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DeViL 悪魔生転物語  作者: オクラ
 5章 『マザーシップ』
107/208

 103 何かを求めて


 


 夕食後


 満足感に浸るエクサーとフォルテは同じ部屋でA2を待ってた。そこにA2が現れた。


 「お待たせかな?2人とも行こうか。」

 「どこ行くの?」

 「お楽しみだ。」


 3人は用意されたワープホールに入り、エクサーの見た景色は貴賓のある悪魔達がいる大きな部屋だった。


 地獄・マザーシップ(特設フロア)

 

 「何ここ?」

 「2人とも、ここにきた甲斐があった。多分ここでいいものが見せてもらえるぞ。」

 「いいもの?…もしかして!」

 「あぁ、多分『サタンの頭部』が見れるぞ。」

 「ついに!」

 「こんな大層なフロアを用意して、特別客ばかりを招集したのだ。そうだろう。」


 すると、部屋の電気が一斉に消えた。ザワザワする悪魔達。すると、ステージにスポットライトが当たると、ド派手な音楽、照明でボーパロットが姿を現した。


 「皆さん。お越しいただいて感謝いたします!!私の名は、知っているかもしれませんが今一度。第二次天魔戦争でサタンの頭部を天界より持ち帰ったアセロットの孫、ボーパロットと申します。よろしく!!!」


 ボーパロットのテンションも最高潮。自己紹介が終わると、自身の威厳を示すためにつらつらと自身の成功を語り出した。

 

 「へぇ、アセロットって悪魔の孫なんだ。」

 「あぁ。第二次天魔戦争の主力は、リーダーのオーラムサイト。副長でその妻、キャピー。そしてパザナット。最後にアセロットというわけだ。この中での帰還者はパザナットとアセロットの2人。パザナットは帰還後数日で死んでしまったから、結果的にはサタンの頭部の所有権はアセロットとなり、第二次天魔戦争の英雄と呼ばれるようになった。」

 「すごいってわけだ。」

 「うぅ〜ん。まぁそういうわけでもない。アセロット自体は別に強くはないし、どちらかというと、オラームサイトが寛容だったがために天界に連れて行って貰い、結果お残しにあやかったというのが事実だ。だから、実力というよりかは運というところだ。」

 「ふぅ〜〜ん。」


 ステージのから霧が立ち込め始めた。

 

 「落ち着いてください。変なものではないです。演出ですよ。では、ここで私の持つコレクションの紹介を。」


 ボーパロットは自身の持つコレクションの紹介を始めた。


 「ん〜ん、長い!」


 つらつらと自慢げに喋るボーパロットのコレクション紹介はエクサーにとっては退屈なものだった。


 「まぁまぁ、何かの役に立つかも聞いておいた方がいいかもしれないぞ?」

 「うん…!?」


 エクサーはいきなり何かを感じ取った。よくない事のような気もするだが気になる。感覚が何かを感じ取ってしまい、ムズムズする。エクサーは思わず集まった人混みを掻き分けどこかに行った。


 「エクサーどこに行くんだい?」

 「ちょっと…なんか。」

 「フォルテついていきなさい。」

 「わかった!!」


 エクサーとフォルテは皆がいる会場から出て行った。


 「ふぅん?」


 A2はエクサーの不思議な行動に少し気がかりな様子を浮かべたが特に気にすることもないと思い、退屈なボーパロットの話を聞くことにした。


 ーーーーー


 「エクサー。どこ行くの?」

 「なんか気になるんだ。嫌な予感もするんだけど。なんていうか…気になるんだ。」

 「そうなんだ。」


 フォルテも別にボーパロットの話を聞きたいわけではなかったので、ちょうどいいとばかりにエクサーにルンルンでついていった。


 「で?どこから感じるの?」

 「なんとなくこっち。」


 エクサーは曲がり角を曲がった。そこには男子トイレと女子トイレが。


 「エクサー、お手洗い行きたかったの?素直に言えばよかったのに。」

 「ち、違う!」

 「恥ずかしがらなくていいのに〜。」

 「本当に違うんだってば。」

 「も〜う。」


 トイレの前で騒ぐ2人。すると、女子トイレからハンカチを手で拭きながらクーが出てきた。


 「あれ?何してるです?」

 「あっ!クー。」

 「なんでトイレで騒いでるです?変態ってやつです?」

 「エクサーがなんか予感がするって言って行って、結果ここに来たってこと。」

 「運命がトイレだなんて可哀想です。」

 「たまたまだってば!」

 

 フォルテとクーはニヤニヤする。


 「お!やっぱりお前達か。声でそうだと思った。」


 男子トイレの方から聞き覚えのある声が。

 クーとエクサーの目に映ったのはドラギナだった。


 「あれ?何してるです?」

 「父さんが連れてきてくれるって言われたから来た。まさかお前達も来てたとは。」

 「あぁ〜。ラムパルダのところの息子さんだぁ。初めまして。」

 「フォルテ、ドラギナのこと知ってるの?」

 「お話はないけど、見たことは。」

 「ドラギナのお父さんラムパルドっていうです?」

 「あぁ。」

 「そうだよぉ。『環境王』とも呼ばれる偉い悪魔なの。」

 「そうなんです。」

 「お前達は何してんだ?」

 「エクサーが運命に従った結果、トイレにたどり着いたらしいです。」

 「そうか…トイレに行きたいなら素直に言えよ。」

 「違うってば!」

 「で、本当はなんなんだ?」

 「なんか予感に従ってというか。」

 「わからんが、まぁついて行くか。ボーパロット(アイツ)の話退屈だし。」


 ドラギナもボーパロットの話に退屈していたらしい。


 「じゃあ、行こう。」


 4人はエクサーを先頭に予感の正体に近づいていった。


 ーーーーー


 「この辺かな?」

 

 エクサーの感覚はとある行き止まりにたどり着いた。


 4人は何かあるかを探した。

 するとフォルテは何かに気づいた。


 「みんな!こっち来て。」

 「どうしたの?」

 「しーっ。」


 そして、フォルテは全員に『ステルス』を使い、隅に身を隠した。

 それと同時ぐらいで中央にワープホールが現れ、中からフラグセントが現れた。フラグセントはその場で身なりを整えるとどこかに歩いて行った。


 「誰です?あれ。」

 「フラグセント『サタン信教会』のトップ。」

 「サタン信教会?」

 「サタンを崇拝する悪魔のトップってこと。」

 「へぇ、そうなんです。」


 フラグセントがいなくなりワープホールだけになった部屋。フォルテは全員の『ステルス』を解除すると、一応ひそひそ声でクーと喋った。


 「ん?エクサー。」


 すると、ドラギナはエクサーがワープホールを凝視していることに気がついた。

 

 「あれだ…きっとあそこに正体がある。」


 独り言のようにそう呟いたエクサーはワープホールに向かって歩いて行き、3人も後に続いた。


 ーー終ーー


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