第6話 今夜は宴
第6話→第15話 今夜は宴
「あ...荒木くん!初めまして!俺...猿見伸一っていいます!」
伸一は確認の意図を込めて指川の方を見た。
指川はにっこりとこちらを見ている。
「荒木くんは俺たちの仲間になるって事で...いい?」
荒木は伸一の顔を目を細めてじっと見た。
「......いや...なりませんけど」
「え?でも...さっき」
指川は荒木の前に立ち、目で訴えた。
「ならないの?」
「なります」
その反応に伸一はどこか仲間意識を感じた。
「じゃあ一旦家に戻って自己紹介してもらいますか!」
-伸一宅
「ふわぁ......なんか今日めちゃめちゃ疲れた気がするよ〜」
謝恩は、帰ってきた途端リビングの床に寝転んだ。
大の字になり顔を床に沈ませている。
それを囲むように他の4人も座り込んだ。
「じゃあ改めて...荒木くん」
「はい...自分荒木小太郎っていいます...21です...お願いします...」
俯きながら答える荒木に小さい拍手が起こった。
謝恩も起き上がって大きく手を叩いている。
「お兄ちゃんはすっごいUSO48のファンなんだね!!」
すると、今まで少し俯きがちだった荒木が顔を上げ声を張った。
「あのー皆さん...指川ちゃんも含め勘違いしてるかもしれないんですけど!僕ーUSO48も好きだけど...イブニング少女のファンなんですよー!」
荒木の顕にした少しの怒りに指川も驚いた表情だ。
「あ...そうなんだ、...ごめんなさい」
凍った空気をなんとか戻そうと伸一は手を大きく叩いた。
「さ!仲間も増えた事だし!親睦会しますか!」
神田や謝恩もやや引きつった顔で同調する。
「ヤッターぱーてぃー!!」
-20分後
「いえーい!荒木くん飲んでるー??」
「飲んでるぜいえーい!!」
伸一と荒木はお酒が入り先程のよそよそしさは見る影もなかった。
肩をお互いに組み、横に揺れながら騒いでいる。
一方お酒に弱い神田と未成年の指川、謝恩は仲良く3人でオレンジジュースを持ち、話を弾ませている。
「アイドルも大変なんだね〜」
「私も憧れてた時期あったんだよ!もう好きすぎて犯罪しちゃいそうだったよ!しなかったけどね笑」
「......そうなんですね...」
神田はどこか、指川が心から笑っていない気がした。
-夜更け
深夜、伸一と荒木は共に潰れ幸せそうな顔をしてソファに沈んでいた。
机にはお酒やオレンジジュースが散乱している。
謝恩も同様に布団に入り夢の中である。
そんな中、指川はスマホを握りしめうずくまっていた。
「......もう...無理...」
そんな指川の横から顔がにゅっと飛び出してきた。
「!?!?」
指川が顔を上げ確認すると、それはトイレから帰ってきた神田であった。
「...指川ちゃんどうしたの?」
「神田さん...なんでもないですよ!」
その顔は明らかになんでもない顔はしていなかった。
「いいよ!なんでも言って?私を信用して!」
「......」
「...実は...あいつに...あのオタクに...ずっと脅されてるんです......!!」
--続く




