第6話 夢語りゲーム
第6話→第44話 夢語りゲーム
-時は遡り、ミッションが終わった直後
伸一たちは暗い様子で住宅街に位置する伸一の家に帰ってきた。
全員が全員、様々な思いを持ったまま下を向いてうなだれている。
ため息でこの場が埋め尽くされそうだ。
あの元気な謝恩でさえ何か考え事をしているように見えた。
だがしかし、もう1人の元気枠...指川はそうではなかった。
「みんな!そんなに落ち込んでも意味ないよ!前向こ!」
さっすがはあまり売れてないとはいえアイドルだ。
その明るさには目を張るものがある。
しかし俺にはもうそれに乗って陽気に返す余裕は無い。
だって...ほぼ確実にこの中の誰かは死ぬ事が決まっているから。
もう...あれをするしか......
「もう!元気だそ〜」
「でもゆびー。今の状況考えたら無理だよ...」
「......」
指川も彼女なりに何かあるのか少しむっとして突然拍手を始めた。
「夢語りゲーーム!!」
「......なんですか...?」
「こういう落ち込んだ時って自分の夢を人に話したら落ち着くことがあるんだよ!だから...みんな話そ?」
「...確かにそういう心理もありますね」
「僕も話す〜」
「私も話してみます!」
気づけば全員が少し活気を取り戻して夢を語るという小さな目標に向かって前向きになっていた。
俺もこんなうなだれてる場合じゃないかもな...
「まず私!私はアイドルで成功したいって言うのもあるけどやっぱり素敵なお嫁さんになることかな!好きな人と一緒になれるなんてそれ以上のことはないよ!」
「ゆびーなら...絶対なれるよ!」
指川は指輪のネックレスを煌めかせ笑顔を振りまいた。
「じゃあ僕行くね〜。僕の夢は〜...最強の戦士になること!バンバン銃打ってシュンシュン素早く動いて敵をぶっ倒すの!」
「いいね〜めっちゃ可愛い!」
謝恩はにんまりして大きく頷いた。
「じゃあ...次は僕行きます。僕はやっぱりいつまでもイブニング少女を追っかけてたいですね。好きな事をいつまでも続けていきたいです」
「あれ〜私も応援してよ!」
「あ、ゆびーも勿論」
荒木も次第に笑顔が見え始めた。
「次は私行きますね!私は...ずっと皆さんと過ごしていきたいです!こんな非日常的な時間なんて体験したこと無かったんですけどそれでできた絆を大切にしていきたいです!」
「神田さん...!!」
そんな事を考えてくれてたのか...本当にありがたい事だ。
思わず涙が出そうな程だったよ
...って順番的に俺が行くべきだよなー
俺の夢か......
俺は皆との思い出を振り返った。
ゲームが始まって、最初はナンパみたいだったけど神田さんと偶然に出会えた。
次も偶然だったけど謝恩と出会えた。
迷子の謝恩は初めは少し嫌いだったけれどだんだんマシになってきて今では全然大丈夫だ。
その次はゆびーか。ゆびーも最初は怪しいなと思ってたけど蓋を開けるとすごい良い奴で今も大好きだ。
そして荒木くん。俺が1番嫌いなタイプだった彼だけど偏見って良くないなって思った。
荒木くんもずっとずっと俺たちの仲間だ。
みんな...ありがとう
「俺の夢は...生きてまたこのメンバー全員と遊ぶ事。俺にとって初めてできた信頼出来る仲間なんだ。だから...誰も死んで欲しくない...!」
「伸一さん...」
神田の目から涙がこぼれ落ちた。
その涙が地面にぽたんと落ちる時、俺は覚悟を決めた。
「みんな...教祖に嘘が知られてしまった現状...ただ1つ、誰も死なない作戦があるんだ」
神田は涙を手で拭い聞いた。
「作戦って...?」
俺は全員の顔を確認して言葉を喉に集中させる。
「教祖を...密告しに行こう」
そうして、俺たち全員での最後の作戦が始まった。
--続く




