表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
嘘→死~ウソミギシ~  作者: 天かす入りおうどん
第1章 なんてことないデスゲーム
5/48

第5話 ナンパ歴1年目

第5話 デート?


伸一は覚悟を決め自らが美羽の元へ向かうことを提案した。

神田と謝恩が美羽との接触に失敗した時点で接触での攻略は伸一でしかもうなかった。


「分かり...ました...。本当に大丈夫ですか...?」


神田の心配も気にせず伸一は張った胸をどんと叩いた。


「任せてください!」


その言葉に反応するように神田も手を挙げた。


「じゃあ私思いついた作戦があるですけど...」



-20分後


「わぁ〜!広〜い!!」


伸一たち3人はこの辺りで有名なデパート"koli"へやって来ていた。


「ねぇねぇ!どこ行くの!?何買うの!?」

「どうしようかな〜」


はしゃぐ謝恩を軽くあしらいながら3人はkoliの中にある服屋"minam"へ到着した。


「ここ、私のお気に入りのブランドなんです!ここで全身1式揃えましょ!!」


神田と伸一は謝恩を間に挟んで手を繋ぎ、中に入っていった。


店内は明るく、レンガのような壁紙が貼ってある。

服はメンズ、レディース共に同じくらいありメンズの方は伸一が 普段は絶対着ないであろう鮮やかな色の物が多くあった。

さらにアクセサリーなどの小物まで充実している。


伸一はこれが流行りなのか。と感嘆の意を零しつつ、数十分間服選びを楽しんだ。

時には謝恩がめちゃくちゃ色の入ったサングラスをかけオラついた格好をしたり、急に神田の一人試着会が始まったりと今の過酷な状況を忘れる程だった。


「ありがとうございましたー」


3人は、女の店員さんに見送られminamを去った。

その後軽く食事をとり、食料品を購入し、koliを出た。


-伸一の家


家に戻って来た3人は疲れに負け床に転がり込んだ。


「ちょー楽しかった!!!」

「私もめちゃくちゃ楽しかったです!!」


伸一も口には出さなかったが今までの人生にない充実した一日だったと実感していた。

余韻に浸っている間、神田は手に持っていたminamの袋から今日の購入品である全身の黒コーデを取り出した。


「伸一さん...。これで明日よろしくお願いします」


その言葉に伸一は大きく頷いた。


-次の日


伸一は昨日購入した全身黒コーデに、髪をバッチリワックスでとアイロンで整え朝イチでスイレン荘へやって来た。

昨日同様、美羽が出てくるまで張り付くのは変わらない。

だが今日は昨日と違いすぐに美羽が家から出てきた。

彼女の手には財布のみが握られている。

すぐさま伸一は近づいて話しかけた。


「お...お姉ちゃん可愛いねー。この後ちょっと時間ある...?」


-昨日の作戦失敗後


「じゃあ私思いついた作戦があるですけど...」

「なになに〜」

「それは...題してナンパで時間稼ぎ作戦!!」


神田の作戦はこうだ。


まず、伸一がバチバチにキメ、美羽とデートに行って動向を探る。その隙に神田と謝恩がスイレン荘の住人に探りを入れるといった二手に別れるシンプルな物だ。


-現在


急なナンパに美羽は戸惑った。

何せ彼女はもう45歳だ。

ナンパなどもう何年もされていなかった。

一方の伸一もナンパなど人生で1度もした事がなく戸惑っていた。

だが、自分がやると言い切った以上神田にダサい姿は見せられない。

もっともっと押すことを決めた。


「どっか...あそうだ!一緒にkoli行こ!さ!」


伸一は美羽の手を握りやや強引にkoliの方角へ歩き出した。

手を握られたのに負けてか美羽は顔を少し下に下げ抵抗せず伸一に着いて行った。

その顔は少し赤るんでいた。

2人が完全に見えなくなったのを確認し、神田と謝恩は物陰から顔を出した。


「じゃあ行きましょうか」


その時だった。


ぽん


神田の肩に手が置かれた。


「え......?」



--続く

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