100 願いと信仰の結晶
「教会代表が集まっているらしい。」
「ほうほう。」
A2は興味を示した。
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マザーシップ・中央エリア(独立集会所)
固く厳重に守られたこの集会所には7人の悪魔がいた。月明かりを反射するステンドグラスの貼られた部屋は幻想で、光の反射や屈折を利用したこの部屋の照明は最低限だった。
「お久しぶりですねぇ。大罪信仰の皆様方。」
「こちらも言葉を返しますよ。サタン信会のお方。」
この場にいることを許された7人のうち6人は『大罪信仰代表』であり、残る1人は『サタン信会の代表』だった。6人と1人の空気はとても良いとは言えず、その異様なオーラから仲が良いとは言い難いことは明白だった。
『大罪信仰』
サタンが堕天する前の地獄。サタンという絶対的な王がいなかった時代を統治していたのは『大罪』と呼ばれた6体の悪魔だった。その『大罪』を信仰する悪魔達のこと。
『サタン信仰』
地獄の中で絶対の王として周知されたサタンを信仰する悪魔たち。第二次天魔戦争以降はそれ以前に比べて少し衰えを見せている。
この2つは昔から対立をしている。それを知るには歴史を知る必要がある。
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『嫉妬』のレヴィアタン
『色欲』のアスモデウス
『暴食』のベルゼブブ
『強欲』のマモン
『怠惰』のベルフェゴール
『憤怒』のベリアル
サタン堕天以前の地獄は、この6体の超強力な悪魔達によって統治されていた。だが、統治とは名ばかりで力による一方的な支配。サタンのような尊敬を伴ったものではなく一方的な支配だった。
飽いていた。強者という強者を狩り尽くした6体は退屈をしていた。そんな6体の元に一報が走る。
『ルシファーの堕天』
衝撃の衝撃。大天使の名を持つ天使サタンの堕天。前代未聞の行動を起こした。それをどうするか。その結論は早かった。6体でルシファーを倒しに行くことだった。退屈だった大罪たちは殺気立っていた。だが、ここでマモンが提案をする。
『堕天したルシファーに傲慢の名を与え、大罪として仲間として共に天界に乗り込む』
この提案に合意を見せた6体は早速ルシファーの元に急いだ。
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この提案の意をサタンに伝えた6体。サタンの目の前に立ち、全員が感じた。自分たちと肩を並べることに相応しい器であると。
だが、サタンの結論はNOだった。
この結論に6体はキレた。最強として君臨していた大罪達の上がりに上がったプライドが、仮にも地獄としては新参のサタンが断るという行動を取ったことにキレたのだった。
そして、サタンvs大罪の戦いが始まった。
だが、サタンは強かった。最初は数的有利を取っていた大罪達だったが、サタンの次第に上がる能力と適応によって、ギリギリの戦いを強いられるようになった。
結果、サタンはかなりの余力を残し大罪に勝利。
ただ、これほど強力な悪魔を殺すのも惜しいと考えたサタンは、殺す選択肢を捨て、どこかに封印をした。
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このことから『大罪教会』と『サタン信会』は仲が悪かった。
だが、どういうことがその中の悪い教会代表者が顔を並べていたのだった。
ーー終ーー
100話に到達したわけです。ありがとうございます!すごく嬉しいです。これからも頑張ります。
と、は言ったものの100話っぽくないですね。主人公であるエクサーも登場しないですしね。まさかの大罪とサタンについて。もう少し考えて書くべきでしたね。
ともかくありがとうございます!