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3話目

教えてもらった資料館をすぐに見つけることができた。

この資料館には公園に関する歴史や町の発展の歴史なんかが残っているらしい。

「資料館なんてあったんだね」

空はぽつりとつぶやく

「私も知らなかった」

資料館の中は明るく洋風なつくりをしていた。

様々な昔の道具が展示されていた。

数人の人々が静かに、それらのものを見ている

資料館の一部が図書コーナーだった。

私たちは課題のために図書コーナーへ向かった。

公園の歴史なんかを漁ってみたが簡単に歴史がまとめられているだけで

めぼしい情報は見つけられなかった。

見ていた資料の後ろのコラムにこの地に伝わるおとぎ話が乗っていた。


昔々あるところに小さな村がありました。

村人のほとんどが農業を営んでおりました。ここに住む子供たちもいつもみんなで遊んでいました。

やがて子供たちは大人になり、みんなで協力して生きておりました。

ある時、成長した子供たちの中に外の世界に出ていこうとした者がいました。

決して大きくはない村だったから人手が減ることは問題でした。

仲間の者たちは出ていこうとする者になぜ出ていくのかと聞ました。その者はこんな小さな村にいて村の一部としては生きてはいけない自分のために生きると言いました。

年老いた者たちに若者の言葉は届きません。同年代には出ていく者の言葉に納得しない者もいました。中には出ていく者の言葉に心が揺らいでいる者もいましたが誰もついていこうとはせず、その者が村を出ていくのを見送りました。

それから数年して出ていった者は都会での生活を送っていました。人脈のめぐりあわせや大いに努力したことがあり、商売はそれなりにうまくいっていました、おかげで裕福な暮らしを送ることができていました。そんなある時ふと出てきた村のことを思い出しました。

たまには村の様子をうかがってやろうと気まぐれを起こし、帰郷することに決めました。

帰郷する道中、強い雨が何日も続きました。その者は宿屋に泊まり天候が回復するのをのんきに待っちながら帰郷の旅路を楽しんでいました。

ようやく雨が上がり村に帰郷した者は、待っていた情景に驚きました。

家の数は減っていない、どころか増えています。しかし村の水路に水がありません。緑がありません。そして村人の音がしませんでした。

連日続いた雨が作物を枯らせてしまい、川の水が村にあふれてしまったのです。

村を出たものはすぐにかつての友たちに会いに行きました。友と村の住人たちはこの冬をどう乗り切るか話し合っていました。しかしまとまらず同じ話をぐるぐると回っていました。

若者たちはたくましい想像力から無茶な案が飛び、重鎮は世の中知らずだと言い、豊かな経験からくるその場しのぎの案が飛びます。ぶつかるのは火を見るより明らかでした。

久しぶりに帰郷した者は話し合いに加わり新しい提案をします。村の外の力を借りようと。

だけど皆は眉を顰めるばかりでいい顔をしませんでした。

曰く伝統を守り抜いた村だから今回も伝統にしたがうべきだや、外者の力がなくても乗り越えられるなど根拠になっていない反論でした。挙句の果てには村を捨てたものに語る資格はないと追い出されてしまいました。

提案をした若者には、意味のないわがままに見えました。

その者は村を出ました。


ここでおとぎ話は終わっている。

「変なおとぎ話だね。」と空は言う。

確かにずいぶんと煮え切らないおとぎ話だ。

私はどうにも気になってじっと眺めていると空は肩掛けのカバンを持ってつかれたーなどと言って

立ち上がった。それなりにいい資料を見つけることができたので、その日はお開きになった。

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