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第1章~ネズミは誰のために動くのか~中編

?「緋丘君は朝に弱いんだねぇ~☆」


変な声で目が覚めた。目の前にはぼやけてあまり見えないが、多分パレットが目の前にいた。


パ「君以外もう食堂に集まっているよ~☆早く支度して食堂にきてね☆」


そんなことを言ってパレットは消えた。部屋にかかっている時計を見た。8時30分。

急いで支度をした。当然食堂についた時には蒼葉君から説教から始まった。


蒼「お前はこんな時に寝坊とは。ふざけているのか?」

緋「ご、ごめん」

蒼「まぁいい。所詮は殺し合いの場だ。こんなこと言ってもしょうがないからな。」

緑「ちょっと、蒼葉君、言い過ぎだよ…」

蒼「うるさいぞ、アキラ。黙って俺にしたがっとけ。」

緑「わかったよ…」


俺のせいでもあるけど嫌な空気に変わったしまった。そんな空気の中、緊張感のない声が急に聞こえた。


パ「みんな集まったかな~☆じゃあ、みんなに渡すものがあるから自分の名前の書いてある箱を自室まで運んで、開けて整理してくれたまえ。整理が終わったら食堂へ集まってくれ。」


パレットはそういうと姿を消した。神出鬼没すぎだろ。そんなことを考えながら自分の名前がついた箱を自室まで運んだ。箱はみんな大きさが違った。蒼葉君のだけは特段大きかったが、そもそも部屋に持っていけるのか?


