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第1章~ネズミは誰のために動くのか~後編

危惧していたことが起きた。

最初の犠牲者が出てしまった。タブレットがバイブレーションで知らせてる。「死体が発見されました。」

黄「…緋丘さん。」

緋「来ちゃだめだ!!…来ちゃだめだ。」

銀「モモカン、モモカン!!」


小田の悲しい叫びが部屋中に響いた。


少ししてほかのみんなも集まった。


蒼「ふんっ。やっと始まったか。それに最初の犠牲者はこいつか。まぁ、なんとなくだが、そんな気がしたよ。ハハハ」

橙「お前!言っていいことと悪いことぐらいわかんないのかよ!」

緑「すいません、蒼葉君、言い過ぎですよ。」

蒼「黙れアキラ。パレットが望んだことが始まったんだぞ。この施設の本当の役割がわかるってもんだ。」

橙「テメェ、ちょっとツラ貸せや。人が死んでいいこともないだろが!!」

緑「すいません!ちょっと蒼葉君、部屋に戻ろうよ、ね」

蒼「ふんっ!」


さすがに蒼葉のデリカシーのなさにその場にいた誰もが怒りを覚えていた。

そんな俺と柳は遺体を下して、部屋の調査をした。窓は開いていたが異様に部屋が暑かった。


緋「なぁ、柳。窓が開いていて、靴跡が残っている。飾ってあった花も枯れている。」

白「遺体には刺し傷が10か所以上ある。侵入して、背後から刺したのは間違いないのかな。」

緋「窓から入ってできるのは青空さんだけ?」

白「いや、決めつけるのは早すぎる。もう少し調べてみよう。」


俺と柳、大門寺は部屋の調査を、小田と灰原は遺品を調べていた。


銀「…部屋の鍵はあった…けど、モモカンのタブレットがない…どこ?なにか手掛かりがあるはずなんだ!」


灰「彼女の部屋に衣服が置いてあって手紙が置いてあったよ。読むね。『あたしはこの環境に耐えられませんでした。7Sin'Sのみんなには謝ることしかでできません。どうか先立つあたしを許してください。  桃沢』。」


なんてことだ。殺人ではあるが本当に自分の死を懇願していたなんて。


灰「衣服も奇麗丁寧にたたまれてたよ…。」

橙「辛かったろうな。こんな施設だ。追い込まれていたってしょうがねぇよ。」

白「なぁ、緋丘。今こそ君能力の出番じゃないか?元気を出す能力。」


俺はドキッとした。まさかここで能力を使うことになるなんて!しかも嘘の能力を!


緋「あ、あぁ…待ってくれ。今使うから。」

タブレットを使ってやっている振りをする。どうかバレませんように!


白「…使ったのか?」

緋「あぁ、どうだ?」

橙「わかんねぇけど元気が出た気がするぞー!!」


大門寺がこういった性格で助かった。


白「そうかい、なんとなくでも気分が楽なるんだったらよかったよ。」

緋「よかったよ。…はは」


柳はそういいながらも疑いの目を俺に向けていた。あたりまえだ。これが終わったら正直言うか。いや、俺の命がかかっているんだ。いえるわけない。柳はすごくいい奴だ。心苦しいが、騙すことはしょうがない。そう自分に言い聞かせた。


緋「なぁ、柳。ここおかしいと思わないか?」

白「…どこがだい?」

緋「遺体は宙に吊らされてたのに床は血がついてないんだ。」

白「確かにね…。一度カーペットをずらしてみようか。」


カーペットをずらすと血痕どころか、奇麗なままだった。


白「…さすがだよ。君が見つけられなかったらおそらく別の犯人が挙がっていた。」

緋「犯行現場が違うってことは青空さん、小金井、大門寺の3人がアリバイがなかったけど、アリバイが崩せる人が出るってことか?」

白「そうだね、一度タブレット情報も見てみよう」


遺体:桃沢栞奈

死体発見者:柳 白斗、緋丘 奏

死因:刃物による刺殺

死亡推定時刻:17:30


待ってくれ。死亡推定時刻が17時半?そうなるとそこから元々3人以外だと、小田と灰原…そして俺も該当する。俺は証明できる人がいない。アリバイがあるのは18時以降だ。どう証明する?


