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第10話 必ず信じている

第10話→第48話 必ず信じている


「じゃあマッチアップはどうするんや?そっちが決めていいぞ」


俺たちは1度会議を開くことにした。

お互いの意見を共有し、適切な判断を行うためである。

俺一人の意見だけではもう戦えない段階まで来ていた。


「マッチアップってなんですか?」

「簡単に言えば対戦表だよ」

「1対1って言ってたから人数的に1組だけ1対2になるって感じだね」

「どうしますか?」


沈黙が場を埋めつくした。

それはそうだ。誰だって戦うのは怖い。

はじめの一歩が出なかった。


「じゃあ私清水さんとやっていいですか?」


その沈黙を破ったのは指川だった。

彼女はいつだってこういう場を切り抜けさせてくれる。


「女優って意味でも憧れてる人なんで挑みたいです」

「じゃあ僕…あの瀧っておっきい人とやります」


今度は荒木が手を挙げ立候補した。

だが、その手は震えている。

そりゃそうだ。

あの瀧の体格を見ると誰でも慄くだろう。


「ホントに大丈夫?」

「はい…ウチのメンバー見ても適任は僕しかいないっぽいんで」

「……ありがとう」


次は神田と謝恩が繋いだ手をあげた。


「私と謝恩くんであの教祖の息子さんとやります!」

「ボコボコにする〜」


みんな…とても頼もしく立ち上がってくれた。


今まで幾度も助けられてきた。

今度は俺の番だ。


「じゃあ俺が教祖と戦います」


マッチアップが決定した。


1回戦→指川未来vs清水優樹菜


「清水さんよろしくお願いします!」

「お手柔らかにね〜」


両者は固く握手をした。

大事な初戦。

互いな覚悟は相当なものだ。


「じゃあルールを発表するわね。ルールは……"演技力対決"!」


2人は部屋にある扉のうちの1つに入っていった。


「わしらも行くか」


続いて教祖達も入っていく。


「俺らも入るか…」


伸一達も同じように入っていった。

部屋に入ると、中には舞台と客席があり、さながら小さな劇場のようだった。


「じゃあもっと詳しく説明するね」


舞台に乗っている清水が饒舌に語り始めた。


「今から私たちは"男だ"と嘘をつきます。実際は女な訳だけど観客である何も知らない信者達にどちらが本当に男だと思われるかで対決よ」


そういう事か……

つまり小規模な嘘→死をやるって事ね。


俺はあまりテレビを見ないから清水の実力とか人気は知らないけどゆびーの演技力は分かる。

俺たちに宮里の存在を一切悟られなかった実力は本物だ。

必ず勝ってくれるだろう。

そう…信じている……


「それにしても"あの"清水優樹菜が真実教信者なんてね」

「荒木くん知ってるの?」

「いや…知ってるも何も……日本アオデミー賞で最優秀主演女優賞を取ったことがある実力派の女優ですよ!知らない方が珍しいでしょ」


日本アオデミー賞って言ったら日本で最高の賞じゃないか。

そんなの俺でも知ってる。

で…でも勝ってくれるはず……


「大丈夫かな…ゆびー。アイドルが本業で演技経験なんてないのに……」


……勝ってくれるはず……多分…


そして、1回戦が始まる。


--続く

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