うことです。こんなことがありえるです?」

 「い、いやあり得んだろうな。でもこいつの言ってることが本当なら、とんでもないことだぜ。」


 2人が混乱している中、エクサーはA2にあまり人間だったことは言わない方がいいと言われていることを思い出した。


 「言った手前悪いんだけど、あんまり言いふらさないでくれない?」

 「お、おう。そうだな。言わない方がいいよな。」

 「そうです。秘密にするです。」


 とりあえず、2人はこれ以上、生徒達の集まった所での深追いはやめた方がいいと直感的に感じ、この場でこれ以上の深掘りはしてこなかった。このことは3人だけの秘密ということで、この場を終わらせ、クーとドラギナの2人は混乱抜けぬ中、環境の授業を受けた。


 ーーーーー


 3人は授業を受け終わると食堂でランチタイムをスタートした。

 クーはサラダと魚のグラタンとオレンジジュース。ドラギナはハンバーガーにポテトとチェリーサイダー。エクサーはチーズサンドと謎のスムージー。

 3人は「いただきます。」の掛け声と共に食事を始めた。


 「どうです?学校は?」

 

 クーはエクサーに聞いた。

 エクサーはとりあえず口の中のチーズサンドを飲み込んでから話を始めた。


 「楽しいよ。教えてもらった方が身になる感じがするし。」

 「環境は…そんなに面白くないな。」

 「そう?結構面白い気がするけど…」

 「あんましっくりこねぇな。取る授業間違えたか。」


 ドラギナはあまり環境の授業がお気に召していないようだった。

 この学校の履修は大学のように、自分で好きな授業を履修する方式を採用している。あまりにも迷うようであれば、先生と相談して一緒にカリキュラムを選べるのだが、生徒の8割以上は自分で選択して授業に出ている。だから、ドラギナのように、思っているのと違ったり、好意的に学べないようであれば、授業に出なければいいのだ。


 「高潔なイフリートが途中放棄する気ですか?」

 「お前…するわけねぇだろ。」


 クーとドラギナはまたもや言い合いを始めそうになった。

 エクサーはここで意を決して自分から話しかけてみる事にチャレンジした。


 「2人はさ…どのぐらい魔法が使えるの?」

 「どのぐらい…指標が難しいです。なんて答えたらいいでしょうか?」

 「オレは他よりも圧倒的に使える。」


 ドラギナは自信満々に答えた。

 そんなドラギナをクーは笑った。


 「お前今笑ったか?」 

 「そんな事ないです。」

 「やっぱりさ、練習とかしてるの?」

 「練習…はしてねぇな…」

 「えっそうなの?」

 「いいですかエクサー。さっきも言ったですけどドラギナはイフリートの血統です。このイフリートの血統って言うのは、他の悪魔と比較しても魔力量が多くて魔法と魔力の操作センスがいいです。」

 「へぇ〜。じゃあ、自然とって事?」 

 「そうです。」


 地獄において、生まれや血は強くなるためには重要な要素だった。

 生まれや血は、地獄で生きる上で大切な魔力量やセンスを遺伝する。親の魔力量が多ければ、子の魔力量も多く遺伝できるのだ。


 「お前なんでそんな自分事みたいに語るんだ?オレの話でオレの入る隙がないとかあり得るのか?」

 「うるさいです。」

 「でもよ。そう言うクーこそ、大層な親を持ってるんだぜ。コイツの親はs「ストップです。」


 クーは自分のサラダから野菜を取り出して、話途中のドラギナの口に詰めた。ドラギナはとりあえず、口に入った野菜も一生懸命に咀嚼して飲み込んだ。


 「何すんだお前。」

 「乙女の個人情報流出させるとか。プライバシーの侵害です。」

 「お前がそれ言ったらお終いだろ。」

 「うるさいです。」


 クーはまたドラギナの口に野菜を詰め込んだ。2回も野菜をドラギナの口に詰めたせいで、クーのサラダはほぼ空。もはや、クーの買ったサラダはドラギナの物のようになっていた。


 「じゃあ今日はこれで帰るよ。」

 「そうか。じゃあまた明日な。」

 「また明日です。」

 

 食事を終えたエクサーは2人にそう告げた。今日の授業は最初と言う事もあり、2時間だけなのだ。クーとドラギナは授業がまだあると言うのでここでお別れする事になる。エクサーは2人に手を振って挨拶をすると、校門を目指して歩き始めた。

 帰る時にトバルカイン校長に挨拶をしようとしたが、睡眠に入ってしまったらしく会うことは叶わなかった。エクサーは仕方がないので帰る事にした。その胸の中は初日にクーとドラギナと言う友達ができた事の満足感でいっぱいだった。


 そんなエクサーの背後を1組の男女が見つめている。エクサーは見られているとはつゆ知らず、帰って行くのだった。


 ーー終ーー

 

 先日、友達と上野公園を散歩しました。どうやらキョダイマックスのゲンガーが追加され、強すぎるらしくどうしても倒したいらしかったです。雨降ってましたが、私は上野動物園に行きたい気持ちを一心に堪えて、友達のポケモンGOを眺めていました。でも楽しかったのでいいです。

 モネ展行きたかった、、、、

 

 豆知識

    この段階ではエクサーの魔力量は相当上がっています。毎日少しずつ増えています。

    前にも書いたように、エクサーは地獄の環境にいきなり投げ込まれて慣れていないので、少しずつ慣れてい   った結果、魔力がじわじわ増えるという原理です。


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