白「緋丘、正直に言ってくれ。君は本当に自分の部屋で寝ていたんだよな?」

緋「あぁ!そうだ!信じてくれ!」

白「わかった。ちょっと来てくれ。」


柳に言われて彼の部屋に案内された。


緋「どうしたんだよ、一体。」

白「正直に答えてくれ、お前の能力は何なんだ?」

緋「いや…情熱の赤…」

白「嘘だろ。僕の目を見て言ってくれ。情熱の赤だと」


やっぱりこいつにはバレていたんだな。この事件が終わった時俺も一緒に死ぬんだ。バレてしまったことはしょうがない。最後くらいちゃんとした人間でいよう。


緋「…お前の言うとおりだよ。柳。俺の能力は情熱の赤じゃない。本当は緋色の嘘。能力は…」


そういって俺はタブレットを柳に見せた。


白「…そういうことか。すまない。本当は君が能力を使って殺害したんじゃないかって思ったんだ。」

緋「別にいいって。でもこの事件が終わったら俺は多分死ぬけどな。」

白「これを知っているのはほかにいるのか?」

緋「お前だけだよ。嘘の能力がバレているんだったらとっくに死んでる。」

白「なぁ、この能力、”コピー”させてくれないか?」


?って思った。もう直に死ぬ能力をコピーする?なんでなんだ?


白「嘘は嘘でしか覆せない。僕がこの能力になれば嘘に対して嘘がつける。つまり”噓がばれたことに対して嘘がつける”ってことにならないか?」


何を言っているのかわからないが、そうすれば俺は死なずに済むのか?でも確証もないしな。死ぬのならいっそちゃんと犯人を見つけてから死にたい。


緋「わかった。コピーしてくれ」

白「複製の白(コピー・ホワイト)発動、緋丘の能力は情熱の赤!」


成功したのか?成功してあってくれ。今はただ願うしかなかった。


ハクト「これで君と僕は一蓮托生だ。お互いに背中を預けられるんじゃないか?」

カナデ「確かにな。複雑ではあるけど、死なないことを祈っているよ。それにもう一蓮托生の中なんだ。俺のことはカナデと呼んでくれ。俺もハクトって呼ぶから。」


こんな状況ではあるが、本当の意味で信頼できる奴ができた。あとは犯人を特定することと死なないこと。これらをどうやって解決するか…


カナデ「他にアリバイが判っていないのは‽」

ハクト「大空さんと小金井君だね。」

カナデ「小田と灰原はずっと一緒にいたのか?」

ハクト「みんなと別れた後、小田君は一回自室に戻っていて、灰原君は桃沢さんを部屋に送ってから自室に戻ったそうだよ。」


いつの間に聞いたんだ?と疑問と頼りになるなと感じながら今の状況を再整理した。


カナデ「あとの二人は?」

ハクト「今から聞きに行くよ。」


そう話すとハクトはズンズンと歩いていった。…やっぱり手馴れてる?と思いながらハクトについていった。


2人で青空と小金井の話を聞いた。

青空はみんなと別れた後すぐにトレーニング室にいって犯行時間前には大浴場にいたらしい。

小金井も一度自室に戻ってから大浴場に行っていたらしい。何なら青空が行くところを見ていたらしく、時間も青空が話していた時間帯と差異はなかった。


カナデ「俺も含め犯行時刻に殺害できたやつはいないってことはあるのか?」

ハクト「絶対ないね。もう一度桃沢さんの部屋を見てみようか。」


桃沢の部屋前~


扉は俺らが壊したまんまの状態で残っていた。


カナデ「一度確認はしたが、新しく証拠なんて出るものなのか?」

ハクト「小田君が言っていたけどまだ彼女のタブレットが発見できてないみたいだ。もし見つけることができたなら犯人に繋がる証拠になるかもしれない。」


桃沢にすまないと思いながら彼女の部屋をもう一度探索した。

恐らく彼女はシャワー室を使っていたのだろう、シャワー室の周りが水浸しになっていた。


ハクト「カナデ、見てくれ。」

そういうとハクトはシャワー室の隅を指さした。あれは返り血か?


