第5話 ファン違い
第5話→第14話 ファン違い
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「最後まで聞いてくれてありがとー!ぜひ素晴らしいイブニングを!イブニング少女でした!!」
ライブが終わり少女達は舞台袖へと捌けていった。
観客たちはまだここでグッズ?の販売があるらしく半数ほどは立ち止まってライブの余韻を楽しんでいる。
残りの観客たちは仲間達と共に一斉に会場から外へ流れ出ていく。
その流れに乗り、伸一、神田、謝恩の3人は会場から外に出てきた。
「思っていたより迫力あって凄かったですね!」
「僕もあんな風に歌って踊りたい〜」
「謝恩くんもかわいいからなれるかもね!」
2人が興奮した様子で感想を話し合っている中、伸一はただ1人、何かを探していた。
「......」
「伸一さんどうしたんですか?」
「......神田さんはずっとライブに集中してて気づかなかったかもしれないんですが...ライブが始まってから今までずっと...指川さんがいないんです...!!」
「え...ほんとだ...!」
その時だった。
伸一の肩に手が再び置かれた。
今日2回目の出来事だ。
だが、先程の時とは全く違うという事だけは分かる。
手が明らかに違うのだ。
なんというか...ゴツイ。
伸一は指川の時よりは落ち着いている。
が、心臓はやはり高鳴っていた。
「ふぅ〜」
意を決し、振り返るとそこには...
指川...
ではなく小太りの男が立っていた。
その時伸一は驚い...てはいなかった。
何故なら男の隣に見知った顔があったからだ。
指川である。
「...どうしたの」
「私...ライブの途中で見つけちゃったんですよ!思わず叫んじゃった!」
伸一は男の方をチラチラ見ながら恐る恐る聞く。
「な...何を......」
そう聞くと、指川は男の大きい背中をドンと叩いた。
男は指川の方をちらっと見て口を開いた。
「は...始めまして...僕...荒木小太郎って言います」
よく見ると、荒木の着ているTシャツには先程のセンターの少女が満面の笑みでポーズを取っていた。
--続く




