105 吸収と適応者
地獄・マザーシップ(特設フロア)
「何を言っている?」
ボーパロットの宣言にフラグセントは困惑を示した。
「言葉の通りだ。私が次の王になろうと言うのだよ!!」
「腑抜けたことを。地獄の王はサタン様唯一だ!!!!!貴様などでは…っ!?」
ボーパロットの持つサタンの頭部が紫の光を放ち始めたのだった。
「私1人で玉座に座るのではない。サタンの力を借りて、私が玉座に腰を据えるのだ!!!!」
ボーパロットはサタンの頭部を自身の胸元に押し付け、無理やり吸収を始めた。
「マズい!!」
その姿を見たフラグセントは止めに掛かった。
しかし、吸収を終えたボーパロットは凄まじい衝撃波を放ち、誰も寄せ付けない圧倒的な圧力を手に入れ、フラグセントは途中で足を止めた。
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地獄・マザーシップ(???)
「…」
クー、ドラギナ、エクサーの3人はナールガになんとか一撃決めようと奮闘していた。だが、それも虚しく軽々とナールガに交わされてしまっていた。
「クソッ…全然当たらん!」
だが、ナールガの圧倒的な威圧感と魔力に圧倒された3人はいつも通りの動きはできずにいた。
「くっ…はぁっ!!」
ナールガはドラギナの拳を掴み、引き寄せると腹に一瞬で2撃殴りを加えた。ドラギナは口から軽く血を吐き出した。
それでも諦めない猛攻。3人は少しでも攻撃が当たるように手がずを限界まで増やした。
「!」
そして、3人の攻撃は偶然にも重なる瞬間が訪れた。ナールガが3人を吹き飛ばすように発生させた衝撃波。3人が吹き飛び、体勢を戻した瞬間、3人は示し合わせたようには『ワープ』して、偶然にしてナールガの懐に入り込んだ。3人の一撃与えると言う確固たる意志が、偶然にして奇跡を呼んだのだった。
「ここ!!!」
「ここだ!!!」
「ここです!!!」
3人は一瞬で魔力を溜め、ナールガに向かって魔力を放出した。
「浅い。それでいて軽い。」
「「「!!!」」」
やったと思っていた3人だったが、巻き上がった黒煙の中から声がすると3人は冷や汗を流し驚いた。
言葉と共に3人に感じる危機感。3人はこの危機感に回避を取ろうとした。がそれもすでに遅く、ナールガは周囲を吹き飛ばす爆発を発生させ、周囲を吹き飛ばした。
回避どころか『バリア』も咄嗟すぎて間に合わない3人はこれに飲み込まれた。
「ん?」
吹き飛んだ部屋。爆発の轟音と黒煙が消え始めた頃にナールガの耳に謎の音が聞こえた。
その音はバリバリと言う音で、ナールガは音のする方を見ると、晴れていく黒煙の中から『バリア』を展開し、3人を守るフォルテの姿があった。
だが、そのフォルテの様子に変化があった。両腕が黒くなっていたのだ。
「フォルテ、それって…!」
エクサーも腕が黒くなるという現象を見たことがあった。バブルスに感染し、唯一の適応者であったリンドに発生した『黒腕』。それが今、フォルテにも起こっていたのだった。
ーー終ーー