カナデ「犯行現場はココなのか?犯人はどうやって入って殺害し、窓から出たんだ?」

ハクト「窓から出たわけではないけど、一度壊した扉も見てみよう。床に何か落ちているはずだ。」


壊した扉も一度戻して犯行の前の状態に戻そうとしたときに扉にガムテープの塊?が貼りついていた。

巻かれたガムテープをほどいていくと中にタブレットが出てきた。

所持者は…桃沢栞奈。彼女のものだった。なんでこんなところに?と思いながら二人でタブレットを開いた。そこには録音データが入っていてそれ以外はすべて消されていた。

俺はハクトと目を合わせてその録音を聞いた。「キャー」と女性の声が流れただけのもの。

この声って…。

それと同時に奥のスピーカーも電源が入り、「キャー」の音声が大音量で流れた。

周りで犯人の証拠を整理していた人たちが「何の音だ?」と集まってきた。


俺とハクトは互いに犯人がどうやって殺害したかを話し合った。どうやら同じことを考えていたらしい。

そのあとハクトはパレットに電話をした。「犯人がわかりました。」と言って。


パ「どうやら犯人がわかったようだから、一回ちゃんとした場所で裁判を行おうと思うよ~☆」


そういってパレットは全員を招集し最初に集まった会場を改造し、巨大な裁判室へと変えたのだった。


パ「ここは公平に裁判を行う『白紙の裁判(キャンバスジャッジ)』。犯人がだれなのかをみんなで当ててもらう場所だよ~☆」


蒼「で、犯人が分かったといったな柳。誰なんだ?」

橙「どうせお前だろ!人の死に対して喜んでいるような奴が」

蒼「なんだと…キサマ、誰に向かって口答えをしているんだ!」

緑「二人とも落ち着いてください!話が進みませんよ?」

白「じゃぁ、始めるけど。今回殺害された桃沢さんの死因は刺殺によるものだった。」

金「そうだね、タブレットにも書いてあったし、間違いないと思う。」

茶「でも死亡推定時刻が17:30でしょ?この時犯行ができた人って限られてくると思うんだけど。」

灰「そうだね、僕と緋丘君、小田君、小金井君、青空さんに大門寺君だね。」

蒼「お前が殺したんじゃないか?大門寺。アリバイの証明ができてないのだろう?」

橙「おう、表出ろや、お前!」

緑「落ち着てください!二人とも!」

紫「…死体発見の時に緋丘さんと小田さんが近くにいたのでしょう?ならどちらかが犯人なのではないのですか?」

黒「まぁ、そう焦らんと。おいどんたちは真実を策る必要があるでごわす。」

白「まず、はじめにこの死亡推定時刻から間違っていたんだよ。」


全員が「は?」って顔になった当然だ。


蒼「柳、お前はバカのか?時間がかかれていたのに間違いなんてあり得るのか?」

白「あり得るよ。その説明をさせてもらうよ。

まず、今回は密室に近いものだった。扉の鍵がかけられていたが、窓は開いている状態だった。そして部屋の温度が30度を超えていた。」

緑「部屋の温度が30度?確かに暑いなとは思いましたが…それが何なんですか?」

白「死亡推定時刻のごまかしだよ。死体になってからだいぶ時間がかかるように見せかけるためにね。」

緋「そして犯人は殺害場所もごまかしていたんだよ。」

