第11話 敗北の味
第11話→第38話 敗北の味
俺たちは......負けた。
教祖達がこちらを見て笑っている。
なんで...なんでだ?教祖チームはまだ本田の嘘が分かってないはずなのに...
俺はここである教祖の言葉を思い出した。
『わしは"人の嘘が分かる"。とだけ言っておくわ』
まさか1ターン目には既に本田の嘘を見抜いていたという事か...!?
そんな事が有り得るのか......!?
『本田様が密告されました。嘘→殺人鬼』
「嫌だ...!嫌だ...!!俺はアイツを1人には出来ない...!真彩!!」
叫び声の方を向くと、本田が黒服達に連行されようとしていた。
その様子は、宮里の時をフラッシュバックさせる。
「やめてくれ...!!!」
バチン
抵抗する本田に対して痺れを切らしたのか黒服の1人がスタンガンを当て気絶させた。
本田は力が抜けだらんとした。
それを黒服たちが引きずり体育館を立ち去った。
引きずられる本田の目からは涙が見えた気がした。
『勝利者の教祖チームには、"報酬"が与えられます。ご自分の携帯に配布されている伸一チームのリストを見て、誰の嘘を知りたいのか、画面をタップして下さい。』
アナウンスと共に教祖は携帯を開き、こちらを品定めするかの様に眺めた。
そして、正と何やら会話をして画面をタップした。
すると、嘘が表示されたのか教祖はニヤつきこちらに近づいてきた。
「お主らはこんな爆弾を抱えてそれを知らずにゲームしとるとは...馬鹿やな」
そう意味深な言葉を残して教祖チーム4人は体育館を立ち去った。
この時俺は少し助かったと思ってしまった。
教祖の言葉を聞くに、嘘を知られたのは俺ではなさそうだったから。
そして教祖達がすぐに密告しなかったから。
ここで俺たちの次の目標が出来た。
教祖に密告される前に教祖を密告する。
それだけを心に込めて、俺たちも体育館を去った。
このミッションで顕になった仲間への疑念と数々の意味深な言葉と共に。
~ミッション~"悪魔の一声"伸一チーム→敗北
-参加者が立ち去った後の体育館
「成瀬さ〜ん!猿見伸一負けちゃったじゃないですか〜強いんじゃなかったんですか〜」
野田が成瀬の頭をポコポコ殴っている。
「いやいやこっからだよ彼は。こっからもっとどん底に落ちてもらわないと」
成瀬は不敵な笑みを浮かべた。
「いや怖いですよ」
「あ、ごめんね」
ボックスなどが撤収した後も成瀬をはじめ、黒服の誰も伸一の落し物には気が付かなかった。
そして物語はまた大きな転機を迎える。
第4章~完~
--続く