自分の部屋について箱を開けた。これはDVDデッキとヘッドホン?2枚のDVDがあって、タイトルが「To You」ともう一枚はタイトルが塗りつぶされている。

とりあえず「To You」を見ることにした。


「”ザァー、お、ついたぞ!よぅ、奏!」

テレビに映ったのは俺の友人たちだ。夏休みに会う約束していたけど結局会えなかった奴らだ。

「今日も暑いよな~。就職活動順調か?あのクソ教師ほんと何考えているんだかな。長袖長ズボンなんてありえねぇよな!」

2,3日しかあってないはずなのになんか久しぶりに感じた。でも同時に違和感も感じた。

「なぁ、奏。俺ぁ、お前がいなくなって人生に希望が持てなくなったんだよ…」


…は?何を言っているんだコイツは。こんなことを言うはずない奴なのに。

そう思った瞬間テレビに映った友人の手足がバラバラになってしゃべり始めた。


「なぁ、助けてくれよ、奏。俺の手足、つながってないんだ。痛いんだ。つらいんだ。なぁ、奏。かなでカナでカナデかなでかなでかなでかなでああえ」


そういって映像が終わった。すぐにトイレに駆け込んだ。胃液しか出ない。それでも落ち着くまで吐き続けた。


パレットはこの映像を見せることで人殺しの動機づくりをしてくるのか。胸糞悪すぎだろ。

…気分は乗らないが、もう一枚を見ることにした。


「ザァー…」ノイズが流れるだけで、デッキからDVDが出てきた。

とりあえず箱の中身はもうない。来るかわからないが、食堂へ行くことにした。


黄「…あ、緋丘さん。来たんですね。」

緋「月兎さん。…嫌なものを見たんですか?」

黄「…はい、緋丘さんもですか?」

緋「…うん。」

白「二人とも来ていたんだ」

黄「柳さん。柳さんもいやなものを?」

白「ん~、まぁそんなところかな。でもパレットの思惑って考えたら本当のことか疑わしいって思ってね。」

緋「強いんだな、心が。」

白「薄情ともいえるけどね。」


そんな会話をしていたら他のみんなも集まってきた。


パ「僕からの贈り物、どうだったかな?」

蒼「ふざけるのも大概にしろよ!人をおちょくったみたいに煽りやがって!」

橙「そうだな。やるにしても人として最低だ」

黒「いかにも」

金「ありえないね」

パ「ありゃりゃ~、あまりお気に召さなかったみたいだね☆」

青空「あんなもの嘘に決まっているじゃない!」

桃「そうよ!あたしのグループが終わりって信じられない!」

銀「そ、そうだお!ふ、ふざけんじゃ、な、ないお」

パ「まぁ、そう思うならそうすればいいさ☆じゃぁ、僕は忙しいからなんかあったらそのタブレットで呼んでよ。んじゃぁ~ね~☆」


…とりあえず解散になった。各々部屋に戻ったり、気分を紛らわすためにどこかへ行ったりした。俺は月兎さんと柳と一緒に食堂で話し合っていた。


緋「パレットの言っていたことどう思う?」

黄「わかんないです。でもこんなに手が込んでいる映像なんてそう簡単に全員分できるのでしょうか?」

白「みんなは映像だったのかい?僕は手紙だったよ。」

緋「人によって送られたものが違うのか。そうなると様々な手を使って殺し合いをさせようとしているんだな」

白「僕は殺し合いなんてさせたくない。設立者を特定するほうが確実だと考えてる。」

黄「私もそう思います。でも、手掛かりはないってパレットが言ってましたから…」

緋「俺もだ。でも証拠がなくても特定は可能なものなのか?」

白「さすがに情報がなさすぎる。…時間もちょうど12時だ。何か食べるかい?」

緋「さすがに食欲わかないかな…」

黄「私も…」

白「そうだったね。君たちはつらいものを見たばっかりだったね。配慮に欠けてごめん。」

緋「気にすんなって。とりあえず自室に戻るわ」

黄「私も」

白「んじゃぁ。またね」


自室に戻り、とりあえずベッドで寝た。悔しいが元々住んでた家のベッドより寝心地がよくてあっさりと眠りについた。


~18:00~

コンコンッ

ドアをノックする音で目が覚めた。

白「緋丘君、起きてるかい?」

緋「…今起きた」

白「もしよかったら夕飯どう?月兎さんも誘ったんだ。」

緋「…行くから待っててくれ」


すぐ支度をして柳と一緒に食堂についた。月兎さんが先に待っていた。

白「お待たせ。待ったかい?」

黄「大丈夫です。何食べますか?」

緋「軽い奴ないかな」

白「ジャイアントハンバーガースペシャルセットだって!これ食べようよ!」


それを聞いて2人黙ったのは言うまでもない。


結局俺はサンドイッチセット、月兎さんはパンケーキとコーヒー。そして柳はジャイアントハンバーガースペシャルセットを頼んだ。体格はかなり華奢なのにどこにそんな量が入るのか。コレガワカラナイ。


~18:25~<食堂>

まさか食べきるとは…若干引きながらではあるがそれぞれ間食した。サンドイッチは卵サンドが絶品だった。


白「食べたねぇ~。」

黄「パンケーキもふわふわでおいしかった。」

白「食後に運動でもする?」

緋「満喫してんな~」

黄「そしたら遊戯施設に行きませんか?クレーンゲームのぬいぐるみが可愛くて気になっていたんです」

緋「じゃぁ、行こうか。久しぶりにゲームやりたいしな。」


三人で遊戯施設へ向かった。柳から「君、クレーンゲームは得意かい?実はあまりやったことがなくてね。」なんて言われた。しょうがない、俺の実力見せてやりますか。なんて言って調子に乗る俺なのでした。


~18:30~<遊戯施設>

…まさか柳がここまでひどいとは思わなかった。クレーンのアームがぬいぐるみに当たることすらなくㇲっとアームが上がっていく。俺がアドバイスをしても本人はなぜ?と首を傾げており、月兎さんはそれを見ていて笑っている。俺も含め、なんやかんや楽しい時間ができてよかったと思っている。ちなみに俺がやったらぬいぐるみは一発で取れてそのまま月兎さんにあげた。

白「緋丘君、君にこんな才能があったなんて」

緋「お前がひどすぎるだけだ。」

黄「緋丘さん、ありがとうございます!」


他のゲームも3人で楽しんでいると、後ろから「おーい!」と声がした。振り向くと灰原と小田がいた。

灰「すいませーん、桃沢さん、見てませんか?」

緋「いや、俺とここにいる柳と月兎さんも見てないよ。なんかあったの?」

銀「も、モモカン、18時頃から見当たらないんだお。」

白「その時間だったら僕たちは食堂にいたね。ほかの施設に行ったんじゃないかな?」

灰「蒼葉くん達は17時半頃から図書室にいたみたいで、見てないって。黒城くん達はトレーニング室に16時からずっといるみたいで見たかどうか分からないみたいで。青空さんと小金井さん、大門寺さんたちをまだ見ていなくって。」

白「わかった。もし見かけたら連絡するよ。タブレットには連絡付いたのかい?」

灰「連絡もついてなくて。僕も小田君も7Sin'Sのファンだから、この機に仲良くなりたいと思ってね。」


少し心配だな、あんなことがあったばかりだ。もしかしたら誰かに襲われている可能性が高い。

灰原と小田はもう少し探してみると言ってその場から離れた。…とりあえず、時間も20時を回っていた。


緋「一度自室に戻る?時間もそろそろいい感じだし。」

黄「そうですね。ただ、桃沢さん、ちゃんと見つかるといいですけど…」

白「じゃぁ、みんなで一緒に戻ろうか。一人で帰って襲われたりしたら嫌だからね。」


それぞれ自室に戻るとき、小田が桃沢さんの部屋の前に座り込んでいた。


白「小田君?どうしたんだい?桃沢さんの部屋前で。」

銀「も、モモカンはぼ、僕がま、ま、守るんだな。能力もいつでも発動できるようにしているからな!

お、お前らがモモカンをお、襲うことはこのぼ、僕がゆ、許さないんだな!」

緋「落ち着けって。俺らは今から自室に戻る所なんだから」


興奮した小田を落ち着かせていたとき、「キャー!!」と目の前の扉から聞こえた。

桃沢さんの部屋からだ。


銀「モモカン?モモカン!開けて!開けてよぉ!!」

白「緋丘!」

緋「あぁ!どいて、小田!」


柳と俺で桃沢さんの部屋の扉を壊した。なんか固い奴を踏んだと思ったが、気にせず部屋の明かりをつけた。

そこには宙吊りにされ、血まみれのバスタオルを巻いた桃沢さんの最後の姿がそこにあった。

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