橙「そうなのか?殺害場所はリビングじゃないのか?」

緋「それこそ犯人が犯したミスでもあるんだよ。これを見てくれ」


そうして俺ははじめ遺体が吊るされてた状態の写真を見せた。


緋「さっきハクトが言ったように刺殺によるものだと判明した。巻いてあるバスタオルも血で染まっているのに、床には血の一滴も落ちていないんだ!」

白「つまり犯行場所はリビングじゃないってことだね」

茶「んじゃぁどこでやられたんだよ。」

緋「殺害場所は桃沢のシャワー室だよ」


みんなの顔がこっちに集中した。


灰「待ってください。バスタオルを巻いていたからと言ってシャワー室での殺害はないのではないでしょうか」

緋「灰原、遺品整理をしていた時彼女の着ていた服は刺し傷はあったのか?」

灰「いや、なかったけど…」

緋「つまり彼女は裸の状態で殺害されたんだ」

金「待ってくれ、窓も開いていたこともあって、犯人は青空さんになるってことか?あり得ないだろう!俺が大浴場に向かっている青空を見てるんだ!」


青空「まってよ私じゃないって!確かに大浴場にはいったけど殺人は無理だよ!」

灰「アリバイのない君しかできないことだろう!シラを切るな!彼女の部屋で窓が開いていて、靴の後もあった。もう確定じゃないか!」

青空「本当に私じゃない!ねぇ誰か信じてよ!」

緋「犯人は青空さんじゃないよ。」

白「むしろ見せかけるために使われた被害者だ。」

緋「もう演技しなくてもいいんだぜ」


緋・白「灰原 涼太!!」


全員が灰原に向かって視線を変えた。


灰「な、なにを、、言っているんだい?君たちは…

 …ふざけんな!ふざけんじゃねーよ!!なんで俺になるんだ!」

黄「二人はちゃんと理由があるんですよね…?」

緋「あぁ!まず、今回は能力を使った殺人だ。ワープを使った殺人だ。

 まず桃沢さんはシャワー室で彼に殺された。」

白「おそらくは彼女を部屋に送った時にワープ先に追加されたんじゃないかな?

  一度部屋に戻って凶器を取りに行ってそのまま彼女の部屋にワープしたんだよ。」

灰「言いがかりはよしてくれ!確かに彼女を部屋まで送ったが、犯行動機はなんだよ!?」

白「これも予測にはなるけど、パレットが持ってきた()()()()じゃないのか  な?」

灰「っ?!だ、だったらこの場にいるみんなが動機持っているだろうがよ!」

緋「確かにね、でも今回の殺人は君にしかできないものなんだ。順に説明をするよ。」

蒼「探偵ごっこをやってた成果ってやつか?見せてもらおうじゃないか」


緋「まず、ハクトが言ったように灰原は桃沢を部屋まで送った後に自室に凶器を持ってワープで彼女の部屋に侵入したんだ。侵入したとき、桃沢はちょうどシャワーを浴びていたため、犯人にはちょうど良かった状況。そのままシャワー室で桃沢を殺害したんだ。」


灰「でたらめだ!だったら桃沢さんの部屋の窓にあった靴跡は何なんだ?説明しろよ!」

緋「あの靴跡は君の靴のものじゃないかな?犯人が窓から出たように見せるためにね。靴跡ももし、青空のものだったら大きすぎるし、仮に窓から出入りしていたのなら、靴跡が2つないとおかしいからね。」


