第12話 we are ゆびーず
第12話→第21話 we are ゆびーず
突然現れた指川に宮里は驚愕を顕にした。
「な...なんで...!?ゆびー......」
「ごめんね宮里さん...」
指川は視線を逸らした。
すると、指川の背後から3人の男女が現れた。
伸一、神田、謝恩である。
「な...なんだよお前ら......!?」
そこまで遠くない距離だったが、宮里は大声を張り上げた。
倉庫なだけあって鼓膜の中まで響き渡る。
一方、興奮した宮里に対し、落ち着いた態度で伸一は話した。
「僕たちは指川さんの味方です!指川さんを...助けに来た!」
「ちげーよ!お前らが俺を密告したのか!?どうやって!?」
唾が飛び、必死さがこの場の全員に伝わる。
伸一はスマホの画面を宮里に向けた。
その画面は、荒木と通話が繋がっていることを示していた。
「お前が詐欺グループの幹部だったからだよ...!お前...裏社会でちょっと有名だろ?だから裏ウェブで検索したらすぐだったよ...」
宮里は狼狽えた。
そこに荒木が声を荒らげる。
「お前はファン失格なんだよ!もう1回ROM専からやり直して来い!」
「う...うわー!!!っ!!」
宮里は突然発狂し、男たちをかき分け飛び出そうとした。
が、失敗し黒服の男が宮里の両腕をがっちり抑えた。
そして、抵抗する宮里を無理やり黒服のものらしき車へ引っ張った。
「嫌だ!嫌だー!」
涙や鼻水がこれでもかとこぼれ落ちている。
足はだらんとして時折じたばたさせている。
結局抵抗虚しく車に乗せられてしまった。
「では、これで」
黒服の女が伸一達に一礼して、同じ車に乗り込んだ。
そして、そのまま走り出し、夜の闇に消えていった。
夜は更け、鳥もその身を隠した。
静かな街は人々を夢へと誘っているようだった。
「皆さん...!本当にありがとうございました...!」
指川は伸一らに深々と頭を下げた。
その背中は、今までの鎖が解け、羽が生えたように軽かった。
「全然大丈夫!仲間のためだよ!」
「当たり前ですよ!」
「ゆびーまた一緒にいる?」
指川は、手をぐっと指輪のネックレスの着いた胸に押し当て答えた。
「...うん!もちろん!」
その目には嬉し涙が浮かんでいた。
その涙を指で拭い、指川は伸一からスマホを受け取った。
通話中の荒木に話しかける。
スっと息を吸って満面の笑顔で囁いた。
「荒木くんありがと!後でご褒美たいむだね!」
-モニタールーム
「た、だ、い、ま!」
先程の黒服の女が部屋に転げ込むように入っていった。
部屋の中では、成瀬と小太りの男が先程の状況をモニタリングしていた。
「おつかれ〜咲ちゃん〜」
「名前で呼ばないで」
「じゃあ...野田咲ちゃーん」
「本名やめい」
野田は小太りの男に軽くチョップした。
「いてっ。ていうか現場どうだった?僕も行きたかったな〜」
「そうだ!あんた絶対いると思ったのに!なんで居なかったの?」
「なんか...めんどかった笑」
「なにそれ...ってか成瀬さん!どうでした?私の活躍!」
野田は成瀬に犬のような顔をして頭を差し出した。
「良かったよ」
その頭に成瀬はよしよしした。
「キャー!」
思わず頬を手で覆い目で今の出来事を堪能した。
そんな野田を横目に小太りの男が発言した。
「そういえば成瀬さん的にどうですか?猿見伸一のチームにいる......"内通者"は...」
「ん〜たぶん今の所バレる気配はないね。でも...このままじゃ面白くないからそろそろ...スパイスを入れなきゃね」
そんな成瀬の目の前のモニターには、"ミッション"の文字があった。
第2章~完~
--続く




