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第7話 Hope is good

今日も今日とて相も変わらず雑談を繰り広げる三人、期末テストが近づいているみたいで…

「希望はいいものだ。多分それは最高なもので、えてして最高なものというのは失われないものだ。」


「何故、僕に向かって言うのだ相ノ木?」


対面の学力音痴が目力のある視線を向けてくる。


「いや、明日からテスト期間なのに随分呑気に読書をしているな…と思ってな。」


もうじき期末テストだ。映画研究会は今日も特にやることがないので俺と陸は机にノートを広げてテストの範囲の予習に励んでいる。


「ふっ…知らないのか相ノ木?読書は頭をよくするんだぞ?」


「知らないのか紫音?穴の空いたバケツに水を注いでも意味はないんだぞ?」


「貴様ッッ!」


「まあまあ!相ノ木も紫音をからかわないの!」


いつも通り紫音をいじって遊んでいたら陸に怒られた。ちょっと凹む、だが学校のアイドルに怒られるのは悪くない。


「でも、紫音もちゃんとテストの範囲の勉強はした方がいいと思うよ…ほら紫音ってその、、」


「アホだからな。」


「そ、そんなこと言ってないよ!でも…そ、そう!赤点だと補講で部活に来れなくなるし!」


おや?じゃあ紫音が赤点だと部室に俺と陸の二人だけに…!密室に男子二人きり…なにも起きないハズもなく!?


「よし、紫音!読書はいいことだ!続けたまえ!」


「急にどうしたのだ相ノ木…急性の精神疾患か?」


こいつを補講送りにできるのなら俺はなんと呼ばれようと構わないッ、そうだなるべく赤点の可能性をあげるために読書もやめさせよう!


「ところで紫音、おまえどんな本を読んで…」


ふと、紫音が読んでいる本に目をやると。

"カリスマオーラを身につける87の習慣"と書いてあった…習慣多すぎるだろ!まあこの本を読破しても学力は上がりそうにないのでスルーを決め込もう。


「なあ紫音、これは本当に疑問なんだが…おまえどうやってこの高校に受かったんだ?」


俺達が通っている御机高校はトップオブトップではないにしろ中々の偏差値を誇る進学校だ。紫音のようなポンコツがいるなんて裏口入学しか考えられない。


「あぁ…僕はスポーツ推薦だったんだ。」


「ええ!紫音すごいじゃん!この学校のスポーツ推薦なんて普通に合格するよりも難しいって聞くよ!?」


陸が大きい目を丸くさせている。確かうちのバスケ部は全国的にも強豪でスカウトも積極的にやっているらしい。やたら体格がいいと思っていたがそういうことだったのか。


「まあ運動神経だけはいいもんな。」


なんでこいつが映研になんて所属しているのかは分からないが何か理由があるのだろう。気を遣うわけではないがこいつから話したくなるまではそっとしておくことに決めた。陸もそこらへんを察したらしく。


「すごいなあ、僕は二人ほど背丈がないから羨ましいよ。」


微妙に会話を身長の話にシフトさせた。気遣いの出来る子だ。かわいい。


「陸もそんなに低いってわけじゃないだろう?」


「167cmだね。あと3cmは欲しかったな~二人は何cmくらいあるの?」


「ん、俺は177cmだな紫音は190くらいか?」


「187cmだ。」


「それでもデケぇな。」


「あはは!みんな丁度10cmづつ違うんだね!」


端からみたら綺麗な階段状になっていることだろう。


「ねー紫音、何を食べたらそんなに身長伸びるの?」


「ふむ、僕の場合は親からして高身長だからな…ありきたりだが遺伝だろうな。」


「そうだぞ陸、努力ではどうしようもならないこともあるんだ!そのままの陸でいてくれ!」


個人的な好みだが陸は今の身長で完璧な統制が保たれているから伸びないで欲しい!いや、陸が紫音みたいな身長になってもそれはそれで姉さん女房ぽくていいかもしれない!


「ふーんだ、僕は諦めないからね!だって希望はいいもなんでしょ?」



               つづく

中間テストの順位と得意科目

相ノ木「2位だったぞ、別にみっちゃん先輩みたいに全国模試で上位ってレベルではないけどな。あと数学が得意だな。」

陸「相ノ木は頭いいよね!僕は25位だったよ、期末テストではもう少し上を目指したいな!得意科目は現国かな!」

紫音「320位、得意科目は体育だ。」

相ノ木「あれ、1年生の人数って…」

紫音「みなまでいうな…」

みっちゃん「私は1年生の頃からずっと1位だぞ!崇め奉れ!」

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