蒼「…面白い推理になったきたじゃないか。さぁ灰原。お前はどうやって反論するんだ?」

橙「なんでお前がノリノリになっているんだよ!…でも確かにな。灰原が犯人じゃないっていうなら灰原も証拠を出さないとな。」


灰「俺は小田とずっといただろう!犯行時間の時にも小田と一緒だ!俺が犯行可能なら小田にも犯行が可能だ!」

銀「お、、おれ?!なんでそうなるんだお!おかしいお!」

紫「…確かに。小田さんは彼女の部屋にずっといたと聞きましたから。犯行は可能ですね。」

黒「でも扉は閉まっておったのだろう?鍵を持っていたならわかるが、ドアの開閉はタブレットでできるでごわす。小田殿には犯行は不可能でごわす。」

白「黒城君の言う通りだね。部屋の開閉がタブレットのみでできる関係上小田君は犯人から除外されてる。」

緋「そうなると俺と小金井、大門寺も犯人から除外される。青空には犯行ができない。消去法でも君が犯人だって証明できるんだよ。」


蒼「俳優の演技力で何とかしのげるのか?どうやってこの場をしのぐんだ?」

茶「ていうか、もう灰原しかできないじゃないの~?」

金「…もう観念しろって」


灰「…俺を処刑してもいいのか?もし犯人が違ったらこの場で全員処刑されるんだぞ?いいのか?!」


その場の全員が沈黙した。あたりまえだ。死ぬかもしれないと立たされたら誰も犯人を指名できなくなってしまう。…俺らを除いて。


白「僕は構わないけどね。死ぬのは嫌だけど、犯人を野放しにはできない。」

緋「俺もだ。死ぬのは怖いけど、こんな施設に入っている以上、もし死ぬなら、ちゃんと人として最後を迎えたい。」


しばらく沈黙が続いたが、それを破ったやつがいた。


黒「ならば、おいどんも一緒にお供するでごわす。」


そこから次々と声があがった。

紫「…本当は嫌ですけど、どうせ出られないのなら。」

青空「わたしも!死にたくないけど、自分らしく生きたい!」


灰「お前ら正気か?間違えたら死ぬんだぞ?それでもいいのかよ?」

蒼「人殺しにそれを言われたらおしまいだな。」


パ「では、みんなはテーブルにあるスイッチでだれに投票するか決めてね~☆」


全員がスイッチを押し終わった。大きな画面に満場一致で灰原の名前が挙がった。


『ハイバラクンガハンニンニキマリマシタ。タダイマヨリショケイヲカイシシマス。』


処刑内容

~大勢のファンに囲まれて『肢合わせ』だ~


照明の下に手足を拘束された灰原が映し出された。四方の鉄のドアから女性のロボットが沢山出てきた。

灰原が動けないことをいいことに手足を握っては引っ張り合っている。


叫ぶ灰原。悲鳴が響いてもこちらからは何もできず、ただ見ることしかできない。


四肢をつかむ女性ロボが一人から二人、三人に増えて『ブチっ』と鈍い音と同時に血が噴水のように吹き上げた。


慌てる女性ロボットは代わりに自分のパーツを今度は灰原に無理やり四肢に刺した。

これで良しと言わんばかりに満足する女性ロボットは入ってきた扉に帰っていった。


四肢に女性ロボットの腕やら足が刺さった灰原は白目をむいて、目から血を流しながら死んでいた。



陽気なファンファーレが流れると同時にパレットが口を開く


パ「パンパカパーン!おめでとう!無事犯人が特定できたね~☆そう!犯人は『灰原 涼太』でした~☆ぱちぱち~☆」


続けてパレットは言う


パ「犯行動機は確かに僕の送った箱の中身でした~。あと、桃沢ちゃんの遺書はもともと灰原君が偽装したものなのでした~☆始めは自殺に見せかけたようだけど、よほど怨みがあったみたいだね~☆一度刺しただけじゃ飽き足らず、たくさんの刺し傷を作って自殺に見せることができなくなっちゃたんだね~☆」


人が死んだのに淡々と話すパレットに大門寺君がキレた。


橙「テメェ、いい加減にしろよ!人がまた死んだんだぞ!しかもテメェのせいで!」

パ「…いいのか~い?大門寺君。僕に逆らったら問答無用で処刑だよ~?☆」

橙「…チッ!」

パ「それに~最終的には君たちがジャッジして灰原君を処刑したんじゃないか~?自分の身の安全のためにね☆」


その場にいた誰も反論できなかった。桃沢を殺した灰原は確かに悪いが、ルールとはいえ灰原を指名してジャッジしたのは間違いなく俺らだ。


パ「理解したか~い?んじゃ、これでかいさ~ん☆」


~事件後 灰原の部屋にて~


カナデ「ハクト、ここにいたんだな。お互い死ななくてよかったよ。」


俺とハクトは事件後死ぬ覚悟だったが、あれから2日たったが、死んでない。


ハクト「カナデ、灰原君の箱の内容が気になってね。」


そういってハクトは灰原の部屋に置いてあった箱を漁り、2枚のDVDを見つけた。

そしてそのままDVDの内容を二人で見た。


?「…涼太。もしあなたがこのメッセージを見てくれているのなら、私のことがわかるわよね。

私『灰原 凛華(ハイバラ リンカ)は7Sin'Sからセンターの座を落とされました。桃沢栞奈は許せない。

マネージャーも周りのスタッフも誰も私のおかげでここまで知名度を上げてこれたのに、みんな手のひらをかえて裏切った!…私は殺された。この施設じゃなく、周りのスタッフに!マネージャーに!そして桃沢栞奈に!!だからもし、彼女と一緒にこの施設に入ったなら、私の代わりに彼女を殺して。」


DVDはこれで終わった。これが灰原の動機か?

もう一枚は俺の時と同じく、ただノイズが流れるだけの中身だった。


銀「二人とも何をしてるの?」

カナデ「小田か、びっくりした。いま、灰原の遺品の中にDVDがあったから二人で見ていたんだ。」

銀「お、、俺も見ていいかな?」


小田にもDVDを見せた。だが小田がちょっとした疑問を言った。


銀「口の動きとセリフがあってない。このDVD編集がされてる。」


?!俺らはもう一度そのDVDを見た。…確かに小田の言う通り口が閉じていてもセリフが流れている。

パレットが仕掛けた罠だってことがわかったことと、小田のすごい技術に驚いた。


パ「あ~ぁ、バレちゃってたか~☆小田君、君の技術を甘く見ていたヨ☆ま、灰原君のDVDの謎に気づいた君たちに加工前のDVDを差し上げようじゃないか☆」


そういってパレットはDVDを渡して消えた。今回の事件はパレットの手のひらで踊らされたことを実感した。


ハクト「…とりあえず、もらったDVD見ようか。」


そういってDVDの映像を三人で見た。


凛華「…この映像が私の弟、灰原涼太に届くことを祈っています。涼太、ごめんね。急に連絡もなしに消えてしまって。7Sin'Sを捨てても私はあなたを守るためにこの施設のデスゲームに参加した。この施設の*******は昔の私たちを知っていた。*******は参加しないとあなたを殺すと脅してきた。本当に私がばかだった。7Sin'Sは私の代わりに『桃沢栞奈ちゃん』にセンターをお願いしたの。覚えてる?栞奈ちゃん、久しぶりに会ってびっくりしちゃった。まだあなたのことが好きだって言ってうれしかった。あの子になら私の7Sin'Sを任せられる。…まるで死ぬみたいに聞こえちゃうね。だから二人で支えあって生きてほしいな」


DVDはここで終わった。

まさかのカミングアウトで驚いた。

灰原の姉が7Sin'Sの元センター?桃沢と灰原は知り合いだった?でも初めて顔合わせしたときにお互いに初めましてだったようにも見えたが…。おそらく人の名前を言っていたのだろうか、ノイズで聞き取れなかった。


銀「モモカンの前にセンターがいたのか?お、、俺知らなかったお…。」


7Sin'Sのファンの小田が言うには7Sin'Sは元々のセンターは桃沢だったと。グループもできてから数か月も経ってないということ。…意味が分かんない。


ハクト「とりあえず、部屋に戻ろうか。いろいろありすぎた。」


そういって謎を残したまま、その場を解散した。

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